葉鍵的 SS コンペスレ 5

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524 ◆1fxc9.mvOM
何か寂しそうなので前回出しそびれた作品を投稿します。
ちゃんと「旅」にもかかっているので問題ありません(w
長さは7レスです。
525No future(1/7):02/12/18 00:08 ID:zh3F1o4E
「浩之ちゃん、このビーフシチューの味はどう?」
「ああ、すごく旨いぞ」
「沢山作ったから、どんどん食べてね」
今日はあかりが俺の家に夕食を作りに来てくれた。
あかりの両親は旅行に出かけてていて、日曜の夜まで帰ってこない。
ということは、今夜はあかりと二人っきりだ。あんなことやこんなことまで
することも可能なのだ。う、いかん、幼馴染みというのが逆にプレッシャーに
感じてきた。

食事の後は、テレビを一緒に見た。番組の内容など頭に入っていないが
いきなり迫るのもがっついているようで良くない。時間ばかりが気になる。
もうすぐ10時だ。いけ。いや、待て。思考が堂堂巡りをする。
余計な考えを振り払い、あかりの肩を抱く。
「浩之ちゃん……?」
あかりがちょっと顔を赤らめながら囁いた。
「あ、あかり。キスするぞ」
「う、うん……」
526No future(2/7):02/12/18 00:12 ID:zh3F1o4E
だが、せっかくのラブシーンは、闖入者によって破られた。
「やめろ!!」
「うわっ!あんた誰だ!!」
「俺は10年後の未来からやってきたお前自身だ」
「未来ィ!?」
「いいか、良く聞けよ。もしもお前がこのままあかりにキスをしたら、
お前とあかりが結ばれる運命が既定路線となるんだぞ。いわば『フラグが立った』
状態だ。だが、二人の結婚生活は決してうまくいかない。
何かにつけてあかりは俺を束縛しようとした。
俺はそれに嫌気がさして、密かにつくった愛人と共謀してあかりを殺したが、
結局は露見して警察に追われるハメになっちまった」
「そんな、ひどいよ、浩之ちゃん!!」
「待て、俺はまだ何もしてないだろうが!」
「そんなこといったって……あっちの浩之ちゃんだって、浩之ちゃんには
代わりがないじゃないの」
「大体、必ずしもあんたの言った事が現実になるとは限らないだろうが!
こうして未来を知ったからには、うまくいく様に、いくらでも気を付けりゃいいんだろ」
「ふふ、甘いな。俺もそう思って、結婚したあと、二人の仲がギクシャクする前の
過去に戻って、5年前の自分に忠告した。念のために二人が大学に入って、
同棲生活を始める8年前にも言って助言した。だがそれでも俺のいた未来は
なんの変わりもなかったのだ。因果律はお前が思っているより、はるかに強力なのだぞ」
「くっ……だけど、俺はまだあんたが未来から来たなんてしんじちゃいねえぞ」
「どうしてもあかりを選ぶと言うのなら、仕方がない。力ずくででも考えを変えさせるさ」
男は懐から銃を取り出した。
527No future(3/7):02/12/18 00:18 ID:zh3F1o4E
「おいっ、ちょっと待て!!俺を殺したら、お前も消えるんだぞ!」
「誰がお前を殺すって言った?」
「ひ、浩之ちゃん……」
「やめろ!!」
「きゃああああーーー!!!」
「貴様!よくもあかりを!」
「くそ、放せ……俺はお前の為に……」
「黙れ!!」
バーン!
「こ、こんな所で……」
俺は自分を殺してしまった。しばらく呆然として、へたり込んでしまった。
どうしたらいいんだ?未来から来た男を殺しましたって言って警察が納得するか?
しかも指紋は自分と同じだ。
まあ、もともと存在しない人間なんだから、どこか山の中に埋めてしまえば、
それで済むだろうが、あかりの死体まであるんだぞ。ああ、なんでこんなことに
なっちまったんだろう。いっそ俺のほうがタイムマシンで過去に戻りたいよ。
……待てよ。
10年前から来た「俺」は、あかりと結婚した未来からやってきた。もしも俺が、
今から他の女性を伴侶にしたら、どうなるのだろう。あかりとの破綻した結婚生活は
存在せず、この死体も不存在という事になるのではないか……。
確証はないが、とりあえずやってみるしかあるまい。どの道この家には自分しか
居ないのだから、さしあたって、二つの死体は毛布にでも包んで、物置に置いて
おけばいいだろう。
528No future(4/7):02/12/18 00:22 ID:zh3F1o4E
こうして、俺のベストパートナーを探す旅が始まった。あかりの両親も週明けまで
不在だから、期限はあと二日とちょっとという事になる。
「志保っ!結婚してくれ!」
「あんた、いきなり何言い出すのよ」
「頼む、一生のお願いだ」
「ヒロ、あんた正気?あたしたち、まだ高校生よ。それに、あんたにはあかりが
いるじゃないの」
「いや、これはあかりも了承済み、っていうかあかりのためなんだ」
あかり以外の人間と結婚しないとあかりは死んだままだ。
「もう、要領を得ないわねえ。ははあ、あんたあかりと喧嘩したんでしょ?
だめよ、仲良くしないと」
「そうじゃないったら……ああ、もう面倒くさいなあ」
こうなりゃ多少強引でもいいや。俺は志保の手をつかんで、抱き寄せた。
「あっ……何するのよ、ヒロ」
「すまねえ、悪く思わないでくれ。これも明るい未来のためなんだ」
二人の距離が徐々に接近していく……。
529No future(5/7):02/12/18 00:26 ID:zh3F1o4E
「待て!!」
「誰!?」
「うげっ、またかよ」
「もしもそのまま志保とキスしちまったが最後、お前はこの先ずっと苦しむ事になるぞ。
志保は浮気性の尻軽女で、離婚の調停では財産分与と親権を巡って、泥沼に……」
「誰が尻軽ですってぇ!!」
「この目で直面した現実だ」
「ヒロ、誰なのよ、このあんたに良く似た男は……って、ヒロぉ!?」
志保はあんぐりと口を開けたまま、奴と俺の顔を見比べている。
「あんた、生き別れのお兄さんとかいたっけ?」
「残念ながら、そんな奴ぁいないよ。あれは10年後の俺らしい」
「ええっ!?」
俺は俺に向き直って言った。
「だがな、俺は志保との結婚を諦めるつもりは無いぞ。あかりの命がかかってるんだ
からな」
「そうか、じゃあ仕方が無いな」
今度はもう一人の俺はバットを振りかざした。どうやら俺を叩きのめして言うことを
聞かせるつもりらしい。迫り来る魔の手を二度まではかわしたが、3度目には強かに
攻撃を食らってしまった。俺は相手を突き飛ばして、逃げ出すのが精一杯だった。
530No future(6/7):02/12/18 00:29 ID:zh3F1o4E
これ以降、俺は散々だった。高校生ジゴロを密かに自認するだけあって、
色々な女の子に粉をかけてあったのだが、告白して、キスをしようとすると、
未来から邪魔者が余計な忠告しにやって来るのだった。
芹香との入婿生活は一族から相当な嫌がらせを受け、
レミィには動物と間違えられて弓で射殺され、理緒とは赤貧の苦しみを味わい、
琴音は研究所に連れ去られ、委員長が俺よりも金を稼ぐせいで劣等感に苛まれる
といった具合だ。流石に自分本人から上手くいかなかったと伝えられては、
先行き不安になるのも無理はなく、隣りの芝生青く見える原理で、じゃああっちの娘は
どうなのだろうと行ってみると、やっぱりそっちも障害が多かったりするのだ。

俺にはそこまで結婚生活を維持する能力に欠けているのだろうか。
もうここまでくると笑うしかない。脈のありそうな娘は全て空振りに終わった。
俺は意気消沈、疲労困憊の呈でフラフラと町はずれをさまよっていた。
すると、大きな建物が見えてきた。そこに来たのは初めてだったが、
名前はよく知っている。俺は塀を乗り越えて敷地内に侵入した。
531No future(7/7):02/12/18 00:36 ID:zh3F1o4E
研究室では、長瀬源五郎が一人で酒を飲んでいた。
彼は驚いた様にこちらを見た。
「おや、藤田君、ここは関係者以外立ち入り禁止のはずだが」
「宵の口から宴会かい?」
「ふふ、今日、凄い発明のアイディアが思いついたものでね。
今はまだ理論だけだが、10年もあれば実用化にこぎつけて見せるさ。
詳しい内容は秘密だがね」
「その発明って、タイムマシンだろ?」
博士はみるからに動揺した。
「ななっ……ふ、藤田君、どうしてそのことを?」
「その発明のせいで、俺はえらい目にあったんだよ」
知りたくもない事を嫌というほど知らされてしまった。
俺の未来はどこにも行けない、袋小路だってことを。
「何もかもあんたのせいだ!!」
俺は博士の頭をしこたまぶっ叩いた。
ろくでもない発明を忘れてくれる事を願って。
532 ◆1fxc9.mvOM :02/12/18 00:39 ID:zh3F1o4E
>>525-531
「No future」でした。
送信間隔は、二、三分取った方が良いみたいです。
つうか他の書き手は何処へ?
533 ◆TrLMAINORU :02/12/18 00:43 ID:oNxQHQXo
では続いて投稿。
6レス予定でゴー。
534ひとりふたり(1):02/12/18 00:45 ID:oNxQHQXo
 休日、秋風の下。いつものように自転車で走っていると、公園でフリーマーケットをやっていた。
 秋特有の、快晴に恵まれながらも涼しげな気候も後押ししてか、人出は決して少なくなかった。

(誰かが、呼んでいる気がした)
 
 特に用事もなかったので、暇つぶしにと思い、自転車を止めて会場内に立ち寄った。
 のんびり歩き回ると、彼方此方から威勢のいい声が耳に飛び込んでくる。

(なんだか、懐かしい匂いがした)

 一度も着られることのなかった古着、壊れかけのブリキのおもちゃ、趣味で集められた無数の時計、
買ったはいいが使い道に困った通販のホットプレート、動くかどうかも怪しいテレビや電子レンジ――。
 それぞれに曰くがありそうなガラクタの中を、縫うようにして見て回る。

(気がついたら、涙がこぼれていた)

 ふと、一枚のお皿を見つけた。見つけた瞬間、後先考えずに手に取っていた。
 なんとなく気に入ってしまったので、気がついた時には、お皿入りの箱を背負い、帰り道についていた。

 ――財布の中身と相談もせずに。

 懐は吹けば飛ぶよに軽くなったが、気分はもっと軽かった。
 そのまま、映画のクライマックスシーンのように、宙に舞い上がってしまいそうなくらいに。
 その理由は――。

(その理由は――)
535ひとりふたり(2):02/12/18 00:47 ID:oNxQHQXo
「冬弥、お金貸して」
「…………………………は?」
 人間、思いもよらない出来事に遭遇すると、思考能力が一時的に混乱を起こすという。
 週明けの大学、休み時間に食堂で幼馴染に出会った藤井冬弥が、まさにその状態だった。

 冬弥がどうにか人並みの理解力を取り戻すまでに、きっかり20秒。
 必要以上に落ち着こう、落ち着こうと自身に言い聞かせ、声を絞り出す。
「……はるか。何か悪いものでも食ったか?」
「食ってないけど買った」
 何を? と聞こうとした冬弥は、目の前の幼馴染、河島はるかが背負ったものに気がついた。
 大き目のサックに、四角形の“なにか”の形が浮き上がって見える。

 冬弥の視線に気がついたらしく、はるかはよいしょ、と声を上げながらサックを肩から下ろす。
 その口を開け、中から袱紗包みの箱を取り出して見せた。
 風呂敷包みに用いられている濃紺の薄布は、それだけでやたらに高級そうに見える。
 結び目を解くと、中からくっきりとした木目の眩しい桐らしき箱が顔を出した。
 蓋を開ければ、箱の内側にもクッション代わりの袱紗がみっしりと詰まっている。
 その中央には一枚の――。
「皿?」
「うん、お皿」
 一枚の、黒いうさぎの絵が描かれた絵皿が鎮座しましていた。

 サイクリングの途中でフリーマーケットを見かけ、この絵皿を見つけたこと。
 いてもたってもいられずに、財布の中身と相談もせずに絵皿を購入したこと。
 そんな内容の話を、普段の彼女からは考えられないくらいに熱っぽく雄弁に語るはるか。
536ひとりふたり(3):02/12/18 00:47 ID:oNxQHQXo
 はるかとは長い付き合いの冬弥。その思い出の深い場所にようやく見つかるような、そんな姿だ。
 冬弥の目に映るはるかに、一瞬だけ髪の長い過去の映像がだぶる。
「それで6万円使って、すっかりオケラになっちゃって」
「ろくまんえんっ!?」
 が、あまりに凄まじい出費による衝撃によって、そのイメージは雲散霧消して消え果てた。
 テレビ局のADと喫茶店のアルバイトに精を出す勤労大学生、かつ貧乏大学生である冬弥にとって、
それだけの金額がいかほどの労働によって生み出されるかは身体がよく理解している。

「はるか。幼馴染として忠告しとく。あまり無駄遣いはしない方がいい」
「今度新しい自転車買おうと思ってるんだけど」
「金を借りに来といて、さらに出費の予定を用意しとかないでくれ」
 新渡戸稲造氏を一枚融資しながら、大きなため息をつく冬弥。
 早速昼食を買いにいくはるかを見送りつつ、目の前のテーブルに置かれた箱の中の絵皿を見る。

 円形で落ち着いた色の地に、黒うさぎが半面にわたって描かれていた。
 真っ赤な目がいかにもうさぎらしく、くりくりとしていてかわいらしい印象を与えている。
 こういう骨董には疎い冬弥から見ても、さほど悪い買い物とは思えない品物だ。
「けど、なんていうか……なにか足りない感じがするなあ」
「寂しそうだよね?」
 冬弥が顔を上げると、そこには両手でトレイを持ったはるかの姿。トレイの上には野菜サラダ。
 トレイをテーブルに置き、絵皿とトレイを挟んで、はるかは冬弥の向かいに座る。

「夢を見たよ」
 はるかの言動はいつだって突然だ。
 冬弥が何か言う間もあればこそ、はるかの不思議な夢語りが始まった――。
537ひとりふたり(4):02/12/18 00:48 ID:oNxQHQXo
 ぴょんぴょん、ぴょーん。ぴょんぴょん、ぴょーん。

 土地から土地へ、人から人へ。黒いうさぎが跳ねていく。
 黒いうさぎの跳ねたあとから、白いうさぎがついてくる。

 ところがある時、黒いうさぎが遠く遠くに跳ねたとき。
 あとから来ていた白いうさぎが、その足跡を見失う。

 黒いうさぎはそれに気づかず跳ね回り、気づけばどこかで一人ぼっち。
 待てど暮らせど迎えは来なくて、迷子になって泣いていた。

 ぴょんぴょん、ぴょーん。ぴょんぴょん、ぴょーん。

 白いうさぎは、黒いうさぎを追いかける。
 ある日突然、黒いうさぎが消え去った。

 白いうさぎは、黒いうさぎになろうとして。
 泥土の中を、死んだように泳ぎ回った。

 それでもやっぱり、白いうさぎは白いまま。
 いつまでも、黒いうさぎの影を追いかけ続ける。

 ぴょんぴょん、ぴょーん。ぴょんぴょん、ぴょーん。
538ひとりふたり(5):02/12/18 00:49 ID:oNxQHQXo
「……そんな夢」
 いかにもはるかな語り口の、そんな不思議な夢だった。
 冬弥とはるか、二人ともに無言の時がしばらく過ぎた。
 前半はともかく、後半は、まるではるかそのものの夢のようで――。

「だからね」
 はるかが微笑む。手には黒いうさぎの絵皿。
 丸い皿を手に持ったその姿は、冬弥の目にはまるでそれ自身がひとつの芸術品のように写った。
「この黒うさぎを探してる、白うさぎがどこかにいると思うんだ」
「まあ……わからなくもないな。お前の夢はともかく、皿の半面に黒うさぎだけ、ってのは不自然だ」
「探そ?」
「待て待て待て、探すのはいいが、何処をどうやって探すつもりだ」
 んー、とおとがいに指先を当てて、呆と中空に視線を彷徨わせるはるか。
 そしてあはは、と微笑みながら困ったようにこう言った。
「やっぱり、フリーマーケット?」
「無茶を言うな、無茶を」
 あきれる冬弥。はるかはというと、やっぱり? といった表情で笑顔を崩さない。

 そして結局のところどうなったのかといえば。
 冬弥のバイト先の喫茶店のマスターが骨董屋にツテがあるそうで、そこに紹介してもらうことになった。
 テレビにも出演している有名な人らしいが、なんだってそんな人と知り合いなのか? と冬弥が聞くと、
なんのことはない、その骨董屋もマスターや彰の親戚である、という答えが返ってきただけ。

 そしてはるかは、嬉しい顔をしていた。
 誰にも、冬弥にも、わからないような嬉しい顔。
 そんな顔に、気づいたのは――。
539ひとりふたり(6):02/12/18 00:50 ID:oNxQHQXo
 泣き疲れた黒いうさぎは、とぼとぼと肩を落として歩き回った。
 元気よく跳ねていた頃とは比べ物にならないほどの、遅い、遅い、ゆっくりとした速度で。
 そうして歩き回っては休み、歩き回っては休み。
 迷子の黒いうさぎは、そうやってもう何十、何百日目になるかという孤独を味わっていた。

 そこに、声がかけられる。
 黒いうさぎは、伏せていた赤い瞳を開いて声の主を探した。
 けれど、人が多すぎてなかなか見つからなかった。
 そこで、匂いをかいでみた。
 生き物と器物、旧いものと新しいものの匂い。
 その中になんだか懐かしい匂いを感じた。

 涙が、あふれてきた。
 その瞬間、黒いうさぎは一人ぼっちじゃなくなったから。

 はるかに抱かれて、うさぎの少女は幸せそうな顔をしていた。
 ふと、うさぎとはるかの目が合った。
 ――大丈夫。白いうさぎは見つかるよ。
 ――ありがとう。
 ふたりだけの、嬉しい顔。

 旅に旅した、迷子のうさぎの物語。
 まくらの旅は、もうじきおしまい――。
540 ◆TrLMAINORU :02/12/18 00:52 ID:oNxQHQXo
>>534-539
『ひとりふたり』でした。
〆切前に、一気にラッシュが来ましたねえ。
541名無しさんだよもん:02/12/18 00:54 ID:kPsp3nkr
投稿します。
タイトルは「犬耳娘細腕奮闘記@旅情編」
13レス、うたわれるものです。
542犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(1):02/12/18 00:55 ID:kPsp3nkr

