今朝、真琴の夢を見た
いつの間にか帰って来ていたあいつに漫画を読んでやってる夢だった
目が覚めても、何もやる気が起こらない
現実は夢より虚ろなものに思えた
結局、学校は休むことになった
心配する名雪と秋子さんにほんの少し罪悪感を覚えたが、それもすぐに感じなくなった
とにかく胸が苦しかった
食欲は全く無かったが、それでも粥を少しだけ頂いた
痛みを忘れるために目を瞑り、無理やり眠ろうとする・・・
・・・俺を呼ぶ秋子さんの声で目を覚ました
ドアを開けると、見舞いに来た天野がペコリと頭を下げた
何を話すでもなく、出されたお茶をすすり、窓の外を眺め、手持ちの本を読み、またペコリと頭を下げて帰って行った
夢より虚ろな現実には、自らの痛みを抱きながらも誰かを支えようとする一人の少女がいた
その夜、再び真琴の夢を見た
今日は天野にその話をしようと思う