1 :
名無しさんだよもん:
2
3 :
名無しさんだよもん:02/08/24 23:56 ID:m2IVnhFp
3
4 :
1:02/08/24 23:58 ID:7dMHcMXd
個人的解釈
初期仮想戦記は永遠の遁走曲篇とは違う形なので実質上の一部は
永遠の遁走曲篇という方向にしました。
その流れを汲んで各書き手さんが話しをつなげていって今に至っています。
ただ、今スレを立てて書き手さんが来るかどうかはわかりませんがとりあえず
立てました。
不要な場合は削除申請の方向でお願いいたします。
参ったなー、とりあえず1をたたきたいのは山々だが。
もしかしたら職人さんが来るかもしれない、ここは様子見だ。
△(二( ̄ ̄○
<● /  ̄ ̄
□┐
/
気が付けば夏
中尾さんと隠遁生活を送り始めてから早一ヶ月が過ぎた。
ミキハラと戦って以来、僕は健康的な日常を送り、中尾さんも
僕が見る限りは普通の生活を送っている。
そう、敵はこちらに襲い掛かって来る事は出来るが、こっちから敵を襲う事
はできない。必然として日常を過ごす事を余儀なくされるのだ。
そんな、安穏としたこの関西圏で…
原田宇陀児
朝8時頃
もう中尾さんの家で何度目覚めただろうか…正直覚えてはいない。
カーテンの無い窓からの日差しを感じ眠い目を擦る。
隣の布団に目をやると中尾さんはまだ寝ている。
そして僕はいつものように台所へ向かい、冷蔵庫を開けあり合わせのご飯を
作りにかかる。
こんな事が何度続くと、正直悪くないと思い始めてしまう自分がいる。
(もう、このまま一生を終えてもいいかもな…)
愛すべき文章と音楽に身を包み、中尾さんやその周辺と面白おかしく過ごせたらそれはトテモトテモ幸せな事だろう。
けど、それは出来ないのだ。
Leafを退職したその瞬間から…
朝食を完成させる。白米と鰹節に醤油を漬したものと、ニラレバ炒めを
テーブルに置く。中尾さんの分は……用意していない。
と、いうのも中尾さんは起こしてもすぐノンレム睡眠に入るので、僕は
一緒に朝食するのは諦めた。
「頂きます」
手を合わせ、割り箸を握り食す事にする。
と、その時
「ふわぁぁぁ」
中尾さんが珍しく起きる。
「おはよう原田さん」
「おはよう中尾さん。珍しいね、こんな早くから目覚めるなんて…いつもなら昼ぐらいまで寝てるのに…」
「たまには早く起きないとね。俺も」
「残念だけど中尾さんの分は作ってないよ。早起きするとは思わなかったから」
「ああ、それは別に構いませんよ…それよりも…」
「??」
中尾さんが手にしたモノと僕に見せる。
それは、僕の携帯電話(折りたたみ式)だった。
「原田さん」
「ん?」
「ここん所、携帯触ってました?」
「いや、…全然」
「でしょうね…」
「僕の携帯に何か異変でもあったのかい?」
「そうですね。着信が20件ぐらいありますよ、はい」
そういうと中尾さんは僕の携帯を手渡し、着信履歴を見る。
遡る
・
・
・
おやびん(一一)から一件と数件のワンギリと呼ばれる不自然な番号、そして
それ以外は殆ど陣内からの電話だった。
(陣内か…)
今年の一月以降会っていない。何より今は新大阪にいる。
電話しようかどうしようか。
「うーん」
数分悩んだあげく、放置していたという罪悪感もあったので電話を掛ける事にする。
「ちょっと中尾さん電話掛けてくるね」
「了解」
そういうと僕はドアを開け少し底に出る。
そして電話をかける。
Prrrr
Prrrr
Prrrr
ガチャ
「やあ陣内」
プツッ
ツーツーツー
電話は切れた。
「あの野郎、僕と解って一瞬で切りやがった…なんて奴だ」
まあ、良くあることだ。もう一度掛け直す。
Prrrr
ガチャ
「おい、いきなり切ることは無いじゃないか」
『黙れ!お前俺が何度お前に電話掛けたか理解しての狼藉なんだろうな?』
陣内は怒っているようだ。まあいつもの事なので気にせずに
「12回だね。すまないな、ここ数週間携帯の存在を忘れていたよ」
『んな事だろうと思った』
「で、一体何の用だい?陣内がここまで電話を掛けてくる事なんて滅多
にない出来事だからね。」
僕が問うと陣内は
『あのなー、お前…今家にはいねーのか?』
「うん」
『だろーな。また何かしでかしたか?』
「それはどう言う事だい?」
『えっとな、お前が電話に出ないから俺と閂でお前ん家に行ったんだ』
「うん…で?」
『まあいつものように空いてたからお前がいるんだろうと勝手に想定して
上がろうとしたんだ。そしたらよ泥棒がいたんだよなこれが』
「それはご苦労な事で…で、どんな奴?」
『[コナミ]っていう名の泥棒がな』
「………」
瞬間、コナミと言う単語を聞いて僕の脳は空白になった。