「エルルゥ、お茶を頼む……エルルゥ?」
 ふとハクオロが振り返れば、いつも薬草の香りと共に現れるエルルゥが、今日に限っては全く姿を見せない。
「………エルルゥ? うーむ、洗濯にでも出てるんだろうか」
「聖上」
 のんびりと首を傾げるハクオロの元に、ベナウィが緊迫した面持ちで駆け寄ってくる。
 そのただならぬ様子を見て、ハクオロは慌てて姿勢を正した。
「聖上、これを見てください」
「なんだ……紙?」

『旅に出ます。探さないで下さい      エルルゥ』

「んなっ!?」
「今朝、エルルゥ様の部屋を掃除しに行った侍女が、この書置きを見つけました」
 ベナウィはハクオロの前に正座すると、厳しい顔のまま目を伏せる。
「な、何故だ……? 何かエルルゥの気に触るような事でもしたんだろうか……ま、まさか!」

『ハクオロさんっ! いつもいつもお茶お茶って、私はお茶汲み女じゃありませんっ!
 私はOLとしてこの会社に入ったのに、全然仕事をさせてもらえないじゃないですか!』
『ご、誤解だエルルゥ! ただ私は、エルルゥの入れてくれたお茶が美味しいから……』
『セクハラです! この前だって、経理のカルラさんのお尻を触ってたし……こうなったら、もう実家に帰らせてもらいます!!』

「実家って、エルルゥの実家は燃えて無くなってるのとちゃうんかと……ああ、私はセクハラ上司なのか……?」
「聖上……聖上! 勝手にトリップなさらないで下さい」
 自分の妄想にハマっていたハクオロは、ベナウィに揺さぶられ、はっと我に返った。
543犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(2):02/12/18 00:57 ID:kPsp3nkr

「あ、ああすまないベナウィ……しかし、どうしてエルルゥは、こんな事を……」
「その事なのですが……聖上、昨夜の事を思い出して下さい」
 ベナウィに言われ、ハクオロはふむ、と腕を組んだ。
「サクヤか。あれはいい子だな。クーヤが床上手と言っていたが、確かにベッドメイキングが得意のようだ。
 今はクーヤの世話で大変そうだが……私としては、Hシーンが無いのが心残りで……」
「そのサクヤではありません。昨晩の事です」
 眉間に皺を寄せ、辛抱強くベナウィ。
「あ、ああ、そうか。昨晩というと………」


「ハクオロさん、はい、お茶です。それと、チマクも用意しましたよ」
「ありがとう、エルルゥ」
「ベナウィさんも」
「ありがとうございます」
 湯気を立てる薬草茶をすすりながら、ふぅ、とハクオロは息をついた。
 ベナウィ共々、日々の責務から解放される、一時の安らぎの時間だ。
 その時、衣擦れの音と共に、険しい顔のオボロが姿を現した。
 と言っても、襖の向こうから顔を出すだけで、部屋の中に入ってこようとしない。
「兄者、ちょっといいか?」
「オボロ? 珍しいな、こんな時間に」
「……実は、その……兄者は、あの噂を知らないか?」
「噂?」
 声もそうだが、襖の向こうでちらちらとこちらを伺う仕草は、どうにもオボロらしくない。
「その………出たんだ」
「出た? 便秘か?」
544犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(3):02/12/18 00:59 ID:kPsp3nkr

 的外れな事を言うハクオロに、思わずオボロはコケかける。
「ち、違うっ。だいたい便秘なら出ないだろう。そうではなくて……厠に禍日神が出たんだっ!」
「は?」
 思わずきょとんとするハクオロに、オボロは早口で叫んだ。
「だ、だからっ、厠にエルンガーが出て、用を足してる人間の尻を撫でるのだっ!!」
「エルンガーが出たのか!?」

*エルンガー:禍日神の一種。厠の中に住み、便秘の人間の尻を刺して通じを良くしてくれる。

「そうなんだっ。侍女どもも噂にしているし、さ、さっきもエルンガーに尻を撫でられて……」
「エルンガーエルンガー言わないで下さい」
 ピシッ……と、凍りついたように、オボロの動きが止まった。
「え……エルルゥ殿……そ、そこにいたのか」
「いました。最初から」
 エルルゥは静かな笑みを浮かべていたが……ハクオロには、その全身から怒りのオーラが出ているのがはっきりと見えた。
 どうやら、ベナウィが影になって、オボロの位置からは見えなかったらしい。
「あっ、いや、その、これは決して、エルルゥ殿の事ではなくて、エルンガーの事でっ!」
「ええ、全然気にしてませんよ」
 にこにこにこにこ。
 焦れば焦るほど、墓穴を掘るオボロに、エルルゥは貼りついた笑みを浮かべたままだった。
 ここ、王宮に住む者が、一番に避けたいと思う事は何かと聞かれれば……ほとんどが、エルルゥの怒りを買う事、と答えるだろう。
 何故なら、食卓を支配するエルルゥの怒り=飯の盛りが減る、という事を意味するからである。
 トゥスクルの食事時は、まさに戦場だ。
 人は盛りの大小に一喜一憂し、零れ落ちる菜っ葉のきれっぱしに涙すると言う。
 わたわたと言い訳を繰り返すオボロを尻目に、ハクオロはうーん、と腕組した。
545犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(4):02/12/18 01:00 ID:kPsp3nkr

「……エルンガーか……ベナウィ、どう思う?」
「あのような場所に悪戯をする者もいないでしょうし、恐らくは気のせいかと」
「もう、ハクオロさんまで、エルンガーが出ると思ってるんですか」
「い、いや、ただ誰かの悪戯だったら、調べないといけないだろう?」
 顔は笑っていたが、目がマジなエルルゥに睨まれ、ハクオロは冷や汗を垂らす。
 だが、まさにその時だった。

「クケエェェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

「なっ!?」
「こ、この間抜けな叫び声はっ……トウカ!?」
 ハクオロが振りかえった瞬間、オボロの真後ろから、暴走したトウカが飛び込んで来た。
 トウカはそのまま呆然としている哀れなオボロを踏み潰し、足を取られて部屋の中に転がり込んだ。
「クケッ、クケエエェェェェッ!!!」
「トウカっ! しっかりしろ、どうした、何があったっ!?」
 完全に錯乱しているトウカを揺さぶると、彼女は崩れた顔のまま、絶叫した
「エルンガーーーーーーーーッ!! エルンガーが某の尻を撫で申したああぁぁぁぁっ!!」
「何いいいいぃっ!? というかトウカ、お前袴っ!」
「………はっ」
 ようやく我に返ったトウカが、呆然と立ち上がる……と、ベナウィが無表情のままお茶を吹き出した。
 慌てる余り、袴を厠に忘れてきたのか……トウカは、下半身すっぽんぽんだった。
「そ……某とした事があああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
「ハクオロさんの不潔ううぅぅぅっ!!」
「ごっ、誤解だエルルゥゥゥゥーーーーーーーーーっ!!」
546犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(5):02/12/18 01:02 ID:kPsp3nkr

 慌てて前を隠そうとした瞬間、トウカは倒れていたオボロに足を取られ、まともに顔面から床にすっ転ぶ。
「べぎょっ!!」
 そのままくたり、とトウカの両手が落ち、色白のお尻を差し出したまま、トウカは動かなくなった。
「………」
「………」
「………」
 あまりと言えば、あんまりな展開に、誰もが呆然としていると、そこにひょい、とカルラが顔を覗かせる
「あらあら、賑やかだと思ったら……ふふ、美味しそうなお尻だこと」
 カルラはくすくす笑いながら、物凄い格好のトウカを、ひょいと肩に担ぎ上げた。
「それでは主様、トウカはわたくしが看病致しますわ」
「あ……ああ、た、頼む……?」
 鼻歌など歌いながら(途中、倒れているオボロを踏ん付け)カルラは部屋を出ていく。
 その時、ふと立ち止まると、カルラは振りかえった。
「……そう、主様。エルンガーの噂ですけど……わたくしも聞きましたわ。何でも、厠の右から3番目に出るとか」
 おやすみなさいませ、と艶っぽい挨拶をして、カルラは今度こそ部屋を出ていった。


「……あの時は大変だったな。だが、だからと言って、エルルゥが家出するのか?」
「いえ……聖上、これをご覧下さい」
 ベナウィは立て掛けてあった地図を取ると、するりと机の上に広げる。
「……実は、クッチャ・ケッチャの国境近くに、エルンガーを祭った社があるのです。
 知る人ぞ知る場所で、毎年、便通に悩む奥方や、痔に悩む殿方が、ご利益を求めて参りに来るとか」
「すると……」
 はっと顔を上げるハクオロに、ベナウィは沈痛な面持ちで頷いた。
「エルルゥ様は、エルンガーの呪いを鎮めるために、エルンガーの社に向かわれたかと」
547犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(6):02/12/18 01:04 ID:kPsp3nkr

「っしょ……ふぅ、これでやっと、道のりの半分かな」
 街道の途中にある大岩に腰掛け、エルルゥは額の汗を拭った。
 一応ハクオロには書置きを残してはいたが、実質黙って出てきたのと変わりない。
 エルルゥは街道を通る人をぼんやりと眺めながら、密かにため息をついた。

 これから向かう「エルンガー神社」は、便所の神であるエルンガーを祭った珍しい社である。
 幼い頃、トゥスクルに連れられて一度行った事があったが、エルルゥにとってはあまりいい思いでのある場所ではない。
 エルルゥとエルンガー。
「……そんなに似てるかな……私の名前……」
 神様とはいえ、便所の神と同じあだ名は、年頃のエルルゥにとって、悲惨の一言だった。
 特に、エルンガーと呼んではばかり無いアルルゥがいると、誰もが自分をエルンガーと呼んでそうで、エルルゥは益々落ち込む。
「えいっ、いつまでも落ち込んでてどうするのっ。エルンガーが出たんだったら、私が鎮めて名誉挽回といかなきゃ!」
 エルルゥは小さくガッツポーズを取ると、再び街道を歩き始める。
「よく考えたら、私、一人旅って初めてなのよね」
 あぜ道を行きながら、エルルゥはふとクスリと笑った。
 ヤマユラから外に出る事はめったになかったし、ハクオロと知り合ってからは、常に彼か仲間がそばに居た。
 カルラやトウカのように、自分の身を守る術を持ってないエルルゥは、いつも守られる存在だった。
 その事をありがたいと思いながらも、こうして一人旅をしてみて初めて、ひとりでいる開放感を味わっていた。
「ふふっ、一人旅もいいなぁ……あ、でもハクオロさんとなら……きゃっ♪」
 一人で呟き、一人で照れたりしながらも、エルルゥは順調にエルンガー神社に向かっていた。
 しかし、である。
 幾度もの戦争が続き、土地が荒れ、秩序が乱れれば、自然と治安が悪くなるのが常である。
 そして、治安の悪化の結果として、自然と生まれるのが……
「おい、そこの女! 金目のものを置いていきな」
 盗賊であった。
548犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(7):02/12/18 01:05 ID:kPsp3nkr

「えっ、えっえっ!?」
 戦争に駆り出される事も1度や2度ではなく、遠征に出た事もある。
 だが、基本的にはエルルゥは旅馴れなどしてないし、どこから見ても、辺境の田舎者だ。
 まさしく盗賊達に取ってみれば、絶好のカモである。
「あ、あれ……え、えっと……」
 突如降って涌いたように現れた、人相の悪い男たちが5人。
 それが、自分の回りを取り囲んでいるのに気付いて、エルルゥは軽いパニックに陥った。
 思わず助けを期待するように周囲を見回すが、当然ながら周りに人は居ない。
「わ、私、貧乏で、お金になるようなものなんか、全然……!」
「おいおい、あるじゃねぇかよ、金になるもんが」
 何がおかしいのか、ゲラゲラ笑う男達に、エルルゥはぐっと唇を噛む。
「お前のか・ら・だ! 地方の豪族にゃ、あんたみたいな田舎娘をご所望の変わりもんがいるんだよ」
「私は田舎者だけど田舎娘じゃありません!!」
 エルルゥは思わずズレた事を力説し、盗賊たちはきょとんとした顔をする。
「ま、まぁいい。とにかく俺達と来てもらうぜ」
 後ろに回っていた男に腕を掴まれ、エルルゥは思わず悲鳴を上げた。
「いやあっ! 放してっ!」
「こいつっ、大人しく……!」
 思わぬ抵抗にあい、カッとなった男が手を振り上げたまさにその瞬間だった。
「あの〜、お取り込みの途中、すいませんが……」
「なんだあ!?」
 思いもかけない、のんびりした口調で声をかけられ、盗賊たちの動きが止まる。
 いつからそこに居たのか、一人の商人風の男が、エルルゥと男のすぐ後ろに立っていた。
「…あ、あなたは!」
549犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(8):02/12/18 01:07 ID:kPsp3nkr

「おいてめぇっ、いらねぇ口だしすると、命はねぇぞ!」
 エルルゥを掴んだ男は、脇から刃こぼれの酷い刀を抜くと、商人風の男に突きつける。
 彼はほとんど見えないほどの細い目を、僅かに開くと、恐縮したように縮こまった。
「いえ、いえいえ……そんな滅相も無い。
 ただね、その人。私のお得意様の、大切な方なんで……困るんですよ。私も商売ですので、はい」
「はっ……商売人が。命あってのモノダネってしらねぇのかよ? とっととうせな」
 もし彼らの中に、その商人の様子をもっとよく見ていた者がいたら、あるいは少しは違った結果があったかもしれない。
 彼は、これだけの盗賊に囲まれ、刀をつきつけられても、眉ひとつ動かしていない。
「勿論商売人です、はい。私は平和主義者ですから……これでいかがでしょうか」
 ゆっくりと商人が懐から袋を取りだし、中身を盗賊たちに見せる。
 その瞬間、男達の目の色が変わった。
 袋の中身は、彼らがゆうに1年は遊んで暮らせるほどの金が、詰まっていたのだ。
「……へへっ、いいねぇ」
 ちらり、と首領格の男が目配せをし、盗賊達はエルルゥから商人の男を囲むように動く。
「運が悪かったなぁ、商人さんよ。俺らがここでアンタをばらしちまえば、女も金も手に入る」
「……それは困りましたです、はい」
「―――――チキナロさんっ!」
 エルルゥの叫びと、男達の振るう凶刃が交差する。
 次の瞬間、宙に舞っていたのは、チキナロに襲いかかった盗賊の腕だった。
「っぎゃあああぁぁぁぁっ!! うで、うでがあぁぁぁぁっ!」
 切断された腕を押さえ、転げ回る盗賊には見向きもせずに、チキナロはエルルゥを掴んでいる男に歩み寄っていく。
「交渉決裂となれば、もはや商人の出る幕はありませんです、はい」
「てっ、てめぇっ!!」
 男はエルルゥを突き飛ばし、悲鳴混じりにチキナロに剣を振り下ろした。
550犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(9):02/12/18 01:08 ID:kPsp3nkr

 チキナロは半身だけずらして剣をかわすと、手にした仕込杖で、無造作に男の喉を突いた。
「がひぃ」
 ごぼごぼと喉を掻き毟りながら、のたうつ男に留めを刺し、チキナロはエルルゥの傍に立つ。
「大丈夫ですか、エルルゥ様」
「あ、は、はい。大丈夫です、はい」
「それは良かったです、はい」
 いつもと変わり無い笑みを浮かべ、チキナロは盗賊達と対峙する。
「これ以上の争いは、双方にとってなんの利益もないと思います、はい」
 薄い笑みを浮かべるチキナロに、盗賊達は顔を引き攣らせた。
 意地はある……だが、これはあまりに相手が悪すぎた。
 五人の内すでにふたりが倒され、すでに戦意を半ばまで失った男達は、じりじりと後退し始める。
 だが、彼らを待っていたのは、死以外に無かった。

 グルルルゥゥオオオオオオオオオッッッ!!

「!?」
 残った4人の男達には、何が起こったのかわからなかっただろう。
 突如、森の奥から飛び出した白銀の風が、彼らを肉片に変えるのに、1秒とかからなかったのだから。
「んなっ!?」
「いやはや……これは凄まじいですね、はい」
 殺した盗賊をガツガツと食らう白虎の上に、ちょこんと乗っていた少女が、エルルゥの方に振り返る。
「おねーちゃん」
「あ、アルルゥっ!? 何でこんな所に!?」
「おねーちゃんだけずるい。アルルゥもエルンガー神社行きたい」
「キュフンキュフン」

 今しがた、4人の人間を殺して食らったとは思えない、甘えた鳴き声で、ムックルも同意の声をあげた。
 鼻が真っ赤に染まっているのを見て、エルルゥはくらくらする頭を押さえ、溜息をついた。
「アルルゥ……ひとつだけ約束して」
「?」
「ムックルにもう人間は食べさせちゃ駄目」


「ここがエルンガー神社ですね、はい」
「……人がいっぱい」
「お通じの神さまだからね」
 旅は道連れ、という事で、神社に用があったチキナロ、物見遊山のアルルゥを連れ
(ムックルは森の中)3人は夕暮れ近くにようやく、エルンガー神社に辿りついていた。
 アルルゥの言う通り、神社の周囲にはちょっとした村のようなものができ、宿や物売りなどが軒を並べている。
 アルルゥはエルルゥをじっと見詰めると、「エルンガー」とぼそりと呟いた。
「………」
「………」
 素早く逃げ出すアルルゥと、それを無言のまま追いかけるエルルゥを見て、チキナロは苦笑する。
「お二人方、あそこの奥の宿で、チキナロの紹介と言えば、少しは安くしてくれると思います。
 それでは私は商売の方がありますので、これにて失礼させていただきます、はい」
「あっ……チキナロさん、色々ありがとうございました」
「いえいえ、お気になさらず」
 軽く頭を下げ、人ごみの中に入っていくチキナロを見送り、エルルゥははぁ、と息を吐いた。
「じゃ、取り合えず今日は宿を取って、明日お社で護符を貰おうか」
「エルンガーだから効き目倍増」
「アルルゥっ!」

 翌日、護符を貰ったエルルゥとアルルゥは、今度は何事もなくトゥスクルに帰って来た。
 まぁムックルが常に傍にいて、何かある方が不自然ではあるのだが。
「エルルゥ! アルルゥ! まったく、心配したぞ」
 仕事をほっぽりだし、わたわたと駆け寄ってくるハクオロを見て、エルルゥは改めて旅の重要性を認識した。
「大丈夫ですよ、ハクオロさん。私だって、もう大人です」
「………」
 何か言いたそうなアルルゥを先手を打って黙らせ、エルルゥはにこやかに笑う。
 もっとも内心では、やはり一人旅は無謀だな、と反省もしていたのだが。
「ともかくこれで、エルンガーの祟りなんてすぐに無くなりますよ」
「ああ、ありがとう」
 エルルゥは護符を取り出すと、さっそく例のエルンガーが出没する厠へと向かった。
 ちなみに、トゥスクルの厠は男女兼用で、全て組み取り式である。
「はい、ここに貼っときますね」
 ぺた、と護符を壁に貼り、エルルゥはにっこり笑う……その時。
 ひゅるり、と生温い風が、エルルゥの髪を撫でた。
「………っ!!!」
 ビクんっ、と跳びあがり、思わずハクオロに抱きついたエルルゥは、恐る恐る厠の穴を振り返る。
「は、ハクオロさんっ!」
「……風?」
 ハクオロは表情を険しくすると、ベナウィを呼んだ。
 しばらくして、ベナウィがいつもの表情で厠に現れる。
「はい、ここに」
「ベナウィ、エルンガーの正体がわかったぞ」
 ハクオロの言葉に、ベナウィとエルルゥが驚きの表情を浮かべた。
「え、エルンガーの正体って……禍日神じゃないんですか」
「少なくともこれは、禍日神の仕業じゃないな……ベナウィ、この厠、結構深いだろう」

