PC版Kanonの肉声化スレッド vol,2

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ナレ(祐一):北国の春は遠い。
ナレ:今日も、俺は学校の中庭に来ていた――舞と佐佑哩さんの『部活』に付き合う為だ。
ナレ:俺と舞と佐佑哩さん、三人だけの『部活動』。だけど、二人がそう言うのだから、そうなのだろう。きっと。
ナレ:俺はもういちど座り直すと、楽しそうに『部活』をする彼女たちを見ていた。

佐佑哩:「舞、行くよー。えいっ!」
ひゅ〜ん‥‥シュン、バシッ! ばさばさ‥‥。 
佐佑哩:「舞、上手い、上手い!」
舞:「‥‥簡単」
佐佑哩:「そうですかー? それじゃ、今度は一度に二つですよー。それっ!」
ひゅんひゅ〜ん‥‥シュン、バシバシッ! ばさばさ‥‥。
佐佑哩:「やっぱり舞はすごいです。全然適いません」
舞:「佐佑哩がちゃんと投げてないだけ」

ナレ:佐佑哩さんが雪玉を投げ、それを舞が枝で叩き落す。それだけの『部活』だ。さしずめ『剣道部』だろうか?
ナレ:‥‥舞はあれから剣を握ってはいない。だけど、過去が消えて無くなったわけじゃない。それも舞の一部なのだから。
ナレ:だから、今のこれも良い傾向だな、と俺は思っていた。

佐佑哩:「そうですか? よーし、今度は思いっきり投げますよ?」
ナレ:そう言う佐佑哩さんに真剣に構える舞を見て、つい悪戯心がわいた。急いで、自分も雪玉を作る。
佐佑哩:「えいっ!」
祐一:(「‥‥ていっ!」)
ひゅん!ヒュン!‥‥シュン、バシッ! ばさぁ!
ナレ:後ろから投げた俺の雪玉が、見事に佐佑哩さんの雪玉を落とした、舞の後ろ頭に直撃した。
佐佑哩:「あははーっ。舞、雪だらけです」
舞:「‥‥ずるい、祐一」
祐一:「敵は前にいるとは限らないんだ‥‥って、舞! 雪玉をそんなに作るな!」
953936:02/10/29 14:03 ID:WRzWCHz0
栞:「祐一さ〜ん‥‥」
祐一:「栞‥‥と、香里もか?」
香里:「熱心ね。相沢君」
祐一:「まぁな。‥‥で、どうしたんだ。二人揃って?」
栞:「えっと‥‥約束しましたよね。みんなでアイスを食べようって」
香里:「相沢君‥‥忘れてたわね」
祐一:「忘れてなんていない。俺はアイスを待ち望んでいたんだ」
香里:「どうだか」
祐一:「‥‥さてと、思ったより沢山あるから、栞も良いよな?‥‥それじゃ‥‥舞、佐佑哩さんも‥‥って‥‥舞?」
ナレ:舞は佐佑哩さんと『部活』に戻っていた。俺に気付いた佐佑哩さんが少しだけ悲しそうな顔を浮かべる。
祐一:「‥‥分かった。また後でな。舞」
ナレ:俺に分かったのは、もう少し時間が必要だということだけだった。

祐一:「それにしても、購買が休みなのによくこんなにアイスが買えたな」
香里:「そういえば、そうね。栞、あなたどこでそれを買ったの?」
栞:「えっと‥‥駅の近くのパン屋さんです。アイスはもうやめるから特売だよって‥‥」
ナレ:栞が、お気に入りのバニラアイスの三つ目を食べながら、嬉しそうに言った。
祐一:「おい、それって‥‥」
香里:「やっぱり‥‥サインペンで賞味期限が消してあるわ。栞、それは‥‥」
栞:「‥‥っ!」
香里:「栞‥‥大丈夫なの?」
栞:「‥‥大丈夫じゃないです‥‥」
祐一:「栞でもアイスでお腹を壊すのか‥‥」
栞:「‥‥そう言うこと言う人、嫌いですー‥‥」
954936:02/10/29 14:18 ID:WRzWCHz0
ナレ:栞が顔をしかめた。痛いのだろう。ポケットからいくつもの薬を取り出す。だが、いつのまにか来た舞がそれを遮った。
舞:「‥‥止めたほうが良い」
祐一:「どうしたんだ、舞」
舞:「薬」
祐一:「薬を飲むなって事か?」
ナレ:こくりと、舞が小さく頷く。そのまま、栞に手を差し伸べた。
栞:「えっ?」
祐一:「‥‥大丈夫だ、舞のしたいようにさせてやってくれ」
ナレ:舞が、少しの間、栞の背中に手を当てる。そして、すぐに離れた。
舞:「‥‥もう良い」
香里:「栞、気分はどう?」
栞:「お姉ちゃん‥‥えっと‥‥うん、大丈夫」

祐一:「舞」
ナレ:俺は、そのままその場から立ち去ろうする舞を呼び止めた。
舞:「何、祐一」
祐一:「舞は良いことをしたんだ‥‥だから褒めてやらないとな」
舞:「‥‥祐一」
栞:「‥‥うわぁ‥‥祐一さんに撫でてもらってます‥‥」
祐一:「舞は褒めてもらうのは嫌か?」
舞:「‥‥かなり嫌いじゃない」
佐佑哩:「舞、赤くなってますー」
 ぽかっ!
佐佑哩:「あははー、痛い、痛いですー」
ナレ:俺はそんな二人を微笑ましく見つめながら、栞が何か言いたそうにしているのに気が付いた。
955936:02/10/29 14:21 ID:WRzWCHz0
栞:「あ‥‥あの、えっと、その‥‥」
祐一:「舞、栞がお前にお礼を言いたいって」
栞:「あ‥‥はい。ありがとうございます」
香里:「そうね‥‥あたしからも言わせてもらうわ。ありがとう、川澄さん」 
ナレ:舞の照れたような顔。そして、佐佑哩さんの嬉しそうな顔。良かった、と思う。

栞:「あの、それと‥‥祐一さん?」
祐一:「何だ、栞」
栞:「私も撫でて欲しいですー」
佐佑哩:「佐佑哩もお願いしていいですか?」
祐一:「お安いご用だ」
栞:「うれしいですー」
佐佑哩「ありがとうございます、祐一さん」
香里:「栞‥‥」
栞「お姉ちゃんも祐一さんに撫でて欲しいんですか?」
香里:「栞!」

ドドドドド‥‥‥
北川:「美坂ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
香里:「北川君?」
北川:「俺に、撫でさせてくれぇぇぇぇぇ!」
 どばきぃ!
北川:「ぐわぁっ!」

香里:「全く‥‥」
全員:「あはははははは‥‥」

ナレ:ふと‥‥俺は気付いた。暖かな風と花の香。
ナレ:春はすぐそこまで来ていた。
956936:02/10/29 14:35 ID:WRzWCHz0
うPしますた。
うーむ。ナレーターが多いな。CDドラマだと結構ナレーターって入ったと思ったケド‥‥。
詳しい人のツッコミがホスィ。

しかし、良いのか? こんなド直球なSS‥‥。自己解釈入ってるし。
ダメそうならスルーしてください。泣きながらマイルドな奴をもう一回書くので。
意見、批評、質問ヨロ。修正もしまス。

編集様‥‥長くて申し訳無い。ってか手本にならネー