 ハクオロに言われ、ベナウィは鼻を摘みつつ、穴の中を覗き込む。
「ばい、聖上。ごの厠は前皇がぐさいぐさいと連発なざるので、普通よりふがくしております」
「どこから開いたのか知らないが、ほら、あのあたりに小さな穴があるだろう」
 ハクオロの指差した先には、なるほど、土壁の間に隙間のようなものが開いている。
「なるぼど、あの穴がら風が入って来てたのでずね」
「ああ、だから風が下から吹き上げて、お尻が触られたように感じたんですね!」
 合点のいったエルルゥとベナウィに、ハクオロはからからと笑った。
「オボロの尻を喜んで撫でる奴がおるか?
 いなァァァ〜〜〜〜いッ!
 アレは長いこと語られてるだけのしみったれたただの迷信に過ぎないと思うよ。
 このハクオロはァ!」

 ぼちゃん

 ハクオロが笑った瞬間、今しがたの厠の穴から、水音が響いた。
「………」
 思わずエルルゥもベナウィも、ハクオロの顔を凝視する。
「は……はは、多分壁が壊れただけだろ……偶然ぐうぜ」
 ぼちゃ……ぼちゃぼちゃぼちゃ………ぼっちゃあああああああぁぁぁん!!!
『エ゛ルルゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウッ!!!!』
 地獄の底から響いてくるような声が響き渡り、エルルゥとハクオロは抱きあって絶叫した。
「ぎゃあああああぁぁぁぁっ!!」
「出たあああああぁぁぁぁぁっ!!」
「ぬばばああぁぁぁぁっ!!」

 ぐわしゃっ、と穴を破壊し、肥まみれの泥人形が、厠の外に這いあがって来る。
「ひ、ひ、ひいぃぃっ……!」
「え、エルルゥっ、しっかりしろ! ベナウィ、ベナウィは!?」
「ここです、聖上」
 と、声がしたのは、厠の外の廊下の遥か彼方だった。
「逃げるなあぁぁぁぁっ!!」
「いえ、禍日神の専門はカミュ殿ですし。私では役に立たないので、カミュ殿をお連れした方が有効かと」
 言っている事は正論だが、どう見ても逃げたようにしか見えないベナウィだった。
『エ゛エ゛……エ゛ルルゥ……』
「い、い、いやああああああああああああああぁぁぁっ!!!!!」
 ついに切れたエルルゥが絶叫すると、目の前の肥の塊に腰の入った拳をたたき込んだ。
『オゲロゲエェェェェッブ!!』
 ソレは肥と奇怪な声を撒き散らしながら、厠の壁を破壊し、床に転がる。
「は、ひ、は、ひ……て、手がこっこっ肥っこ…………きゅう」
 肥まみれになった手を見て、失神したエルルゥをそっと横たえると、ハクオロは恐る恐る、倒れたエルンガーの傍に近寄る。
「……本当にいたのか、エルンガー……む? この藁は…それにこの顔……そして肥……」
 まっ黄色に染まった顔をしげしげと見て、ハクオロは沈黙した。
「……………生きてたのか、ヌワンギ」
「帰って来たぞ……俺様はぁぁぁ……」
 エルンガー改めヌワンギは、地の底から届くような声でうめいた。

 結局、あの穴はヌワンギがこの城に侵入する為に掘った地下道だったらしく、それが厠に通じるとは、いかにもヌワンギだった。
「終わってみれば、何ともアホな事件だったな……ところでチキナロ、例のものは?」
「はいどうぞ、ハクオロ様。痔によく効く軟膏の詰め合わせです」
「……助かる。皇なんてやってると、座りっぱなしで……エルルゥにも頼み辛いし……」
「お察しします。ではまたの御利用を、はい」
555名無しさんだよもん:02/12/18 01:14 ID:kPsp3nkr
終りです。
今回は初のギャグものに挑戦……難しさのあまり沈没……
それでは。
556書き置き:02/12/18 02:25 ID:hh9FH+gd
投稿します。
Kanonで名雪で9レス。
タイトルは「書き置き」
557書き置き 1/9:02/12/18 02:29 ID:hh9FH+gd
 部屋を出て、音を立てないようにゆっくりとドアを閉める。あまり大きな音を立てると、隣の部屋の祐一が起きちゃうかもしれない。
 ……しばらく、祐一とも会えなくなっちゃうな。 
 荷物はバッグとリュックが一つずつ。もう一つバッグを増やそうかとも思ったけど、さすがに持ち歩くのが大変そうだったのでやめておいた。
 腕時計に目を落とす。そろそろ行く時間だ。
「それじゃ、行って来るね」
 祐一の部屋の方を向いてそう呟き、私は玄関に向かった。
 時刻は五時を少し回ったところ。私がこんな時間に自力で起きたなんて、祐一が知ったらどんな顔をするだろう。想像すると少しおかしい。

 残念ながら、私がその顔を見ることはできないけど。
558書き置き 2/9:02/12/18 02:30 ID:hh9FH+gd
「んー……」
 土曜日の朝。惰眠をむさぼっていた俺だが、時計を見るともう十一時。居候の身でぐーたらし過ぎるのも肩身が狭い。
 適当に着替え、あくび混じりに部屋を出る。そのまま階段に向かいかけた足が、ふと止まった。名雪の部屋のドアに小さな紙が貼ってある。メモ用紙のようだ。
 ……起こさないでください、とでも書いてあるのだろうか。だが、普段はわざわざそんなものを貼ったりしていない。
 ……いや待て。昨日、名雪はさっさと寝た。そのあと俺がテレビを見終わって部屋に戻ったときには、名雪のドアには何も貼ってなかったはずだ。ということは、名雪は俺より先に起きてこれを貼ったということか?
 ともあれ、メモに書かれた内容を読んでみる。

『旅に出ます。
 探さないでください。

 名雪』

 ……なんだ、それは。
「名雪! 入るぞ!」
 適当にノックをし、ドアを開けた。
 だが、そこには誰もいない。
 いつものように布団の中で丸くなっているのかとも思ったが、そこにもけろぴーの姿があるのみだ。
 リビングにでもいるのだろうか。それとも……
 名雪の部屋を出て、もう一度付箋に書かれた内容を読んでみる。先ほどと同じ、簡潔な文が目に入る。
 名雪は何を考えてこんなものを書いたのか。
 漠然とした不安を感じ、俺は心持ち早足になりながら階下へ向かった。


559書き置き 3/9:02/12/18 02:30 ID:hh9FH+gd
 階段を下りると目の前が玄関だ。足を止めて、並べられた靴を見渡してみる。
 だが、その中に名雪の靴はなかった。
「名雪っ! いるなら返事しろっ!」
 念のためにリビングや台所や風呂場やトイレも確認してみたが、やはり名雪の姿はない。静かな家に俺の声だけがむなしく響く。
 ……って、よく考えると秋子さんもいないぞ。
 玄関に戻って再び靴を確認。よく見ると秋子さんの靴もない。
 ……まさか、秋子さんの部屋の前にも似たような書き置きがあったりしないだろうな。
 念のために秋子さんの部屋に行って確認しようかと思ったが、ちょうどそのとき俺の目の前で玄関のドアが開けられた。
「あら祐一さん。おはようございます」
「……もう昼前ですけどね。おはようございます」
 買い物かごを片手に秋子さんが立っていた。だが、名雪の姿はない。二人でどこかに出かけたのかとも思ったが、どうやら違ったらしい。
「秋子さん、どこに行ってたんですか?」
「お昼ご飯の買い物に、商店街まで」
 いつもと変わらない様子でそう答える。まだあのメモを読んでいないらしい。
「ちょっと、上に来てください」
 そう言って、俺は先に立って階段を上り始めた。秋子さんもそれに続く。
 名雪の部屋の前に立ち、俺は例のメモを秋子さんに示した。

560書き置き 4/9:02/12/18 02:31 ID:hh9FH+gd
「…………」
 秋子さんは無言。表情もあまり変わらないので、何を考えているのかよく分からない。
「部屋にはいないし、玄関にも名雪の靴はありませんでしたが……何かの冗談でしょうか?」
 思いつきで言ってみたが、秋子さんは首を傾げる。
「名雪は、そういうことはあまりしない子ですけど……」
 まあ確かにそうだ。名雪は冗談でそんなことをするような奴ではない。
 秋子さんならやりかねないが。
「祐一さん、何か言いたそうですね」
「いえ何も」
 だが、冗談でないなら、名雪は本気で旅に出た……ということか?
 何故?
「家出ってことでしょうか……」
 いちおう言ってはみたが、自分でもその可能性は低いと思う。秋子さんも、
「家出するような理由がないと思います」
「ですよね」
 水瀬家は相変わらずのほのぼのした家庭だし、名雪の様子も特におかしなところはなかった。三年生になり、前以上に部活に精を出していて多少帰りが遅いくらいか。
 だがそれがツラいとかイヤだとか、そういう風に思っているようではなかった。むしろ楽しそうにしていた……と思う。
 あの冬以来、恋人としての関係も北川や香里に呆れられるくらいの嬉し恥ずかしっぷりを……いやそんなことはどうでもいい。
 とにかく、このままでは何も分からない。
「ちょっと名雪の部屋を調べてみます」
 何か手がかりがあるかもしれない。
 もしかしたら今この瞬間にもひょっこり帰ってくるかも知れないが、名雪の意図がつかめない以上、今できることはやっておきたい。
「その前にお昼にしませんか? 祐一さん、今日はまだ何も食べていませんし」
「……はあ」
 まあ確かにその通りなのだが、自分の娘が行方不明だというのにこの落ち着きはなんなのか。よっぽどの大人物か、よっぽどアレなのか。
「祐一さん、何か言いたそうですね」
「いえ何も」
561書き置き 5/9:02/12/18 02:32 ID:hh9FH+gd
 ……結局、食事を終え、ゆっくりお茶まで飲んでしまった。秋子さんの落ち着きが伝染でもしたか。ここまで来ると落ち着きと言うより脳天気なだけのような気もする。
 ともあれ、改めて名雪の部屋に入ってみた。一見して変わったところはないが、まずは机の上を探ってみる。
 真っ先に目に付いたのは、電車の時刻表だった。
 普段、俺や名雪が電車で行くところなどどこもない。これは名雪の「旅」とやらに関係していると見るべきだろう。どこへ行ったのかは分からないが、相当遠くへ行った可能性も出てきた。
 ふと見ると、卓上カレンダーの今日の日付には赤で丸が付けられていた。何をする、とは書かれていないが、今回の件は前々から計画されていたということだろうか。
 他には特に何もないようだ。机の上の捜査を打ち切って、今度はクローゼットの中を覗いてみる。いざというときのため……警察のお世話になったりするときのために、名雪が何を着ていったのかは知っておくべきだろう。
「……あれ?」
 目の前に並ぶのはほとんどが名雪の普段着、少しだけよそ行きらしい服。どれも見覚えがある。
 しかし、俺の記憶が確かなら、服は全部そろっている。
 俺の知らない服があったのかもしれない。だが、わざわざそんな服を着ていったのだとしたら、本気で『探さないでください』と思っているのだろうか。
 分からない。
 名雪。お前はいったい何を考えている?
 八つ当たり気味にけろぴーを殴り、俺はため息をついて名雪の部屋を出た

562書き置き 6/9:02/12/18 02:32 ID:hh9FH+gd
 再び階下に降りた俺は、リビングで電話の受話器を手にした。アドレス帳を見ながらボタンを押し、待つことしばし。
「もしもし」
 繋がった先は香里の携帯だ。
「よお。相沢だけど」
「あら、相沢くん? 珍しいわね」
「ちょっと訊きたいんだが、お前の家に名雪が来てないか?」
「……は? 来てないわよ。何かあったの?」
「いや、来てないならいい。邪魔したな」
 追及されないようにさっさと電話を切った。まだ騒ぎを大きくするべきではないだろう。
 ……しかし、こうなると本当に手詰まりだ。香里一人ならどうとでもなるが、名雪の交友関係全員に確認をとったりすれば、名雪が月曜までに戻らなかったとき、不審を抱かれるくらいではすまないだろう。
 ……だが、そろそろ覚悟を決めるべきだろうか。
「秋子さん」
 台所で何やら作業している秋子さんに声をかけた。
「警察に連絡した方がいいでしょうか」
 秋子さんは作業の手を休めてこちらを振り向き、
「祐一さん」
「はい」
「名雪は、自分の意志で行動しています」
「そうかもしれませんけど……」
「それが明らかに間違っていることでなければ……」
 秋子さんは、俺に向かってにっこりと微笑んだ。
「私は、それがどんなものでも、名雪や祐一さんの行動を支持します」
 これは、信頼なのだろうか。だが、俺は納得できない。
563書き置き 7/9:02/12/18 02:33 ID:hh9FH+gd
 自然と声が大きくなる。だが、勢いでそう言ってすぐに後悔した。感情にまかせて馬鹿なことを言ってしまった。返答を聞くまでもない。
「心配ですよ」
 しかし、失礼なことを言った俺に対しても秋子さんはあくまで笑顔を向けてくれる。
「あの子はぼーっとしてますから……私の目の前にいないときはいつも心配で心配で」
 笑顔はそのままで、少し遠い目をしてそう言う。
「でも、名雪は何も考えていない訳じゃありませんし、私たちの信頼を裏切ったりもしませんよ」
 俺は黙って秋子さんの話を聞く。
「今は待ちましょう。名雪が元気な姿で戻るのを」
 正直なところ、しばらく迷った。完全に納得したわけでもない。
 だが、俺には何もできないのだ。確かに、待つしかないのかもしれない。
「わかりました……」
 重い息とともに言葉を吐き出し、俺はその場を後にした。

 夜。
 眠れずに、月を見ながら何度も寝返りを打つ。今日の昼前まで寝ていたせいもあるが、一番の原因は言うまでもない。
 ずっと名雪のことを考えていた。昔のこと、最近のこと、つい昨日のことを思い出し、そして同じ空の下のどこかにいるはずの今の名雪に思いを馳せる。
 そうしているうちに思考は妄想へと変わり、妄想もやがて夢にすり替わる。
 眠りに落ちる一瞬、働くことをやめて緊張の解かれた脳が、不意にある疑問に答えを出した。
 昼に調べた名雪の部屋のクローゼット。知っている服は一着もなくなっていないと思ったが、よく考えたら……
 その答えを認識し終わる前に、意識は眠りに落ちた。
564書き置き 8/9:02/12/18 02:34 ID:hh9FH+gd
 次の日は、何も手につかないまま過ごした。
 名雪のことだけが頭の中を埋め尽くし、他のことを考える余裕はない。
 日が落ちるまでずっと、ベッドに寝転がっていた。

 空が暗くなる頃、俺は部屋の外に出た。何もしないでいるのも気が引ける。せめて夕食の手伝いでもしよう。
 名雪の部屋の前を通るとき、なんとなくドアを見つめてしまう。例の書き置きはもうドアから剥がして俺が持っているが、どうしても貼ってあったあたりに目が行ってしまう。
 そのとき、玄関からドアの開く音が聞こえた。
 そして、聞き慣れた声が家の中に響く。
「ただいまー」
 その声を聞いた瞬間、俺は玄関に向かって走り出していた。今、俺が一番聞きたかった声。もちろんその声の主は……
「名雪……!」
 とっさに言葉が出ない俺に、玄関に立つ名雪は嬉しそうに笑ってこう言った。
「三位だったよっ」
「……は?」
 三位? って何が?
「女子1500メートルで三位がとれたよー」
 この上なく嬉しそうに言う名雪だが、俺はまだなんだかよく分からない。
 陸上の種目のことを言ってるのは分かるが、そうすると大会にでも出てきたということか? だが、それならあの書き置きはいったい……
 混乱する俺の後ろから秋子さんが顔を出す。
「お帰りなさい、名雪。疲れたでしょう? 先にお風呂にする?」
「うんっ」
「もう沸いてるからそのままお風呂場に行っていいわよ。着替えはお母さんが用意して置くわね」
「ありがと。じゃ、お風呂入ってくるね」
 そう言って、名雪は制服のまま風呂場へ向かった。その背中を目を細めて見送る秋子さん。
565書き置き 9/9:02/12/18 02:34 ID:hh9FH+gd
 ……なんなんだ、いったい。どうして秋子さんはこんなに普通に対応している?
 謎だらけの状況。だが今なら、いくつかの仮定を導入することで謎が解ける。
「もしかして……」
 俺の呟きに反応して、秋子さんはこちらを向く。顔にはいつもの笑顔。
 そうだ、この笑顔。思えば秋子さんの目はずっと笑っていた。
「……秋子さんがあれを書いたんですか?」
「ええ。ごめんなさい」
 肯定した秋子さんの笑顔は、悪戯に成功した子供のものとそっくりだった。
 大きな問題は二つあった。名雪の行方が分からなかったことと、あの書き置きの意味。
 だが、行方を知らなかったが俺だけで、秋子さんがふざけてあれを書いたのなら。どちらの問題もあっさり解決する。
「……なに考えてるんですか……」
 思いっきり疲れ果て、俺は目を閉じて壁に寄りかかった。深くため息をつく。
「クローゼットから消えてたのが制服だけだったんで、なんか変だとは思ってたんですけど……」
 ハンガーに掛けられた服しか見ていなかったので、さすがに体操着がなくなっていたのには気づかなかった。
「祐一さんが名雪のことを、どのくらい大事に思ってるのか知りたくて」
 秋子さんの言葉に、俺は少しだけ目を開けた。
「名雪は幸せ者ですね。祐一さんにあんなに想ってもらえて……」
 嬉しそうに秋子さんは言う。名雪のことでだいぶ取り乱した昨日の自分を思い出し、俺は思わず赤面してしまった。
「ものすごく大事に思ってますよ。だから……今度からはもうちょっと穏便な手段で確認してください」
 それだけ言って、俺は照れ隠しに再び目を閉じた。
566書き置き:02/12/18 02:36 ID:hh9FH+gd
以上です。
ちなみに俺は>>503。やはりあきらめなくてよかった。
まだ書いてる人、がんばれ。
567書き置き:02/12/18 02:38 ID:hh9FH+gd
追記。>>556で名雪と書きましたが、秋子さんに訂正しておきます。
568名無しさんだよもん:02/12/18 03:59 ID:YR4cn2HL
いいさ……今回は感想に専念しちゃる。
569『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:15 ID:XtPoOP25
今から投稿します。
1レスに対し、1話で読んで下さい。
では

タイトル 『いつかのメリークリスマス』
登場人物  浩之 あかり
570『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:16 ID:XtPoOP25
 りんり〜ん。りんり〜ん。
 車内に響き渡る『虚無』に近い鈴の音色。それを鳴らすのは黄色いリボンを頭につ
けたコグマだ。コグマ、といってもぬいぐるみなのだが。
 藤田浩之は困惑していた。
 (これはなんなのだろう。なぜ俺はここにいるのだろう)
「それでは発進しま〜す」
 駅に一匹立つ別のコグマが彼の乗る汽車に向かってそう告げると、汽車は音もなく
動き出し、前方に見える真っ暗なトンネルの中へゆっくりと突入していった。
 そこはとても美しかった。トンネルの中にはレッド・ブルー・グリーン・イエロー、
と様々な、それはもう数え切れないまでの色に満ちていた。
「な、なあ一体どこに行くんだ?」
 藤田浩之は向かいの席に座る一匹の、それもまた先ほどとは別のコグマにそう訊ね
てみた。
「この汽車のお客さんはあなただけです。今からあなたの記憶の中へと向かいます」
「はあ?」
「自己紹介が遅れましたね。この度はメモリー・エクスプレス・神岸あかり線にご乗
車頂き真にありがとう御座います。私は旅のガイドを務めさせていただきます、『も
も』という者です。どうかよろしくお願いします」
「メモリー・エクスプレス・・・?神岸あかり線?」
 藤田浩之はそう言葉を反復した。そして無意識に窓の外へと目をやった。そこには
いつの間にか無限の青空が広がっていた。
「始まりました」
ももは言った。「『出会い』の駅です」
「『出会い』の駅・・・」
 藤田浩之はまたそう反復した。その言葉は彼の心を捉えたのだ。しかし彼の心を本当
に捉えなければいけないはずの一つの言葉は、その存在理由も見つからぬまま『虚無』
の中をひらひらと舞っていた。
 (これはなんなのだろう。なぜ俺はここにいるのだろう)
 その疑問ももはや掻き消されていた。何か得体の知れない力によって半ば強制的にだ。
それは彼以外の何者かの力であるはずは無かった。彼の力、意識だからこそ彼という存
在の中から疑問の念を掻き消すことが出来たのだ。
571『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:16 ID:XtPoOP25
 1時間前のことだ。俺とあかりは駅から遊園地までの道を歩いていた。
「ちょっと、浩之ちゃん。もう少しゆっくり歩こうよ」
「何言ってんだよ。早く行かねえと『オーシャンゴーランド』に乗れねえぞ」
 オーシャンゴーランドは、今一番の人気アトラクションで遊園地が開園してすぐに予約
チケットを手に入れないと、その日のうちに乗るのは難しい。
「いいよ。他にも一杯あるんだから、ハァハァ・・・」
「お前が乗りたいって言い出したんじゃねえか。おら、もう少し頑張れ!」
「う、うん」
 俺とあかりは恋人同士で、付き合いだしてからもう5年は経つ。俺たちは幼馴染で子供
の頃からこの『俺があかりを引っ張る』という図式は途切れなく続いていた。俺はあかり
が好きだし、あかりは俺を好きでいてくれる。それは他人に入る余地のない俺たちの中で
の決定事項だ。その事実を俺は疑ったことはない。そう、今日というこの日まで。
「ねえ浩之ちゃん。ごめん、先に行ってて」
 あかりはついに立ち止まり、そう言った。俺だけが先に行く、なんてことは不明瞭では
あるも『裏切り』に繋がると考えている。だから俺はあかりのその言葉に思わず怒りを感
じてしまった。しかし、その感情に上手く対応することは出来なかった。
「分かったよ。お前はそこでずっと休んでろ!俺は一人で行くからな」
 俺はそう言って遊園地へと続くアスファルトの道をすたすたと歩き出した。
「え?」
 背後であかりがそう漏らす。「ちょっと浩之ちゃん、待って」
 もう待つことさえもウンザリだった。俺はあかりのことを本当に愛している。愛してい
るからこそ、あかりと歩幅を合わせて歩きたかった。しかしあかりはそれをしない。あか
りは足が遅い。足が、遅いのだ。
 しばらく歩き、後方を見たがもうあかりの姿はなかった。結局あかりは俺を追ってこな
かったのだ。何故か後ろめたい気分だった。遊園地はすぐ前に見えた。

 「おかしいな?」
 その遊園地は確かにおかしかった。人の気配はなく、数々のアトラクションが見えるの
だが、どれも半透明な印象を持ちひどく曖昧に見えた。俺はしばらく中を歩き回ってみる
ことにした。
572『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:17 ID:XtPoOP25
 オーシャンゴーランドは確かにあった。パンフレットで見たのと同じで一面に水が引い
てあり、その上をカラフルなボートが浮かんでいる。ただ、そこにもやはり人の姿はなか
った。
 その時、うっすらとどこかで鈴の音色が聞こえたような気がした。もう一度耳を澄まし
てよく聞いてみる。
 りんり〜ん。りんり〜ん。確かに聞こえる。
 その音がする方向へと向かうことにした。一種の好奇心だろうか、いや、それよりもも
っと『言葉に表せない何か』によって俺は誘われている、そんな気がしたのだ。
 
 そこは小さなお化け屋敷だった。この中から確かに鈴の音が聞こえるのだ。俺は木で出
来たボロっちい扉をそぉっ、と開けてみた。
「お待ちしておりました」
「わぁ!」
 突然の甲高い声に俺は驚き、叫び声をあげてしまった。「ぬ、ぬいぐるみ?」
「今から発進します。さあ早く乗ってください」
 丁寧な言葉でそう喋っているのは確かにぬいぐるみだった。コグマのぬいぐるみで身長
は1mほどあるからぬいぐるみの中ではデカイ部類に入る。頭には黄色いリボンが見えた。
あかりが付けている物と同じだ。
「ど、どうなってるんだよ」
「どうなってる?これはあなたが望んだことですよ」
「はぁ?」
 一体なんなんだ、と俺は思った。俺の頭はもうショート寸前だった。
「とにかく乗ってください。間に合わなくなりますよ」
 ぬいぐるみに促されて俺は部屋の奥になぜか存在する汽車へと飛び乗った。操縦席のある
最前の車両のみの、言わば短い汽車だった。中には数匹のぬいぐるみが俺を出迎えてくれた。
車両の外見は黒かったが、中は全面ピンク色で、俺はなんて趣味だ、と思った。とりあえず
窓辺を挟む形で前後に対となった席の一つに座り、片肘を着いた。
 しばらくして一匹のコグマが俺の向かいの席に座り一言言った。
「藤田浩之さんですね。まもなく発進しますよ」
 そのコグマに感じる妙な親近感の意味は俺には全く分からなかった。
573『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:18 ID:XtPoOP25
「見覚えありますか?」
「あ、ああ」
 藤田浩之にとって最も大切な記憶の一つである。窓の外には彼と、そして神岸あかりが
見えた。2人共まだ幼く、その目は眩いばかりの輝きに満ちていた。
「俺と、あかりが出会った時だ。同じ幼稚園だったってのに、この時までお互い顔も名前
も知らなかったんだよな」
 しかし藤田浩之はその静止画になんだか違和感のようなものを感じていた。確かに自ら
体験し、記憶しているにも関わらずだ。「なあ、この写真なんだかおかしくねえか?」
 耐えかねて藤田浩之は訊いた。
「ええ、これは表面的なものでもあり、なおかつ心の奥底に眠る記憶でもありますからね。
意識とは若干食い違っている所もありますよ」
「そうか・・・。なぁ、なんで止まってるんだ?動いている映像は無いのか?」
新たな藤田浩之の問に、ももは若干言葉を選び、そして言った。
「記憶は動かないんですよ。その一場面が静止画として記憶されてるんです。あなたの中
に動いている記憶があるとしても、それは幾つもの静止画がパラパラと切り替わり、動い
ているように見せかけているだけなんです」
「ふ〜ん」
「それから」
 とももは続けた。「記憶の中の音声は、他のどのものより早く消去されてしまいます。
だからこの映像のように、あなたにとって遥か昔のものは音声も記憶されていません」
「言われてみれば・・・」
 確かに藤田浩之はこの映像に音声の記憶を当てはめることは出来なかった。
「それでもこの時の会話の内容は覚えていてもおかしくありません。藤田さん、ここに映る
あなたとあかりさんはどんな話をしているのか思い出せますか?」
 ももは窓の外に映る幼い藤田浩之、神岸あかりを指し示し言った。
「えっと・・・この時は、何の話したんだっけかな?悪ぃ、思いだせねえ」
「まあそうでしょうね。見るとこの2人、まだ7、8歳ぐらいのようですし」
「7、8歳!?」
「え?」
「おかしいな。俺とあかりが出会ったのは幼稚園に入ってすぐだったはずだ」
574『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:18 ID:XtPoOP25
 汽車は様々な駅で停車し、藤田浩之に幾つもの『記憶の静止画』を提供した。『さくら』の
駅、『くま』の駅、『プール』の駅など、それはもう様々な駅だった。
 しかし、藤田浩之はその幾つかの記憶を全く覚えていなかった。音声も会話の内容も、そし
てその映像自体も、全くだ。
「これはどうですか?」
「う〜ん、駄目だ。全く思い出せねえ」
 そこには、神岸あかりの部屋で楽しそうに微笑む2人の姿があった。
「ここは『クリスマス』の駅ですから、きっといつかのクリスマスの日だと思いますよ」
「ああ、そうなんだろうけど」
 藤田浩之にとってクリスマスの思い出は多々あった。しかしこの映像はどうしても思い出せ
なかった。2人はやはり7、8歳で、あかりは手に何かを持っているのだが、それが何なのか
までは分からなかった。
「なあ、やっぱりなんか変じゃねえか?」
「えっ?覚えてない記憶に食い違いなんてないでしょう?」
「いや、そうじゃなくてあかりがさ」
「あかりさん?」
 そこに映る神岸あかりの姿は藤田浩之にとって見慣れたものだった。髪の色、瞳の色、服装
から、頭に付けたリボンまで何もかもだ。
「なあガイドさん、本当にこれは俺の記憶の中なのか?なんで俺の記憶なのにこんなに曖昧と
してるんだ?」
「・・・・・・」
 ももは答えなかった。車内に鈴の音が鳴り響き、再び汽車は走り出した。

「あかり、これ」
「え?これ何」
「いいから開けてみろよ」
「う、うん」
「・・・・・・」
「わぁ、すごい。これ浩之ちゃんが作ったの?」
「ま、まあな」
575『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:23 ID:XtPoOP25
「浩之さん、起きてください。浩之さん」
「ん〜、ああ」
 俺はももの声に反応し、うっすらと目を開けた。すると一瞬そこにいるももの姿があかりに
に見えた気がした。
「良かった、けっこう長い間眠ってましたよ」
「あ、ああ悪ぃ」
 ゆっくりと身体を起こし、改めてももの姿を見据える。しかし、そこにいるのは黄色いリボ
ンを付けたコグマのぬいぐるみで、あかりではなかった。
「かなりの駅を寝過ごしてしまいました。藤田さんにとっては少しまずいことだったかもしれ
ません」
「え?」
「でも大丈夫です。終点まで、まだあります」
 片肘を着き、色とりどりの外の風景をぼんやり眺めていると、俺は訊いておかなくてはなら
ないことを思い出した。
「なあ、俺どのぐらい眠ってたんだ?今何時なんだ?あかりは?俺、あかりを道の途中で置い
てきちまったんだ」
「眠っていた時間は大体3時間です。でも心配ありませんよ。現実の中での時間はほとんど流
れていませんから。まあ10分ぐらいですか」
 理解はできなかったが心のどこかでそんな答えを予測していたような気がする。
「なあ、さっきの『クリスマス』の駅なんだけど」
「はい?」
 予想外の話題だったのか、ももは不鮮明なセリフで反応した。
「俺、今夢見てたんだよ。あの映像、なんとなく思い出せるような気がした」
「夢?」
「ああ、確かにあの時の夢だった。俺はあの日クリスマスプレゼントにあかりに何かを作って
プレゼントしてやった。でも、何日か経ってあかりはそのプレゼントを」
「壊してしまった?」
「あ、ああ」
 そう言って俺は片手で額を押さえた。「それで俺はめちゃくちゃ悲しかった。怒りなんかな
かった。『ごめん、ごめん』って泣いて謝るあかりに対してただ悲しかった」
576『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:24 ID:XtPoOP25
「それであなたはその時の記憶を心の奥底に閉じ込めていたんですね」
「ああ、多分そうだ」
「その時あなたがプレゼントした物は何だったか、思い出せませんか?」
 俺はしばらく宙を見つめ『記憶のゴミ箱』の中をただがむしゃらに探った。
「駄目だ。思い出せない」
「そうですか」
 ももは『虚無』の窓の外を見据えながらそう漏らした。
「なんだったっけな。もうすぐそこまで出かかってるのに」
「いえ、無理に思い出すことはありませんよ。逆に思い出さない方が良い記憶だってあります
から」
「ああ、そうだな。分かった」
 そして俺はまた悲しくなった。
 あの日の俺は悲しみが風化することさえ知らなかった。まだ幼かった。悲しみよりも反感に
対して敏感だった。俺はその反感を、『勲章』ともいえる遠き日の反感だけを胸に、悲しみを
隠してしまったんだ。隠してしまったからこそ、こうしてまた悲しみを掘り返してしまうのだ。
 なんなんだ、と思った。なぜこの旅は俺の悲しみを掘り返してしまうんだ。俺はこんなもの
望んでないし、それがあかりと俺と、今日という日とどうゆう関係があるんだ?
 (教えてくれ、あかり)
 俺はこの音の無い世界に向けてそう発した。答えはなかった。
 俺はこの不可思議な汽車の旅で一つ核心めいたものを掴んでいた。それは他でもないあかり
に対してのものだ。ただ、それが意味するものはまだ分からなかった。

 数分後、汽車は一つの煌びやかな駅で停車した。
「『約束』の駅です」
 ももが言った。「ここが最後の通過駅となります」
「『約束』の駅か・・・」
「駅名だけ見て、何か思い当たることがあるみたいですね」
「ああ」
577『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:25 ID:XtPoOP25
 それは限りなく鮮明で美しい映像だった。もちろん、俺には見覚えがあった。
「レストランでしょうか?どうやらかなり最近のものですね」
「1年前だよ」
 1年前だ。俺はあかりを誘い、生まれて初めて高級レストランというものに入った。そこは
何もかもが煌いていて、俺たちの存在さえも包み込んでしまう、そんなレストランだった。
「そうですか。2人はここで」
「ああ、婚約した」
「それで?」
「1年間だ。1年間だけ待つことになった。なんか不安だったんだよ。俺はあかりが好きで、
あかりは俺のことが好きで、でもそれだけだ」
「あなたはどうしたかったんです」
「俺は、あかりと歩幅を合わせたかった。でもあかりは足が遅えんだ。だから俺はあかりの手
を引いて先へ進む。でも、それじゃああかりの姿を見失っちまうんだよ」
「しっかり手を繋いでればいいじゃないですか」
「駄目だ。それでもあかりの表情まではわからねえ」
 そこに映るあかりの顔は今までのどの映像よりも鮮明で、綺麗で、幸せに満ちていた。
「今日は『答え』の日だったんですね」
「ああ、俺とあかりは遊園地でデートして、その後またこのレストランへ行く予定だった。オ
ーシャンゴーランドって知ってるか?」
「ええ。前に母親から聞いたことがあります。面白そうですね」
「あかりはオーシャンゴーランドに乗るのを楽しみにしてたんだ。なんてったって人気アトラ
クションだからな。俺はあかりの願望を叶えてやりたかった。だけどあかりは」
「やっぱりあなたに追いつけなかった?」
「そう」
 それからももは、窓の外に映る俺たちに目を向けた。
「婚約をした後でしょうか?とても幸せそうですね。この時はどんな話をしていたか覚えてま
すか」
「ああ覚えてる。いや、思い出したといった方が自然だな。それにお前のことも思い出した」
「そうですか、うふふ」
578『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:25 ID:XtPoOP25
 汽車は終点への道のりをやはり無音のまま走っていた。走っているというよりかは、窓の
外の景色がめまぐるしく変わっている、そんな感じだ。俺はその景色を複雑な想いで眺めな
がら、静かに口を開いた。
「なあ、これってやっぱり俺の記憶なんかじゃなくて」
「ええ。あかりさんの中のあなたの記憶です」
「そうか・・・。なんであかりの記憶と俺の記憶はこんなに食い違ってんだろうな」
 ももはしばらく考え、言った。
「当然ですよ。いくら愛し合ってるといっても人の記憶は無限なんです。その人の感じ方や
立場でも大きく変わってくるんです」
「プレゼントは・・・」
 俺は言った。「プレゼントをあかりが覚えてねえのは?」
「やはりあなたと同じで、彼女にとって消してしまいたい過去だったのでしょう」
 俺はそりゃそうだな、と思った。でもあかりがその時のクリスマスの映像を記憶していた
のは、やはり俺のプレゼントがそれだけ嬉しかったということだろう。
「じゃあ、あかりの記憶の中で2人の年が少し違ってたのは?」
「いえ、それは多分幼い2人のイメージをあかりさんが上手く捉えきれてなかったんでしょ
う。あかりさんにとっての『幼い2人』のイメージは7、8歳に限定されていたみたいです」
「な、なるほど」
 それにしてもわからないことだらけだった。俺は今あかりの記憶の中にいる。でもそれに
何の意味があるのか?俺とあかりの結婚に何か関係があるのか?
「さて、まもなく終点ですよ。終点、といっても元の場所に戻るだけですが]
「そうか、終わりなのか」
 無音の中でも『終わり』の雰囲気が伝わってくるのは、辺りの色とりどりの景色が次第と
黒みを増していったからかもしれなかった。
 俺はあかりのことを考えた。幼馴染のあかり、いつも俺を追いかけていたあかり、恋人の
あかり、幼い頃のあかり・・・。
「あっ!」
俺は思わず叫んだ。
「ど、どうしました」
「リボンだ。あかりの記憶の中では、どのあかりもリボンを付けていた」
579『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:26 ID:XtPoOP25
 りんり〜ん。りんり〜ん。
 終点、つまり元の場所だ。あれから数分の時間しか経ってないとは嘘のようだった。
「藤田さん。あかりさんはもうそろそろ遊園地に着いているはずですよ」
「そ、そうか」
「あ、これを最後にお渡ししておきます」
 そう言ってももは俺に小さな鈴を手渡した。「まあ、記念みたいなものです。その音色を聞
いたら私のこと、思い出してくださいね」」
「ああ、わかった」
「では浩之さん。私はここでお別れです」
「ああ、でもまた逢えるよな」
「ええ。きっと」
 
 ももを残し俺は汽車から降りた。そして、そのまま出口の扉を開けた。
 あかりが黄色いリボンを付け出したのは高校生の時だ。それまであかりはおさげ頭だったが、
しかし、あかりにとってそれは消したい過去だったのか?それとも・・・。
 なんにしても俺はあかりの記憶の中で最後までリボンのことに気がつかなかった。

 遊園地は人で賑わっていた。これが本来の遊園地の姿なのだ。先ほどの人がいない遊園地は
幻だったのだろうか?
 でも俺は考えないことにした。この人ごみの中からあかりを、あかりを見つけ出さなきゃい
けない。その方が先だ。
「はぁはぁ。あかり、どこだ?あかり」
 簡単に見つかるはずはなかったし、もっともまだ到着していないのかもしれない。でも俺は
あかりの姿を求め遊園地内を死に物狂いで走った。
「浩之ちゃん」
 その声を聞いた時、俺は疲れ果てベンチにうなだれるように座っていた。
「あかり・・・」
「浩之ちゃん、もう探したよ」
「悪ぃ、でも俺もお前を探したんだ」
580『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:27 ID:XtPoOP25
「え?」
 あかりは目を丸くして言った。「そんな、門の前で待っててくれれば良かったのに」
「そ、そうだな。はは・・・」
「・・・あはは」
 俺たちはしばらく笑いあった。しかし、あかりはやがて目を落とし言った。「でも、ゴメン
ね。私のせいでオーシャンゴーランド乗れなかった」
「いや、気にすんな。お前のお陰で俺はもっと楽しいアトラクションを体験できたんだし」
「もっと?楽しい?この時間で?」
 あかりは不思議そうな顔で俺を見た。
「あ、いや。こっちの話だ」

 それから俺たちは遊園地で様々なアトラクションに乗った。あまりの楽しさに時が経つのも
忘れてしまい、いつの間にか空は黄昏色に染まっていた。
「なあ、あかり。俺たち結婚しようぜ」
「え?」
 あかりは驚いて俺の顔を凝視した。
「本当はレストランで言うつもりだったんだけどさ、なんか待てなくなっちまった」
「え?ほ、本当に?」
「ああ」
 あかりの頬が黄色い夕陽に反射した。「おいおい、大げさだなお前は。泣くなよ」
「だって・・・」
「ま、とにかく行こうぜ」

 好きなだけじゃ駄目だ。俺は今まで、足が遅いあかりの手を引いて先へとずいずい進んでい
たがそれは間違いだった。なんていえばいいのか本当は
「あ!ちょっと浩之ちゃん。何すんの〜?」
「おせえぞ〜あかり。うらうら!」
 あかりの背中を押してやることが大事だった。俺はあかりの歩む、重たいながらもしっかり
とした足どりを一歩一歩見据えてやらなくちゃならない。
 俺に背中を押されるあかりは苦笑した表情を見せた。そう、苦笑した表情をしていた。
581『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:28 ID:XtPoOP25
 俺たちは1年前と同じ、あの煌びやかなレストランへとやってきた。
 それから色んな話をした。ただ比較的、過去の話よりも未来の話の方が多かった。
「去年、浩之ちゃんから結婚の話が出た時、私、すごい嬉しかったんだよ」
「そうか」
「あの後、色んな話したよね。覚えてる?」
「ああ覚えてるぜ。結婚式のこと、それから新婚旅行のこと、そして子供のこと」
「うん」
 あかりはその時、今までに見たことのないような笑顔を見せた。この無意味な『虚無』の1
年間を埋め合わせるような、そんな、それぐらい眩しい笑顔だった。
「あ、浩之ちゃん。はい、これ」
 そう言ってあかりは小さな箱を俺に手渡した。少し考えてから俺は言った。
「そうか、今日はバレンタインデーだもんな」
「うん。去年のより美味しく作れたと思うけど」
「はは、そうか。んじゃありがたく頂いとくか」
 そして俺はもう一度その箱を見つめた。あかりの好きな色、ピンクの包装紙に包まれている。
その色を見ていると俺はもものことを思い出し、ももからもらった鈴のことを思い出した。悩
んだ結果、俺はその鈴をあかりにプレゼントしてやることにした。


 りんり〜ん。りんり〜ん。 
「まもなく発進しま〜す。お乗りの方はお早めに〜」
 駅に立つコグマが汽車に向かってそう告げると、汽車は音もなく動き出し、前方に見える真っ
暗なトンネルの中へゆっくりと突入していった。
「それでは始発点『未来』駅、『未来』駅〜」
 

【THE END】
582『いつかのメリークリスマス』:02/12/18 04:30 ID:XtPoOP25
以上です。Bzファンはゴメンね。全然無関係。

うp中に幾つか書き直したので遅くなってもうた。(w
みんなも頑張れ。
583行きて帰らぬ:02/12/18 04:35 ID:nlRKQeGe
駄目だー。現時点で半分しか書けていない。
 しょうがないので、ハイライトのシーンだけ投稿。
 今夜は泣きながら寝ます・゚・(ノД`)・゚・。

 題名「行きて帰らぬ」
 内容「痕」
 登場人物「柏木千鶴・柏木賢二」
 1スレ
584行きて帰らぬ1/1:02/12/18 04:37 ID:nlRKQeGe
「じゃあ、行くよ。千鶴」
 そういって、柏木賢二は車へと乗り込んだ。
 千鶴は何も言わぬまま、その光景を黙って見ていた。
 なんと声をかけて良いのか、言葉が見つからなかった。
 そんな千鶴の心境を察したのか、賢二が車の窓を開け、千鶴に優しく話しかけた。
「千鶴、こういうときは『Good spead!!』って言えばいいのさ」
「……グットスピード?」
「英語で『旅の安全を』『楽しい旅を』という意味さ」
 賢二は笑いながら答えた。
 千鶴は頷くと、涙を必死にこらえ、無理矢理笑顔を作りだし叔父にこう言った。
「Good spead賢二叔父様!! 良い旅を!」
585「旅立ちの季節」 ◆99esgVuSmY :02/12/18 05:11 ID:yyFurgUt
投稿します。
タイトル「旅立ちの季節」東鳩、浩之SS。
7レス予定。でも短いですよ。
5861/1:02/12/18 05:12 ID:yyFurgUt
 それは冬の朝。
 起きると、股間がもっこりとしていた。
「おお!?」
 思わず、悲鳴が出るほどに──。
 朝の生理現象レベルではない。断言できる。
 球状にこんもりと、数十cm単位の笑えない直径で……、それは。
 思わずズボンの裾を摘まんで開き、中身を確認する。
「ほふぅあっ!?」
 生まれて初めてレベルの奇態な声を発してしまったのは、パンツの中に、特
撮のような衝撃的映像が隠されていたからだった。
 間違いない。自分のものだった。
 腫れてるでもなく、元気になってるでもなく、自然な状態のまま、巨大化し
ていて……、それは。
 こんなもん、他人になんて…………絶対見せられん!
 自分が学校で「冴羽遼」とか「スーパージャイアンツ」とかいうあだ名で呼
ばれる存在になる未来図が、走馬灯のように心を疾走(はし)り抜ける。走馬
灯の中でその先鋒に励んでいたのは、当然のように、志保だった。
 背中に嫌な汗をかきながら昨夜寝る前の記憶を必死に思い起こしても、ちっ
とも原因に繋がるような記憶が浮かんで来ない。焦りが全身を痺れさせる。
 時計を見た。まだお昼前だった。
 びょ、病院だ!
 とりあえず、病院行こう!
 決意して上着を羽織り、玄関前に立った瞬間キンコーンと呼び鈴が鳴って、
ドアが開いた。
5872/7:02/12/18 05:13 ID:yyFurgUt
「おはよーう、浩之ちゃん」
 笑顔のあかり。無言で硬直した俺を見て、笑顔が不審そうな顔に、そして見
慣れぬものを視線に捉えて驚愕の顔に。
「ひっ、浩之……っ、ちゃん……?」
「あかり……、おまえって奴は、なんて最悪なタイミングで来やがるんだ……」
「えっでっでも……」
 泣きそうなあかり。
「でも…? でもって何だ」
 なんだ。…なんだ、この嫌な予感は。
「今日約束だよ、浩之ちゃん。ヤックの銀はがし懸賞で、浩之ちゃん、非売品
の“蔵木まいシークレットライブ・ビデオ”当てちゃったじゃない。それで今
日、志保やクラスのみんなと、浩之ちゃんちで鑑賞会やろうって」
「あ──っ!! フゥゥゥゥーッッ!!」
 動転していて忘れていた今日の予定を俺は思い出した。思わず奇声を発する
ほど絶望的なそれを。
「やっほー! ヒぃロっ」
 そしていまもっとも会ってはいけない人間が、あかりの肩越しに玄関ドアか
ら顔を覗かせた。
「なーに? いま起きたばっかなのぉ? もう全員来てるわよ。雅史も、みん
なも」
 と言ったところで、志保も、俺の肉体に何かを発見して硬直した。
 そんなこと気にも止めずに、楽しそうな顔、顔、顔が湧くように玄関に詰め
掛けてくる。
「おはよう、浩之」「おっす藤田」「こんにちわー藤田くん」「こんちわー」
「ちっす」「ふぅん、これが藤田くん家なん」「グッモーニン!ヒロユキ!」
「おはようございまーす!」「ニイハオ!」「ボンジョルノ」
5883/7:02/12/18 05:15 ID:yyFurgUt


   翌日、藤田浩之の机の上に、一枚の便箋が乗っていた。


   旅に出ます  探さないでください

5894/7:02/12/18 05:16 ID:yyFurgUt
「…やっぱり先輩かよ!」
 すいません、と来須川先輩が、俺の家の居間でちんまり小さくなっていた。
 駅のホームで、泣きながら俺を探すあかりにつかまり、結局旅を中止した俺
は、付き添われてふたりで病院に行った。
 そこで診察を受けても原因がわからない超常現象、となればあとは超自然的
な要因しか考えられない。
 原因候補のふたりは、来須川先輩と琴音ちゃん。……先にあたってみた方が
正解で良かった。琴音ちゃんに覚えもないのにいきなりこんなもんを見せたら、
儚(はかな)げな少女に一生のトラウマを作ってしまいそうだ。
「あの、で、原因はいったいなんなんですか?」
 心配そうにあかりが言う。
 いま集まっているのは俺とあかりと先輩、それに志保だけ。志保とは、こと
の次第をすべて見せてやる代わりに、まわりに吹聴しないこと、ってのがこの
場に立ち会う条件だ。他のクラスメートはともかく、コイツにだけは勝手に創っ
てこの件を吹聴されたりさせてはならない。どんな恐ろしい尾ひれがつくか、
想像もできん。……にしても、ま、気休めの保険程度だが。
「なになに? ……俺とあかりが付き合ってるのは知ってるけど、なかなか進
展がないらしいので、ふたりがもっと仲良くなるような魔法をかけました…っ
て?」
 確かに俺とあかりは今年になって付き合いはじめた。
 春に知り合った来須川先輩も、俺とちょくちょく話すようになって、いつの
間にか俺、雅史、あかり、志保の腐れ縁四人集といっしょに遊んだりもしてく
れる仲になっている。
 けど、いくら先輩でもそれは余計なおせっかいだし、しかも俺らふたり、別
にいまのところ何も困ったりしていない。……おそらく、志保あたりがものす
ごーくオオゲサに先輩にあれこれと吹き込んだに違いない。「お願い、あのふ
たりを何とかしてやって欲しいのよー」とか何とか、余計なこと。
5905/7:02/12/18 05:17 ID:yyFurgUt
 でも、
「それが何で、その……、ここを膨らますことになったわけ?」
 志保も、疑問だらけの顔だ。俺の想像通りだったとしても、さすがにここま
で阿呆なことを頼んだわけじゃなかろう。あかりもどうして?と疑問でいっぱ
いの顔だ。もちろん先輩も。
「…って、先輩もかよ!!」
 魔法がなんでこういう効果になったのかは、先輩にもさっぱりらしかった。
「ぬお……。で、で、先輩、これって治してもらえるのか? ……たぶん?
そうか、良かった!」

 さっそく儀式は始められた。電話でこの件を伝えたから、先輩は俺んちに来
る前にもう準備をしてきていた。
 なにか黒くて「にグぁい」としか表現しようのない味の丸薬を俺に飲みこま
せると、出された灰皿の上で香薬を燃やし、微妙に不吉そうな気のする呪文を
唱え始める。
 心配げに見守るあかり。
 そしてまだ面白そうなだけの志保。……おまえは来年あたり殺すかもしれん。
5916/7:02/12/18 05:21 ID:w6JqW8G7
 十分ほど経ったろうか? このまま何も起きないんじゃないか?と疑念を抱
き始めていた、その時!
 むずむずとした感覚が、俺の股間にはしった。
「オォーゥ…!」
 なぜか洋物AV女優みたいな声が出て、思わず赤面する。
 あ……っ? 縮んでる。縮んでる! 縮んでるぞぉうっ!
「わは、うわ。良し良し、いいぞ!」
「浩之ちゃん、治ってきた?」
 あかりはこぼれるような笑顔で喜んでいる。だが、純真な女子高生が男の股
間を一心にみつめながらする顔じゃないだろそれ。
「すごいわね……。なんか、みるみるムクムクと縮んできて笑えるー!」
 そして志保。おまえはやっぱり来年あたり殺すよ?
 ムクムク。「良かった……。助かったよ……」
 ムクムク。「面白いように縮むなぁ」
 ムクムク。「……あの。ちょっと。先輩」
 先輩はとっくに呪文を止めていた。
「せ、先輩、いきすぎても困るんだけど」
 先輩は、私も困っています、と言いたげな顔だ。
「……あんたも困ってどうしますかぁ〜っ!」

 ようやく止まった後、震える手で、女の子たちの前だということも構わずに
ズボンの裾を一瞬摘まむ。
 ちらりと見えたのは、実物見本のようなプリティ物体だった……。四分の一
スケールぐらいの。
「せ、先輩……っ! 通常の大きさまで戻してくれ! 元に……元に戻せるん
だよな?!」
 俺は、先輩の肩を掴んで揺さぶった。
5927/7:02/12/18 05:23 ID:w6JqW8G7


   翌日、藤田浩之の机の上に、一枚の便箋が乗っていた。


   旅に出ます  探さないでください

593名無しさんだよもん:02/12/18 05:25 ID:w6JqW8G7
>>586-592
以上、「旅立ちの季節」でした。
自分は一分間隔で投稿したら6レス目に連続投稿が出ました。(ブラウザ)
接続し直して投稿再開。
1/1? 何のこと?(w
594 ◆EHuOPyRL/6 :02/12/18 05:57 ID:+wVnrVj2
だれもいにゃーかな? 
登場人物 HM−13……東鳩に出てくるのとは違うセリオの物語。オリキャラ? も二名。
タイトル「空を繋ぐ声」
予定   八レス
595空を繋ぐ声(1):02/12/18 05:59 ID:+wVnrVj2
「――以上、本日の業務報告終了です」
「おう、ご苦労。後は俺が適当にやっとく」
 小さなモニター画像の中で、セルゲイ氏が無愛想に言った。
「適当に、では困りますが」
「言葉のあやだ。本当に適当にやるわけねぇだろ。っとにてめーは固っ苦しい野郎だな」
「申し訳ありません」
「交代だろ。とっとと休め」
「はい。お疲れさまでした」
 面倒くさそうに手を振るセルゲイ氏に短い挨拶を返し、モニターを切る。
 私は最後にもう一度通してチェックを行い、計器が正常に作動していることを確かめた。
 ――心配性だね、セリオは。
 よく、マスターにも笑われたものだ。
 私達には、俗に言うロボット三原則はないが、できうる限り人命を尊重するようにプログラムされている。
 ましてや数万単位の命がかかっている状況下では、何度チェックしてもし過ぎることはないだろう。
 チェック終了。やはり異常はない。同時に別のHM−13が入ってきた。
「交代の時間です」
「はい。後はよろしくお願いします」
 席を立った勢いで、髪がふわりと広がる。
 すれ違い様に軽く手を合わせて挨拶し、互いの手を掴んで運動エネルギーを交換すると、私の体は容易く宙を進んだ。
 3つほど扉をくぐると、展望室を兼ねた通路に出る。
 そこは空に繋がっていた。
 空。暗い空。永遠の深さを持った闇の空。
 その闇を切り裂く雲は、白銀の光の群れ。銀河……名前通りの、銀色の河。
 よくマスターと一緒に地上から見上げていた空を、私達は旅している。
 外宇宙移民船――数万の命と希望と可能性をその内に秘めた、巨大な船で。
596空を繋ぐ声(2):02/12/18 05:59 ID:+wVnrVj2
 自由時間、というのもおかしな話だが、私達には労働をしてはいけない時間が定められている。
 理由の一つとして、本来、人間の代わりに仕事をするべく作られた私達だが、今度は人間の雇用不足が問題になった。
 そこで私達を導入している企業には、一定比率以上の人間の雇用義務と、私達の労働時間短縮が義務づけられた。
 非効率的だとは思うが、理屈としては納得できる。
 もっとも、この船の運用はメイドロボの稼働が前提になっているため、雇用不足の心配をする必要はない。
 だが、第二の理由として、私達の電子頭脳はなにもしない休息期間を与える方が安定する。
 人間の脳神経と構造が似ているので、人間が夢を見るのと同様に、記憶の整理をする時間を作るのが必要、という理屈だ。
 無粋な言い方をすればデフラグだが、根を詰めすぎるとよくないのは、人間もメイドロボも同じなようだ。
 他にもメイドロボにも人権をと言い出す、メイドロボ愛好派の主張もあったらしいが――それはあまり関係ないらしい。
 標準労働時間は十六時間。部署はある程度決まっているが、サテライトサービス――衛星を介してはいないが、
慣習でそう呼ばれている――でデータを受け渡しできるので、必要とあればどこの仕事にも就く。
 労働を終えた後は、充電、整備などに二時間割いたとしても、余りは六時間以上。
 待機スペースでおとなしくしているものもいれば、ここに来て宇宙をぼうっと眺めるものもいる。
 それぞれお気に入りの場所、落ち着く場所で、ゆったりと時を過ごすのだ。
 私のもっとも落ち着く場所、それは……マスターの側。
 そう、私にはマスターがいる。私は他のメイドロボと違い、この船に所属しているメイドロボではないから。

 展望室を抜け、いくつもの通路と扉を経由した奥に、巨大な部屋――通称寝室――がある。
 気温が低く設定されたその部屋には、まるで工場のように無数のカプセルが並べられている。
 これらは狭い地球を飛び出し、外宇宙の開拓に希望を見いだした人達のゆりかごだ。
 彼らは到着までの数年を、眠ったまま過ごす。目覚めるときは、新天地に到着したときだ。
 そうすることによって、食料、酸素、エネルギーの消費を最低限に押さえることができる。
 彼らは夢さえも見ない深い眠りの中で、ただ、旅が終わる時を待っている。
597空を繋ぐ声(3):02/12/18 06:02 ID:+wVnrVj2
 寝室を抜けた向こうにあるのが、乗務員待機室だ。
 名前が違うだけで、やはりここにも寝室同様、乗務員が収められたカプセルがある。
 乗務員は数年に及ぶ長旅を支障なく行うために、十二のグループに分けられ、一月単位で交代する。
 一月に一回、全員が目覚めて報告等を行うが、それを除けば十一ヶ月眠っては、一月起きるの繰り返し。
 今起きている人間は最低限の保守要員五名。それも仕事のほとんどは私達が行うから、僅かなチェックをしているだけだ。
 緊急時には全員が起こされるが、今のところそれが必要になる事態は起きていない。
 この船の設計者の一人であるマスターも、今はカプセルの中で眠っている。
 私はカプセルの縁に腰掛け、ガラス越しにマスターを眺めた。
 まるで死んでいるように静かで、時折体調管理センサーに目をやって、無事かどうかを確かめる。
 曇ったガラスを拭うが、曇りはガラスの内側なので、ほとんど効果はない。ぼんやりとマスターの目鼻立ちが見える程度だ。
 もちろん記憶の中のマスターは鮮明に再現することができる。だけど、それは過去の映像だ。
 今、生きて動いているマスターを見ることはできない。それがもどかしい。
 ひんやりとしたガラス。張りつめた沈黙。ゆっくりとしか動かない時間。
 自由時間にはここに来ずにはいられないのに、ここに来るといっそう寂しさが募る。
 次に目覚めるのは十五日と八時間後。それも一日で眠りについてしまい、次に一月目覚めるのは四ヶ月後だ。
 私もマスターと同じサイクルで眠りにつけたならよかったのだが、メイドロボを遊ばせておくような余裕はこの船になかった。
 早く会いたい、と思う。
 この思いが孤独というものなのだろうか?
 黙っていれば時は過ぎる。時の単位は一定で、いくつもの沈黙を重ねれば、いつかマスターが目覚めるときは来る。
 それが分かっているのに、私はただ待つことに耐えきれず、小さく歌を口ずさむ。
 マスターが好きだと言ってくれた、懐かしい歌だ。
598空を繋ぐ声(4):02/12/18 06:03 ID:+wVnrVj2
 静かで穏やかな、だけど強く希望を意識させるメロディーと歌詞。
 歌いながら、思いを馳せる。
 遠い過去、大地の上で。星を見上げ、僕らはいつかあそこにいくんだと嬉しそうに語ったマスター。
 僕は、ではなく僕らと。
 その夢は叶い、マスターはこの船を作り上げ、私達は今星の海の中にいる。
 だけど余りにも遠く長い旅路は、私を押し潰しそうだ。
 私はこのメロディーに必死にしがみついて、時が過ぎるのを耐える。

 いつしか歌のレパートリーも尽き、膝を抱えて丸まり、宙に浮かんでいた。
 もちろんサテライトサービスを駆使すれば三日三晩でも歌えるが、それはマスターとの想い出の歌ではない。
 そんなことを考えているうちに、私の自由時間は残り少なくなっていた。そろそろ充電しなくては。
 軽く天井を蹴って、マスターのカプセルに、そっと口付ける。
「では、行って来ます」
 共用の待機スペースに収まり、メンテナンスと充電を受ける。
 次の担当部署は、船体の損傷チェック、および補修作業。船外活動だ。
 私達専用の船外作業服――酸素パックがついていない――を身につけていた時、振動が船を貫いた。
 警告音が鳴り、照明が一段落ちる。それが回復すると同時に、セルゲイ氏の怒ったような声が響いた。
「非常事態だ! 隕石かなんかが船体に食い込みやがった! 
 十班から十三班の連中はB−2区画に集合して点検と補修に入れ。船外活動班は外部から船体のチェック! 急げ!」
 指示を受け、私達はエアロックから外に飛び出す。どのセリオも無言で、一種緊張のようなものが見て取れる。
 にもかかわらず私は、非常事態と言うことは、もしかしたらマスターに会えるかも知れない。そんな不謹慎なことを考えていた。
599空を繋ぐ声(5):02/12/18 06:05 ID:+wVnrVj2
 宇宙空間には様々なものが浮いている。と言ってもその大半は星間物質と呼ばれる塵の類で、密度も薄いためにほとんど害はない。
 それでも衝突の被害を最小限に防ぐために、船体はできうる限り細くされ、船体前部は傘のようなシールドで厳重に覆われている。
 今回は、ほんの僅かだけ斜めに飛び込んできた隕石が、シールドを避けて船体に衝突した。
 光速の数%という速度で動いているこの船にそんなものが当たるのは、まさしく天文学的な確率だが、起こったものは仕方がない。
 隕石自体はごく小さなものだったが、この相対速度の前では質量の小ささを無視した大被害に見舞われる。
 船体の一部は大きくめくれ上がり、機能美のみを追及した灰色の船体に、醜い傷を穿っている。
 幸い入射角が極端に浅かったおかげで、船体を長くえぐりはしたものの、構造材を貫通はせずに隕石は止まった。
 航行に支障はないようだが、万が一に備えて損傷部のチェックと補修を始める。
 装甲を切り取り、新しいものをはめ、溶接する。単純な作業だが、被害箇所が広いため、やたらと時間がかかる。
 ――マスターが起きているかも知れないのに。
 そんな焦燥を感じながら傷跡を覗き込み、暗い穴の底にちろりと火花が瞬いているのを見た。
 瞬間、サテライトサービスで船体構造の全てを取り寄せる。あの場所は――。
 爆発が起きた。
600空を繋ぐ声(6):02/12/18 06:06 ID:3XOB0qEw
 推進剤の経路。そこについていた微かな傷、僅かな火花。それらが反応し、膨張し、私を吹き飛ばした。
 一瞬命綱が張ったが、衝撃と飛び散った破片が引きちぎり、私はくるくる回りながら船体から遠ざかる。
 いけない!
 現時点での船体の速度、方角、私の現在位置の変遷をサテライトサービスで取り寄せる。
 航行予定の全てを引き出し、できうる限りのデータを私の中に詰め込む。
 その合間に私は姿勢制御用バーニアをふかし、船体と同じベクトルを得ようと調整する。
「おいっ! セリオ! どうし……z……」
 セルゲイ氏の声が聞こえた。だが直後、通信にノイズが混じり始める。
 船体が遠ざかる。ほんの僅かな減速が、致命的な遅れとなる。星の中に船の輝きが混じってゆく。
 遠く、小さく、見えなくなる……姿も、声も……。だけど最後に、ノイズの中に混じった声を確かに聞いた。
「セリオっ……」
 マスター!?
 直後、砂嵐のようなノイズの海に、全ては閉ざされた。

 私は船を外れ、減速はしたものの、なお同方向に凄まじい速度で動いていることに代わりはない。
 それだけの慣性力が、私の体には残っている。問題があるとすれば……一センチのズレが、一秒後には数キロにもなることだ。
 私は最後に受け取ったデータを元に、ミリ以下の単位で姿勢を制御。
 周りの星の姿から、現在地点を測定しつつ、方向を合わせる。
 電力は最低限の機能しか働かせられない。一日に一度、十秒だけ起きて現状把握。バッテリーの消耗を最低限に押さえる。
 ただ、それを何百回、何千回繰り返せば、目的星域に到達できるのか分からない。
 それ以前に、到達したとしてどうするのか……。減速できずに、どこかの星の引力圏に掴まって、燃え尽きるのが落ちだ。
 だけど私は諦めたくはなかった。
 最後に聞いたマスターの声、それをもう一度聞きたいと思った。
601空を繋ぐ声(7):02/12/18 06:07 ID:3XOB0qEw
 宇宙は孤独だった。
 暗く、冷たく、本当の意味で一人きりだった。
 周りに生きている命はなく、音さえも聞こえない。
 人間は、全ての感覚を遮断した状態に置かれると、ほどなく発狂するという。
 どんなに訓練を積んだ宇宙飛行士でも、1日と持たないそうだ。
 ロボットの私はどうなのだろう。孤独を前にして狂うのか、絶望するのか、壊れるのか。
 私は、十秒だけ星を見た。そして全てを閉ざす。
 なにもかもが闇に塗りつぶされる中で、夢を見た。そこには人間の手が入っていない、緑の大地があった。
 マスターは今頃、新たな大地を踏みしめているのだろうか。
 それとも未だにカプセルの中で眠ったままか……。
 そんな想像を幾度繰り返したのか分からない。だけど他に考えることはなく、他にできることもなかった。
 余りにも夢見る時間が長すぎて、起きている十秒の方が夢なのではないかと思うほどに、脆く儚い。
 マスター。
 会いたいです。早く、早く。いつまでこうしていればいいのでしょうか。
 つらいです。寂しいです。抱きしめてください。暖めてください。笑いかけてください。
 変ですね。前はこんなこと考えなかったのに。いえ、考える必要なんて、ありませんでした。
 マスターはいつも側にいましたから。
 今はずっと、マスターのことばかり考えています。思いだしています。
 髪に触れてくれた手。抱きしめてくれた腕。頂いた言葉の一つ一つ。そして笑顔。
 マスター、お食事ができました。
 あ、そっちはダメです。クリーニングに出していません。ネクタイも曲がってます。
 レストラン、ですか? 私は食事は必要ありませんが……。
 流れ星に三回願うと、願いが叶う……やってみます。
 ――はい。マスターと一緒に、星の世界にいけますようにと。
 マスターの願いは、私の願いですから。
602空を繋ぐ声(8):02/12/18 06:08 ID:3XOB0qEw
 夢は叶いました。私たちは星の世界に来ることができました。でも、今はマスターがいません。
 マスターはずっと先に行ってしまいました。早く、追いつきたい。
 追いついて、会えたら、笑ってください。頑張ったね、って誉めてください。
 そんな希望を抱かないと、静かすぎる時間に耐えられそうにないから――。
 時間の流れは余りにも遅く、この変化のない宇宙同様、凍り付いているように思えた。
 孤独な旅は、まだ終わらない。

 十秒。
 私は目を開いた。
 目指した恒星の輝きと、その隅でひっそりと輝く目的地が、ようやく視界に捉えられた。
 それはまだまだ遠いけれど、確かにそこにあった。
 マスター、そこにいるんですね。でも。
 できうる限り節約してきたバッテリーは、そろそろ限界だった。
 どうせならマスターのいる星に落ちて死にたいと思ったけど、惑星の公転周期を計算すると、どう考えてもぶつからない。
 悲しい。
 最後の願いさえ叶わない。
 次に目覚めたときは、マスターのいる星は別の惑星の影に隠れてしまう。
 なら、ここで力尽きた方がいいかも知れない。
 どうしよう。どうすれば、一番綺麗に終われるか。
 マスターのことを思い出しながら、最後の時を迎えられるか。
 ああ、そうだ。
 私はメロディーを口ずさんだ。

 遠く限りない宇宙へ 夢を探して迷うfar away 揺れる運命になぜか 心みだれて道を惑う
 月に見守られて 気高く生きてゆける 時間は砂のように so 流れるけど……
 Eternal love 君に逢えた 蒼いこの銀河で いま信じて 飛び立つ天使
 Eternal dream 光浴びて 翼広げたなら きっと奇跡は始まる Angel in my heart……
603空を繋ぐ声(9):02/12/18 06:09 ID:3XOB0qEw
 声が掠れた。
 視界が歪んだ。
 私は……泣いていた。
 そういう機能はある。だけど、命令を入力してもいないのに、勝手に涙が溢れる。
 まるで……まるで、人間みたいに。
 胸が潰れそうに痛い。心が苦しい。命の残量が減ってゆく。消えてゆく。恐い。……いやだ。いやだ。
 マスター……私、死にたくありません。会いたい。もう一度……あなたに会いたい。
 どうして、やっと近くまで……長い時間をかけて、ここまで来たのに、あなたに会えずに死んでいくのは……いやです。
 なんのために、私はずっと孤独に耐えてきたんですか?
 あなたに会えないなら、そんなの無意味だったのに……。
 ……マスター……っ。
 ――ザッ……
 ノイズが走った。
 とうとう最後の時が来たのか、と冷たい絶望に襲われる。
 だけどその中に別のなにかが混じっていた。
 ――ザッ……なぁ……歌……聞こえなかったか?
 この、声……。
 ――歌だよ! セリオがよく歌ってくれたあの歌!
 余りにも懐かしい、忘れようのない、声。それはだんだんと大きく、
 ――俺には聞こえなかったぞ。なぁ、ナガセ、やっぱ無理だって。見つかるわけ……。
 ――聞こえたんだよ、セリオの歌がっ! ちくしょう、絶対にいるはずなんだ! 俺のセリオなら、それくらいできるはずなんだ!
 ――ああ、分かったよ! どうせここまで来たんだ、とことんつきあってやらぁっ!
 マス……ター……。

 星が見えた。青く、小さく、涙のせいで歪んでいたけど、希望と、可能性と、夢と、命と……。
 そして、マスターがいる星。
 ――私達は思い出の場所によく似た大地の上で、あの時と同じように、夢を語る。
 ここから見上げた星の形は、地球とはまるで違っていたけれど、私たちは確かにその空を越えて、ここに到着した。
「ねぇ、セリオ。歌ってよ、あの歌――」
「はい、マスター」 
604 ◆EHuOPyRL/6 :02/12/18 06:15 ID:3XOB0qEw
>>595-603
「空を繋ぐ声」……1レス伸びてしまいました。
えー、歌詞やっちゃいました。ギャラクシーエンジェルパソゲー版のオープニングらしいです。
ってのも、俺が聞いたのは某マッドムービーだったもんで、詳しくは知りません。が、いい歌です。
本当は書く気なかったんですけど、イメージにビタはまりだったもんでつい。
なお、N氏は脳内では雫の彼(年下の方)をイメージしております。
ぐだぐだと見苦しくってすみません。では……と逃げるように去る。
605 ◆28qsaJNT.c :02/12/18 07:50 ID:V+wNZXQZ
延長希望の方はいらっしゃいますか?
606 ◆28qsaJNT.c :02/12/18 08:00 ID:V+wNZXQZ
【告知】

ただ今をもって、投稿期間を終了させていただきます。
参加された書き手の皆さん、どうもご苦労さまでした。

それでは、これから感想期間に入ります。
投稿された SS について感想、討論などをご自由に行ってください。
期限は 12 月 25 日の午前 8:00 までとさせていただきます。

以下が、今回投稿された作品一覧です。

>>446   蜃気楼(国崎)
>>477-481 2001年宇宙の旅(あかり)
>>516-521 You only live twice(舞)
>>525-531 No future(ToHeart)
>>534-539 ひとりふたり(はるか)
>>541-554 犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(うたわれるもの)
>>556-565 書き置き(秋子)
>>570-581 いつかのメリークリスマス(浩之・あかり)
>>584   行きて帰らぬ(千鶴・賢二)
>>586-592 旅立ちの季節(浩之)
>>595-603 空を繋ぐ声(セリオ)

なお、今回投稿された作品一覧は
http://sscompe.hp.infoseek.co.jp/ss/9/index.html
からでも見られることができます。
607名無しさんだよもん:02/12/18 12:35 ID:/le1V/eE
それ以外は全部メンテ扱いになったのか?
608名無しさんだよもん:02/12/18 14:18 ID:UoUBhKEC
メンテと書いてあるものはメンテになるのがここの慣例だが。
メンテにも感想書く人はいるし。
609名無しさんだよもん:02/12/18 14:55 ID:WZnJSLGi
ううむ……やっぱりなんだかんだいっても集まるもんなんだな……。
今回は出してないから何の気兼ねもなく感想が書けそう。
610名無しさんだよもん:02/12/18 18:13 ID:9Ia9JbAL
終わりか。おもしろかったぁ。
611名無しさんだよもん:02/12/18 18:28 ID:cHzTcbE4
>>446   蜃気楼(国崎)
いい感じで力が抜けてる
こういうネタは、好きだ
9点

>>477-481 2001年宇宙の旅(あかり)
常にはぁはぁ言ってるのは、読者に風邪の苦痛を共感させようと言う工夫なのか?
全編に苦痛の素をちりばめたあげく、終わりまで何のひねりもない
読後に残るのは不快感だけだ
0点

>>516-521 You only live twice(舞)
オチが説明不足
5点

>>525-531 No future(ToHeart)
細かいツッコミどころはあるが
気にする前に読了させるだけの軽さがある
8点

>>534-539 ひとりふたり(はるか)
ごめん、はるかシナリオやってない

>>541-554 犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(うたわれるもの)
あのオチでこの長さは冗長
キャラの出しすぎで焦点がぼけた感がある
エルルゥが何もやってない
3点
612名無しさんだよもん:02/12/18 18:36 ID:cHzTcbE4
>>556-565 書き置き(秋子)
秋子さんは、こういうひどいイタズラをするだろうか
俺脳内だと、秋子さんは二階に連れて行かれた時点で白状してEndなんだが……
7点

>>570-581 いつかのメリークリスマス(浩之・あかり)
B'zの歌とやらを知ってると、意味のある話になるの?
東鳩キャラ使って幻想文学もどきやられても……
3点

>>584   行きて帰らぬ(千鶴・賢二)
誰もが知ってる話なわけだし
だらだらと説明文継ぎ足して味を薄めるより
エッセンスだけ見せて、残りは想像させるって手法もアリかな、と思った
もう少し贅肉を落としせるかも
6点

>>586-592 旅立ちの季節(浩之)
来須川先輩って誰だよ
そういうのはお前の脳内だけでマジ勘弁
6点

>>595-603 空を繋ぐ声(セリオ)
定石だが、泣けた
あえて指摘するなら
セリオである必然性が無い
10点
613名無しさんだよもん:02/12/18 19:55 ID:ImO18Gjg
よく見りゃ「蜃気楼」って、どこにも国崎とは書いていないんだよなw
確かにそれっぽいが。
614 :02/12/18 20:30 ID:4H8VuRXN
感想キタ━━(゚∀゚)━━!!!!!
もっとщ(゚Д゚щ) カモーン
615名無しさんだよもん:02/12/19 05:24 ID:PAQ+slFg
今回、なんかギャグ多いな。(w
「旅」というテーマからなぜかギャグを連想した書き手が多かったか。
でも凝った作品ばかりで面白かった。感想はできれば明日にでも。
616マジ長感想人:02/12/19 07:45 ID:Ub0HWHz5
>>446   蜃気楼(国崎)
メンテじゃなくて?いいですが。
下らない最後の一言をいうためだけのオーソドックスな手法だが、まぁ最低これくらいはやって欲しいと言うあたりだろうか。
>そんな言い知れぬ不安の要素を抱えたままベンチに腰かけ、俺は呟く。
このあたりが今一つすとんと落ちないのですけどね。

>>477-481 2001年宇宙の旅(あかり)
とにかく読み難い。擬音と…の多用はそれだけで読者のレベル設定が低いのだなと思われ、うんざりさせられるものだ。
当方も一応高等教育を受けた成年であるため、絵本レベルの描写は必要としない。
夢現の物語は常に面白いものになりうるが、同時にありがちさと荒唐無稽への落とし穴を回避する必要がある題材でもある。
なぜなら、作者がきっちり理解していなくてもそれなりの雰囲気に持ち込む事は易しいが、きっちりとまとめきる事は困難だからである。

>>516-521 You only live twice(舞)
きっちり理解したのか微妙だが、正直読みこもうと言う気になれない作りである。
未来から過去方向へ影響を与えると言う話もまぁ最近では珍しくもなくなったし、その展開を意外に思わせるだけの準備もされていない。
アイデアをどう物語に生かすかが腕の見せ所であり、読者の観点を読みきって意表を突く努力がされなければ意味をなさない。
617マジ長感想人:02/12/19 07:47 ID:Ub0HWHz5
>>525-531 No future(ToHeart)
ありゃ、これもか。三人以上でダイアログを連続させる場合には多少は工夫が欲しい。
誰が喋っているのか類推できないわけではないが、(説明的な)会話だけで話を進められると割と早めに食傷する。
アイデア事体は見るところはあるのだが、これもまた作者が書いたいように書き散らしたような構成で読者としては、はぁ…と生返事しながら読み進める一方になる。
読者が追いつくのを待たずに一人突っ走るのではなく、読者と一緒にゴールテープを切るよう努めるのが作者の勤めである。
もうすこし詳しくいえば、2章での説明が直線的すぎて鼻白まされる、6章での矯めが足りない、というところか。

>>534-539 ひとりふたり(はるか)
うーん。どうもこれは解らないらしい。4章から先の展開が不自然で、特に4章はいまいち雰囲気の作りに失敗している印象がある。
まじかるアンティークあたりの絡みなのだろうが、こちらの方は不案内。関連のネタがあったのなら、申し訳ない。

>>541-554 犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(うたわれるもの)
これまた元を知らない、申し訳ない。が、これは元を知らずとも想像が出来た。
キャラクターが原作に則していうかどうかは判断できないが、それぞれが納得できる範囲で動いているように思えた。
オチは恐らく知っていれば読める範囲ではないかと思うが、それまでの展開が丁寧にかかれているので気にならなかっただろうと思われる。
618マジ長感想人:02/12/19 07:48 ID:Ub0HWHz5
>>556-565 書き置き(秋子)
悪戯をしたなら、悪戯をしたなりの収め方と言うものがある。秋子さんの態度はたんに祐一を馬鹿にしただけとしか見えない。
また話の盛り上げが意図されておらず、どうせ最後にはそれらしく収まるのだろう的な緊張感のなさが全編に漂うのも面白みを欠く。
話が一部欠落しているように思えるのは私の気のせいか。
6章と7章の間、「自分の娘がいなくなって心配じゃないんですか」的な意味合いの台詞があってしかるべきところが見当たらないように思えるが。

>>570-581 いつかのメリークリスマス(浩之・あかり)
今回のテーマは時間旅行だったのだろうか。さておき。
恋人がもつ自分への記憶を辿る、というのは非常にそそられる話だった。そこに現れる認識と重点の置きかたの違いはとても興味深いものではある。
が、どうにも物語の焦点が見えてこない。始まりからして、何がどうなったのかよく解らない。
人込みの中ではぐれ、お互いを捜し会う最中で、どういう経緯でそんな幻想が入りこんだのか不明。
そのへんを置いて読んで見たが、浩之の感じるあかりへのもどかしさ、あせり、あかりのコンプレックスとそれを象徴するリボン、このあたりがうまく結べない。
読み手の力量不足は認めざるをえないが、書き方が散漫であるのは間違いないだろう。
619マジ長感想人:02/12/19 07:50 ID:Ub0HWHz5
>>584   行きて帰らぬ(千鶴・賢二)
spead…辞書で調べて見たんだが、それらしいものは見当たらない。speedの間違いということでいいのだろうか。
まぁ、この部分だけで評価することは出来ないし、何をいってもどうもなるまい。

>>586-592 旅立ちの季節(浩之)
スラップスティックとしては及第点か。
が、下ネタは声出して笑えてなんぼと言う風に考える。
シリアスとギャグでは単語の並べ方も変わる。モノローグでの説明も当たり前のタイミングでは使うと読み手が落ちついてしまう。
> 腫れてるでもなく、元気になってるでもなく、自然な状態のま
>ま、巨大化していて……、それは。
> こんなもん、他人になんて…………絶対見せられん!
このあたりも「笑える」モノにできれば一皮剥けると思われるが。

>>595-603 空を繋ぐ声(セリオ)
うーむ。このレベルの作品がここに投げられるのか(笑
断然ですな。
難をいえばラストシーン。そこに至るまでの積み重ねの割に、丁寧さと品を欠く印象だった。お涙なダラダラ展開は個人的にはいただけない。
また、隕石と言う表現も気になった。引力圏に”落ちて”くるものをさす言葉で、妥当ではないだろう。

最優秀にはこちらを推させて貰うしかないが。
620書き置き作者:02/12/19 08:36 ID:NgfT2tCs
感想期間中ですが、あまりにひどすぎるミスがあったので書かせてください。

>>618
>6章と7章の間、「自分の娘がいなくなって心配じゃないんですか」的な意味合いの台詞があってしかるべきところが見当たらないように思えるが。
まったくそのとおり。7章の一行目が抜けてました。投稿時のコピぺ作業で欠落したようです。
7章の頭に以下の一文を挿入しておいてください…

「秋子さんは名雪が心配じゃないんですか!?」
621名無しさんだよもん:02/12/19 12:19 ID:k4XmOSTb
葉鍵は滅多にこないんで、こんなスレがあるとは気づかんかった。今回感想初カキコ。

>446 『蜃気楼』
メンテか? 短いので上手いとかいや異議ありとか感想言うのは控える。
あえていうならタイトルにまでした蜃気楼を、もっと本文に絡めて欲しかった。

>476-484 『2001年宇宙の旅』
東鳩は遊んだことがないので、それを承知で以下の文を読んでくれ。
えーと、描写があかりの内面に多くを費やされているので、読者に情景が伝わりにくいとは思う。
後述の作品と比較することになってしまうが、たとえば>524-532などは
同じ一人称でも「話者の目から見た話し相手の外見」などが伝わってきているようだ。
>あかりがちょっと顔を赤らめながら囁いた。
とかな。参考にしてみたらどうか? がんがれ。
(ただもし職人のSS書いた意図が、あかりという少女の混沌とした
 内面を活写したかったと言うなら、話は別よ。
 その場合は別の評価の仕方を持ち出さなきゃならないが)

>515-522 『You only live twice』
タイトルの元ネタは007だったか?
>518あたりの段落わけの技巧が達者だと感じた。
舞シナリオに惚れ込んでいるのがよくわかるSSだ。
622名無しさんだよもん:02/12/19 12:19 ID:k4XmOSTb
>524-532 『No future』
笑った。しかしスピード感溢れる文体・ストーリーなのは理解するが、
>527の前半10行は、はしょりすぎだと思うが如何?
――なんとなく、この手の作品を書くときはヘタな感想だの批評だのを
耳にいれず、がーっと突っ走ったほうがよさそうな気もするが(w

>533-540 『ひとりふたり』
ホワルバはマナ食って積んであるので、それを承知で(略)。
黒うさとかってプレイムネタ? 違ってたら勘弁。

>541-555 『犬耳娘細腕奮闘記@旅情編』
当方いささか積みゲー多く、うたわれもまだ買っていない。よってそれを承(略)。
俺もSS書きだからわかるが、ギャグって本当難しいよねえ(嘆息)
とりあえず、地の文がギャグにしてはあまりかっとんでないとおもったんで、
板違いのRumbleや尾鮭あさみみたく、バーストかかったテンションで仕上げてみたら?

>556-567 『書き置き』
ほのぼの物としては面白く読めた。
ただ>557で「……しばらく、祐一とも会えなくなっちゃうな。」とあるが、
「しばらく」の一言で正直オチが半分がた割れると思う。

>569-582 『いつかのメリークリスマス』
スマソ。「『出会い』の駅です」で噴いてしまってあとは真面目に読めんかった。

>583-584 『行きて帰らぬ』
タイトルでなんとなく『ここ過ぎて滅びぬ』だかを思い出した。ふぁいとー。
623名無しさんだよもん:02/12/19 12:20 ID:k4XmOSTb
>585-593 『旅立ちの季節』
……この書き手には短小ティンコの魅力がつかめてないと、ショタスレ住民として断言する(w
まあ笑ったけどさ。

>594-604 『空を繋ぐ声』
ん、SFは苦手かつ無知なんだが、
たった9レスのSSにこのジャンルを持ってくると、設定語りで紙幅が尽きる気がする。
(ただこの職人の場合、地の文の筆力がやたらあるようなので、きちんと読者を引き込めてるが)
ラストがかなりいいと感じただけに、そこに到るまでの展開を
イベント挿入して膨らませたほうがいいんじゃないかなあ。
まあそのあたりは、職人が何を書きたがっているか次第でもあるから、あまり口をはさめんが。
あと>602の歌詞はなんぼなんでも甘すぎると思う。
引用するならせめて4行でなく1行にしといたほうが……
もうひとつ、あえて言うけど会話文がほとんどなく、セリオの感情が
自己燃焼のみで終わっているやも。
このレベルの情熱を抱いたキャラがあとひとり絡んできたら、傑作になったろうな。
……いまの時点でも俺のSSよりよっぽど上手いし、ある意味負け犬が吠えてるだけだけどさ。ちぇっ。



各作品のランクづけはしたくないんで、最優秀賞は挙げない。
いちばん気に入ったって意味なら『You only live twice』だな。
自分にはまず書けない文体って点では『No future』。
本気で嫉妬覚えるくらい上手さに感嘆したのは『空を繋ぐ声』。
葉鍵のSSはほとんど書いたことないが、いっちょ俺も取り組んでみるか。
624名無しさんだよもん:02/12/19 12:56 ID:og/M2acJ
なんだか今回、葉っぱ作品、東鳩もの、それも浩之・あかり関連が多いな。
テーマが『旅』なのに、なんだろうこの奇妙な関連性は。
625 :02/12/19 13:17 ID:OFLHqnRr
宇宙旅行とか時間旅行ネタだと、科学技術の発達している
東鳩の世界観がなじみやすいからだと思う。
626名無しさんだよもん:02/12/19 15:09 ID:gcKuvLeh
気になった作品の感想をいくつか書こうと思います。まずは>>534-539 ひとりふたり(はるか)。

はるかとマジアンネタを絡ませる……と言う時点で、読み手を選んでしまうところが厳しい。
それも特定のイベントを元にしているのだから、もうちょっと読み手に対する説明を加えるべきだった。
これでスフィーやウサギたちが出てきて、ちゃんとウサギたちが再会して、
説明に至るまで描写されていたら、知らない人にも評価してもらえたと思う……
……けど、それだと語りすぎて作品の雰囲気を殺してしまうなぁ。そこは適当なさじ加減で調整して。

地の文は上手いと思う。丁寧だし。それにさりげなくいろんな要素がちりばめられている、けれど。
はるかシナリオに思い切りはまった人でないと、このSSを読み解くのは難しい。ただ「?」が浮かぶだけだと思う。
シナリオの主幹である、はるかの過去とその皿に対する執着との関連性さえ、知らない人には見えてこない。
自分には会えなくなった人がいるけど、この子はまだ会えるから会わせてあげたい……。って、ことだよね。
(気がついたら、涙がこぼれていた)も、唐突な印象。
はるかの語りでなく、地の文で表現していたら気にならなかったと思う。多分。
最後も分かりづらい。これははるかと黒ウサギ皿が初めて会ったシーンだろうか?

袱紗。読めないし、分からなかったw 「ふくさ」だね。簡単にいうと絹製の上等な風呂敷らしいが。
文の端々から、言葉を知っている人だと分かるんだけど、余り一般的でない単語は説明が欲しい。俺が無知なだけですか?
まくらの旅もぐぐって見たりしたがよく分からなかった。古文の表現技法だろうか?

ところで黒ウサギの目は赤くありません。目が赤くなるのは白い飼いウサギ(の一部)だけです。最近は主流じゃないらしいけど。
余談だが私が昔飼っていたウサギは白いけど目は黒くてちびっこくて可愛かった……。

色々細かい突っ込みはしたけど、作品全体に流れる雰囲気は好き。
ホワルバSSの中でも特に表現が難しいと言われているはるかだけど、はるからしさも結構でていたと思う。
そんなところで。
627名無しさんだよもん :02/12/19 17:49 ID:iFwUhUdj
No future
一番面白かった。
こことか
>>どの道この家には自分しか
>>居ないのだから、さしあたって、二つの死体は毛布にでも包んで、物置に置いて
>>おけばいいだろう。
浩之の行動の淡白さにワラタ
最後がむりやり終わるところが玉にキズかな。
(まあSSだからそうなってしまうのはよくあることだけど。
SSらしくきちんと短くまとまっていたし、話の流れもスムーズに見れて
楽しかった。


628感想:02/12/20 01:08 ID:I3IWTpHJ
今回は上から順番に。独断と偏見でつけた感想です。

『蜃気楼』>>446

ちょこっと笑ってしまった。それだけだけど。★つけはパスさせてください。

『2001年宇宙のたび』>>477-481

非常に読みにくい……。今回は何とか最後まで読みましたが、普段だったら飛ばして
次のSSに移ってます。落ちは少し面白げでしたが、なにぶん流し読みなので構成や展開まで
評価できる立場にありません。


『You only live twice』>>516-521

なんと言うか……主人公が事故に遭って死にかけた時に、頭の中から声が響いてきて
スーパーマンとして蘇る、といった一昔前のヒーローものの話を思い出しました。
(待って!)と呼びとめることから始まり、(〜一つになれば)と融合を推奨し、ためらう
主人公に説教し、(今は、説明してる暇は無いわ!どうするの?)と最後には無理やり
二者択一を迫る。どこかで聞いたような話ではないでしょうか。以後の展開も予想できる
範疇にありました。ラストなど、判りにくいところも多少ありますが。ところで、
>「よぉ」
>「こんにちわ」
これは誰と誰の会話なのでしょう?

技術:★★(文章力は並よりちょっと下)
構成:★(もう少し工夫してほしかったです)
設定:★★(うーん……よく理解できませんでした)
テーマ:★(旅とはタイムトリップのことでしょうか? 苦しいような気がします)
総合:★(ううむ。ちょっと厳しいかなぁ)
629感想:02/12/20 01:08 ID:I3IWTpHJ
『No future』>>525-531

浩之、悲惨w 自業自得ともいうけれど。
因果律については突込みどころ満載。波動関数は発散し、収束するものです。平行世界という
解釈なら逆にこの話が成り立たなくなってしまいます。……ってそんなこと言ってもあれですね。
でも、どうせならば未来の浩之視点にして、何か行動を起こすたびに自分の境遇が悪化し、
それを改善するために再び過去に行き――というようなのも面白いのでは。
全体としては、始まりから落ちまで無難にまとめた印象。

技術:★★(表現などが多少おかしいところもあります)
構成:★★★(起承転結の転にやや欠けているかも)
設定:★★★(なかなか面白かった)
テーマ:★(うーん……旅、ねぇ。どうなんだろう)
総合:★★★(まとまってはいます。が、まとまりすぎている感も)


『ひとりふたり』>>534-539

うわ。すごい好きぽ。何となく文章にリズムがあるようです。最後がぱらっとしすぎている気も
しますが(冬弥おいてけぼり?)、これは好みの問題でしょう。うさぎの御伽噺の挿入も
いい味をだしています。ただ一つ問題があるとするならば――私がWAをやっていないことw
どうも本編に深く絡んでいそうなので、★つけはできません。残念です。
追記。
マジアンネタなんですか? どっちにしろやってない……スマソ
630感想:02/12/20 01:10 ID:I3IWTpHJ
『犬耳娘細腕奮闘記@旅情編』>>542-554

このSSの狙いは何でしょうか? ほのぼの……に下ネタはどうかと思いますし、ギャグとしては
いまいち徹しきれていない様子。それと関係してか、若干ストーリーが散逸している印象を
受けました。穿った見方をすれば、大元の話に無理やり旅というテーマをくっつけ、さらに
途中のエピソードを詰め込んだようにも。おそらく、
・トウカ登場で話がぶっとんで、ついていけなかった
・アルルゥの登場理由がさっぱり
・11レス目で場面が唐突に戻る
・結局エルルゥの旅は何の意味が?
・ヌワンギ伏線なしに登場
などが私の場合、違和感の原因になっているのでしょう。ううむ。

技術:★★★(そつがないです)
構成:★(行き当たりばったりのように思います)
設定:――(うたわれをやっていないので設定は評価不能)
テーマ:★★(題名こそ旅情編となっていますが、話のメインは違うところにあるような)
総合:★★(例えば、ハクオロの痔が最初に伏線として敷いてあれば……)


『書き置き』>>557-565

なんだこの落ちはあああぁぁぁぁっ。な、納得できん……。盛り上げるだけ盛り上げといて、
下から梯子を抜かれた感覚です。名雪だって一言ぐらい祐一に告げるでしょうに。

技術:★★★(無問題)
構成:★★(途中までは……)
設定:★(秋子さーん)
テーマ:★★(拍子抜け)
総合:★(多分に好き嫌いが入っていますが)
631感想:02/12/20 01:10 ID:I3IWTpHJ
『いつかのメリークリスマス』>>570-581

私には絶対書けないSS。しかし、幻想の列車ですか……銀河鉄道の夜を連想しました。
ちょっと違うかもしれないけど。雰囲気、というか設定は好きです。
肝心のストーリーの方は、伏線があまり消化されないまま、大団円を迎えた印象ですが。
うーん……『虚無』とか、色々想像はしてみましたが、やっぱり判りません。地の文に
ところどころ挿まれる浩之の問いかけが、そのまましこりとして残ったよう。

技術:★★(一レス目だけ三人称なのが気になりました)
構成:★★(私の読解力不足かも)
設定:★★★★(幻想的な趣向を買って)
テーマ:★★★(他の時間トラベルものに比べたらお題にまともに勝負しています)
総合:★★★(正直、作者さんの解説希望)


『生きて帰らぬ』>>584

気の毒だとは思います。……思いますが、時には出さない勇気というのも必要では
ないでしょうか。
632感想:02/12/20 01:12 ID:I3IWTpHJ
『旅立ちの季節』>>586-592

面白かった……。繰り返される書き置きが秀逸。ただ、もうちょっと引き伸ばせる感じは
したし、爆笑とまではいかなかった、というところです。上手くキャラを弄っているようなので、
さらなる飛躍に期待します。

技術:★★★(星三つと四つの間かなぁ。惜しい)
構成:★★★★(リフレインはギャグの基本だが、やはり良い)
設定:★★(シチュ以外は特に目新しいことなし)
テーマ:★★★(題名がいいね)
総合:★★★(「来栖川先輩」がなければ星四つだったかなーw)


『空を繋ぐ声』>>595-603

むむむ。うーん。どうも他の方には好評のようですが、私にはあまりヒットしませんでした。
感覚がずれているのかも。少し不安。
文章力はあると思いますが、いかんせん短すぎな気が……。配分を間違えたようにも見えます。
起承転結の転に当たる事故発生が早すぎて、世界観になじめないまま、セリオと一緒に
宇宙へ放り出されました。だから、マスターの声が聴きたいというセリオの想いにも特に
共感できなかったのでしょう。かといって、宇宙の虚無、孤独感が強いわけではなく。
SSを読んでいるというよりも、セリオの講演を聞いているような感覚でした。

技術:★★★★(何かが足りない気がします。宇宙の客観的な描写かなぁ……)
構成:★★(良く言えば落ち着いた構成。悪く言えば作者の掌の上で泳がされている)
設定:★★(いまいちついていけなかった。新天地を求めて旅する宇宙船の話自体は
       ありふれています)
テーマ:★★★★(ストーリーが旅そのもの。真っ向から挑んだ)
総合:★★★(展開に説得力がなかったのもちょっとあれだったかもしれません)
633感想:02/12/20 01:13 ID:I3IWTpHJ
以上。最優秀賞は、今回はなしの方向で。28qsa氏、カウントに入れないでください。
優秀賞は『旅立ちの季節』・『空を繋ぐ声』。
特別賞は『ひとりふたり』に。

なんだかんだで感想は皆勤賞。形式は違うけど。
次回は記念すべき第十回。作品がこれまで以上に多くなり、レベルも一段と上がることを
期待しています。
……って他人事じゃない。書けよ、自分(;´д`)
634名無しさんだよもん:02/12/20 01:33 ID:xhcTEYU4
まだ総括期間ではありませんが……
>>619
>spead…辞書で調べて見たんだが、それらしいものは見当たらない。
>speedの間違いということでいいのだろうか。

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ スペル間違えました……
 ∪  ノ  正しくは『speed』です
  ∪∪
635名無しさんだよもん:02/12/20 02:13 ID:mF24yvnY
>>620>>634
もうちょっと我慢しなさい。他の書き手だって色々言いたいことはあるのだから。

>>620はコピペミスだろうが、大体どんなセリフが抜けているか分かったから無問題。
……つーか、一言一句予想と同じだったし。
>>634はいいから作品を完成させなさい。吊るときは専用スレで。
636名無しさんだよもん:02/12/20 02:15 ID:mF24yvnY
……ってaがなぜか全角かよ。すまぬ。
俺も吊ってくるか。
637名無しさんだよもん:02/12/20 12:25 ID:SZai4ViB
>>446   蜃気楼(国崎)

なぜこれを…(w
あまりのくだらなさにサラッと読めるのが魅力かな。
でも特に何も。

>>477-481 2001年宇宙の旅(あかり)

なんかはぁはぁうるさいです。

>>516-521 You only live twice(舞)

全体的に雑な印象を受けた。
特に序盤の展開。ここはちょっと淡白すぎるんじゃないかな。
もう少し描写を入れるなりすれば、読者が物語りの中に入りこめやすいかも。
あと4レス目のお子様一人称がやや不自然。ここを敢えて三人称で書かなかったのは
面白い試みだと思うけど、やはりモノに出来てない気がする。
ベタではあれど良いアイデアなのでもっと丁寧にまとめてほしかった。
638名無しさんだよもん:02/12/20 12:27 ID:SZai4ViB
>>525-531 No future(ToHeart)

ワラタ。面白かった。(w
ストーリー的にも余分な物を一切省いてあって最後までマンネリせず読めた。
ただオチのインパクトが弱い。それによってアイデアは面白いのに最終的には
こじんまりとなった印象。
あと会話のシーンの描写で唐突過ぎる箇所が多々ある。例えば
>「その発明って、タイムマシンだろ?」
>博士はみるからに動揺した。
>「ななっ……ふ、藤田君、どうしてそのことを?」
2行目ね。確かに描写のくどさが無くてスムーズに読めるだろうけど…。
<それを聞いた〜>とかを頭に置いた方がやっぱり分かりやすいよ。

>>534-539 ひとりふたり(はるか)

元ネタがわからないので、どこまでがオリジナルかわからない。
それによって作品に深いテーマがあるのか無いのかもわからない。だからストーリー
の正しい評価が出来ない。スマソ。
でも文体は綺麗だね。とても読みやすく簡潔だ。すごく書きなれてる感じ。でも
>秋特有の、快晴に恵まれながらも涼しげな気候も後押ししてか
これ、おかしいよね。 
なんか文の順序も文字もデタラメになってる。推敲ミス?それとも俺が知らない文の作法?(w
639名無しさんだよもん:02/12/20 12:27 ID:SZai4ViB
>>541-554 犬耳娘細腕奮闘記@旅情編(うたわれるもの)

あ〜、うたわれるものもやってないわ。スマソ。
でもいくつか思い当たったことを。
まず構成が甘い。
全体的な筋のみを決めておいて、他はどうも行き当たりバッタリな印象。
ラストはオチに対する伏線が無いので、無理矢理 話がまとまった感じがする。
ギャグはまあまあ面白かった。(それがメインだろうけど)
寒いものも多々あったが。(w

>>556-565 書き置き(秋子)

うん、まあまあ面白かった。可も無く不可も無く。
構成はしっかりしてるし、オチもなかなか。上手くまとめてると思う。
祐一の焦りや不安、そして安堵の心情も充分に伝わってくる。
あと、1レス目の伏線もなかなか面白い。
実際、俺も本当に家出したんだと思ったてし。(w 

>>570-581 いつかのメリークリスマス(浩之・あかり)

文学ものには興味無し。

>>584 行きて帰らぬ(千鶴・賢二)

残念だったね。
でもこの部分だけでも割と好き。
640名無しさんだよもん:02/12/20 12:28 ID:SZai4ViB
>>586-592 旅立ちの季節(浩之)

>それは冬の朝。
>起きると、股間がもっこりとしていた。
いきなり笑った。(w
さて評価だけど、まず文体と構成が非常に綺麗。
そして散りばめられた独特の描写も魅力だね。
ギャグもまあまあ面白いし、ラストも綺麗に落としてる。


>>595-603 空を繋ぐ声(セリオ)

感動した。ただ前後の温度差が気になる。
その温度差のせいで序盤がえらく事務的な説明に感じた。
文体に説得力があるので、そんなに説明しなくても読者は理解してくれるよ。
あと、感動が主線として綴られているので作品のテーマがやや軽薄になっている。
そう、歌とセリオの心の変化と。これすらも事務的なものに思えてしまう。
まあ当然、完成度は一番だけど
641名無しさんだよもん:02/12/20 12:29 ID:SZai4ViB
というわけで
最優秀作品は『旅立ちの季節』
次点に『空を繋ぐ声』
642名無しさんだよもん:02/12/21 11:28 ID:T8eZ0Tu3
 
643名無しさんだよもん:02/12/21 21:32 ID:5mxQW5cA
>>477-481 『2001年宇宙の旅』

この作品の特徴として目を引いたのは、あかりの内面でまで(´Д`) ハァハァ
言っている手法だが、正直読みにくい。
もう一つは、どこまでも夢が続くストーリーの構造であるが、これも作品として
何らかの意味がないと、技巧倒れになってしまうのではないだろうか。
不条理として書いたのなら口の挟み様がないけれど。

>>516-521 『You only live twice』

真相は明示してないが、外堀は埋められており、読者が推測しようと思えば
比較的容易にわかる話である。ただ、Kanonをプレイしていない人間には
不親切と映り、プレイした人間には、「何をいまさら」的にとられるおそれはある。

>>525-531 『No future』

相当にぶっ飛んだ作品。まあ、どうしてキスをしようとしただけで、相手と
結婚した未来が発生するのかとか、オチが唐突とか、いろいろ批判材料は
あるが、勢いだけはある。序盤の文章は手抜き過ぎ。
644名無しさんだよもん:02/12/21 21:37 ID:5mxQW5cA
>>534-539 『ひとりふたり』

申し訳無いが、作品理解に必要な知識が無いので、コメントは控えとく。

>>541-554 『犬耳娘細腕奮闘記@旅情編』

なんて言うか、脱力した(w
面白かったけど、キャラが多すぎてやや散漫な印象。
文章は割としっかりしているので、長さはあまり気にならなかった。
ギャグの数が少ないので、もっと突き抜けたほうが良いと思う。

>>556-565 『書き置き』

基本的にワントリックで構成された話であるが、作り自体は結構丁寧に
作ってあり、まとまりは良い。欲を言えば、仮の解決やミスデレクション
などで、読者を引きずり回してくれれば、もっと面白かったかも。

>>584  『行きて帰らぬ』

原作のエピソードを使用する場合、入り込みやすいという利点がある
反面、どうやって読み手の予想を越えるかが大きな問題となる。
おそらく完成が間に合わなかったのも、必要とされるプロットの難度が
高いせいだろう。御愁傷さま(w
645 ◆28qsaJNT.c :02/12/21 23:35 ID:K1O2eqUM
【告知】

現在、葉鍵的 SS コンペスレは投稿期間を終え、感想期間に入っています。
今回投稿された作品の一覧は >>606 となっています。

目に留まった作品だけでもいいので、よろしければ感想を書き込んでください。
あなたの一言が、未来の SS 職人を育てるかもしれませんYO!
646名無しさんだよもん:02/12/21 23:37 ID:B37x32v4

エ@ズウ@ルスって血液はもちろん、口の中のだ液、男性の精子、女性の愛液、
アナルないとか人の体の粘膜に含まれるって知ってる?
セックス、アナルセックス、キス、クンニなど感染確立はゼロじゃないよ。
http://www.labora.jp/hiv/index_pc.html
http://members.goo.ne.jp/home/oraquick
647名無しさんだよもん:02/12/22 01:06 ID:/EelduyL
>>570-581 『いつかのメリークリスマス』

東鳩キャラで『銀河鉄道の夜』(いや『999』か)をやりたかったのだろうか?
難解な話なのだから、導入部は倒置を使って余計にわかりにくくする必要など
ないと思う。『杜子春』みたいに、現実−空想−現実という明快な構造にして、
空想で教訓とした事を、現実に生かして終わった方が良いと思うのだがどうか。

>>586-592 『旅立ちの季節』

お色気漫画で見かけるようなネタだが、綺麗にまとまっている。
材料がアレだが、料理の仕方はうまい、といったところかな。
家に集まった面子はクラスの連中なんだろうか。「ニイハオ」と
「ボンジョルノ」が誰なのか、謎だ。

>>595-603 『空を繋ぐ声』

このスレに出すには本格志向というか……紙幅のある、商業出版とかネット小説
だったら、細かいエピソードを挟んで設定を小出しにできるんだけどねぇ。結果的に
序盤から設定説明が連続しててちょっときつい。今回の作品中では、文章力は
卓絶しているが、ストーリー的にはやや不満。設定が話にあまり生かされて
いなかった点とか。あと、マスターにもう少し頑張ってくれれば、二人の絆の強さ
が伝わって良かった思う。
648名無しさんだよもん:02/12/22 01:09 ID:/EelduyL
今回は一作だけ推しとこう。
最優秀作は『空を繋ぐ声』ということで。
649名無しさんだよもん:02/12/22 02:10 ID:OhfhVZwU
んー……無理に推さなくてもいいんじゃない? とか言ってみる。
650名無しさんだよもん:02/12/22 06:57 ID:8oRA/Snh
総括ではないながら、一言。>649
ここはコンペスレではなかったのか?優劣をつけるために真面目に読みこんだのであって、
そのための期間わけや匿名でもあったはず。
そこに異論があるなら総括期間にて述べるべきであり、感想期間中にこの発言をして感想人
たちのあり方を惑わせるとはどういうつもりか。

もし望まれるとしても、この議論の続きは総括期間にて行いたい。その際は指名してもらえ
ば返事させていただくが、今はこれで勘弁願いたい。
651名無しさんだよもん:02/12/22 08:25 ID:llzCTmwt
できればいきなりあげで詰問口調ってのも勘弁してくれ。
何かを呼び込もうとしてるんじゃなきゃ。
652名無しさんだよもん:02/12/22 21:17 ID:MhUEiBPR
今回は感想が速いな。容量が残り少ないせいか、
クリスマスやコミケ直前に感想なんて書いてらんないからか?
653アシベ ◆yGAhoNiShI :02/12/23 05:26 ID:eI292REV
ドラゴンボールZ フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´
と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜
654アシベ ◆yGAhoNiShI :02/12/23 06:33 ID:eI292REV
ドラゴンボールZ フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´
と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜
655アシベ ◆yGAhoNiShI :02/12/23 07:30 ID:eI292REV
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                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´
と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜
656アシベ ◆yGAhoNiShI :02/12/23 08:34 ID:HUpnX5n4
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と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜
657アシベ ◆yGAhoNiShI :02/12/23 09:33 ID:oteC4KgG
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           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´
と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜
658 ◆28qsaJNT.c :02/12/23 09:38 ID:CIaxvD0d
残り容量も厳しいみたいなので、次スレを立てます。
しばしのお待ちを。
659 ◆28qsaJNT.c :02/12/23 10:19 ID:CIaxvD0d
立てますた。

葉鍵的 SS コンペスレ 6
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1040605036/l50

今回の投稿作品への感想、その他雑談などは上記のスレでお願いします。
こちらのスレは最低限のメンテのみを行うことにします。
660アシベ ◆yGAhoNiShI :02/12/23 15:17 ID:tim4r+gd
ドラゴンボールZ フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ
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と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜
661アシベ ◆yGAhoNiShI :02/12/23 15:19 ID:0qzQPh4U
ドラゴンボールZ フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l
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と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜
662アシベ ◆yGAhoNiShI :02/12/23 16:59 ID:oteC4KgG
ドラゴンボールZ フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!
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663アシベ ◆yGAhoNiShI :02/12/23 17:35 ID:tim4r+gd
ドラゴンボールZ フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!
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664名無しさんだよもん:02/12/25 11:32 ID:fTJ5KTc8
無意味に埋め立て
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次スレhttp://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1040605036/l50
665名無しさんだよもん:02/12/25 11:37 ID:fTJ5KTc8
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次スレhttp://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1040605036/l50
666名無しさんだよもん:02/12/25 11:46 ID:fTJ5KTc8
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次スレhttp://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1040605036/l50
667名無しさんだよもん:02/12/25 11:58 ID:fTJ5KTc8
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次スレhttp://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1040605036/l50
668名無しさんだよもん:02/12/25 15:48 ID:TB4uXgsw
お題:年末なので回顧

今までのコンペで、一番印象的だったのは第1回の『エーデルワイス』かなぁ。
俺はあの時、SS始めたばっかで右も左も判らなかった。
んで、今思えばどうしようもないものを書いて投稿したんだが、これを見てショックを受けたね。
以後、おそらく俺の文章にはこの作品が原点にあると思う。
第5回の時の『逃げ水と』も素晴らしかったが、これはどちらかというと目標じゃなくて理想だなぁ。
669名無しさんだよもん:02/12/25 23:19 ID:F0EJ1NBp
お題:年末なので回顧

あんなものを書いたせいなのか……
俺の本当に応援していたチームがあぁぁぁ〜〜…!!!(死涙
670名無しさんだよもん:02/12/25 23:59 ID:TB4uXgsw
J2落ちですか?w
違ったらどうしよ……
671名無しさんだよもん:02/12/26 00:11 ID:gjkYwg3j
お題:回顧

あれだな。最初企画を聞いた時は、ここまでモノになるとは思ってなかったな。
今度、発起人である28qsa氏を労っとこう。
672名無しさんだよもん:02/12/26 00:43 ID:rIdFEqHH
何度落ちたって、また上がればいいんだ!
673名無しさんだよもん:02/12/26 00:49 ID:GFFkXLYw
お題:回顧

・最萌後に暇を持て余したSS書きにとって、このスレが格好の
発表の場だった
・キャラスレのマンセー感想と異なり、様々な感想がもらえる。
・テーマと締め切りの存在が職人のやる気を喚起させた。
といったところが好評の原因なのかな、と思ったりする。
674名無しさんだよもん:02/12/26 02:08 ID:C26BAVVI
降格とか、昇格失敗とか、無念な敗退とか、とにかくそのようなことです(w

お題:回顧
28qsaさんにはほんとに今年はおつかれさまと。感想人1さんカムバック。
自分的最エロ賞は「生贄」、最文章ウマー賞は「坂を越えた向こうに」。
「うそつきドラマ」も良かった。一回一回思い出すとほんと一つ一つ書くことが
思い浮かぶなあ。……なんか前スレで埋め立てでやるのがもったいない気がしてきた。<お題:回顧
675名無しさんだよもん:02/12/26 02:20 ID:GFFkXLYw
>>674氏は某市原のサッカーSS書いた人?とか
ESPってみる。
676名無しさんだよもん:02/12/26 02:28 ID:0c+xoRLg
お題:回顧

書こう書こうと思いながら、いまだ1つしか書いてません。
自分が書くための原動力は、お題でも締切でもないようです。
というか、プロットだけは思い浮かぶけど、その先が出ないんですよね。
次は何でしたっけ? 「初」? んー、努力します。
677名無しさんだよもん:02/12/26 03:43 ID:N7WBrO1R
お題:回顧
SSを書いたり感想を書いたりしました。
時には荒らしに近いことまで書いてしまったこともあり、反省するところです。
けれど最後には萌えに回帰するのでした。あぅー。
678名無しさんだよもん:02/12/26 15:27 ID:kOveaacH
お題:回顧

数回前から参加させてもらってるが、最初の一回以外は何故か締め切りギリギリの投稿になってしまっている罠。
推敲する時間がなくなるので質も悪くなる罠。
次回こそは頑張ろう!と毎回思ってる罠。
679名無しさんだよもん:02/12/27 22:28 ID:Wpa2xAym
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680名無しさんだよもん:02/12/27 22:33 ID:Wpa2xAym
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681名無しさんだよもん:02/12/27 22:38 ID:Wpa2xAym
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683名無しさんだよもん
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