どうやら、コナミはいよいよと言うべきか待っていたと言うべきか…僕の家路
まで手を出してきたようだ。
まあ、あらかた僕の家を物色して、何か情報(又はLeafの頃の資料)でも
入手したかったのだろう……生憎僕は新大阪にいるけど。
それはそれとして
『おい!おい原田!聞いてるか?』
「ん?ああ聞いてるよ。しかし陣内も災難だったな。で、そいつをどうしたんだい?」
『軽く倒した。ただ、俺より先に閂が手だしたけどあいつ軽く投げられて打ち
所がちょっと悪かったか軽い全身打撲だ』
「全身打撲は軽く無いがな。それで…閂君の容態は?」
『ちょっと寝てりゃ痛みを引くだろうから当分の間は俺ん家で養生してもらう
ことにした』
陣内らしい判断だ。どうせついでにコミケの原稿でも描いて貰う算段でも
してるだろうけどね。
「で、その僕の家に侵入した泥棒は一体どんな奴だい?」
『あー。まあ、お前に説明しても理解してくれるかどうか解らんが…』
「とりあえず聞かないと判断もできないけどね」
『そうだな、まあ簡単にいうとだな、[ときめきメモリアル]のキャラの
コスプレって言うにはあまりにも変だから…真似した奴が泥棒の正体だ』
「・・・・・・」
なんとも言いようの無い気分に僕は頭を抑えた。
『ああ、言っとくけど嘘は言ってないぞ!俺。つーか前に俺達一回出会ってるじゃねーか。カタギリだっけな…確か?』
「いや、信じるよ。ちなみに聞くけどそいつはどんな姿をしていたんだい?」
『ああ、舘林だったかな。ほら黄緑色の頭した…』
「そうか…」
『やっとあの世界から離れて平穏な同人ライクなエロとタナトスどっぷり
ヒャッホーイ!なワールドでウハウハしようかと思ったのによ…』
妙なハイテンションを無視して
「ま、それは良いとして…で、その舘林まがいの泥棒を倒した陣内ちからは
そいつをどう処分したんだ…国家権力の犬にでも引き渡したか…それとも
隠密に処分でもしたかい?」
『いや、微妙に救急車で放置プレイだ』
「本当に微妙だな、それ」
『マジで放置したら厄介だしな』
…いや、厄介とかそういうレヴェルの問題ではないが…
『それよりよー、お前いま何処にいるんだよ。全然家に帰ってねーだろ』
「うん」
『何処にいるんだよ?とりあえず会って話がしたい』
「言ったら来てくれるかい?」
『日本にいるのならな。つーか海外じゃ携帯は繋がらんか…』
「そうか…」
とりあえず、素直に
「じゃあ今からすぐ新大阪に向かいたまえ」
『……』
「……」
『……』
「……」
『ハァ?』
気の抜けた声が耳元に届いた。
『おい待て待て!つーか何で新大阪なんだよ。またLeafにでも再入社でも
したのか?』
「それは陣内らしくない冗談だ、違うよ。まあ訳ありでね…」
『お前の訳ありってーのは随分深い理由があるからなぁ。うーん』
電話越しで考え込んでいる陣内の姿が容易に想像できる。
暫くうなった挙句…
『とりあえずこれだけは明確にしておきたい』
「何だい?」
『コナミ絡みなのか?それともLeaf絡みなのか?どっちだ』
「両方」
『…………』
「どうする?」
『お前だけにトラブルを担ぎこませるほど俺も無神経じゃないんでな…
解った。今すぐって訳にはいかねぇが準備できたら向かう事にする』
「うん…」
『まあ、詳しい話はそっちでたっぷりそっちで聞かせて貰うとしよう』
「ああ、嫌と言うほど聞かせてあげるよ」
『んじゃ、新大阪に着いたら連絡する。時間は何時ぐらいが適当だ?』
「まあ早朝とか深夜じゃなければいつでも応対するよ。あと…僕が携帯に
気付いていればね」
『それが一番心配だな』
「大丈夫だ、できるだけ気に掛けるようにするから安心していつでも来たまえ」
『おう。じゃそういうことでよろしく』
「了解だ」
『ならその日まで…生きてろよ。じゃ』
陣内はそういい残すと携帯を切った。
「生きてろよ……か」
正直、最後の言葉は嬉しかった。まだ、僕にも居場所があるんだなと…
そして、まだ『友』と呼べる人間が居る事を…
だから、今はまだ安穏としたこの日常を満喫しよう。
愛すべき書物と音楽と胸に
戦場に降り立つその日まで。
16 :
R:02/08/25 12:25 ID:O5Kuh3TD
一言
「立てば載せる…それだけです」
誰か東京組執筆キボンヌ
すまんが俺には実力が無い
実力よりメンテ
東京組も波乱があったからね
読みたいすね
祝復活メンテ。
mente
23 :
名無しさんだよもん:02/08/31 17:11 ID:BhryY27L
うおぉぉぉぉぉぉ!!復活している。
しばらくDAT落ちして来なかったけど、久しぶりに検索かけたらあったよぉぉぉぉ
ありがとう。1さん。そしてありがとう書き手さん・・・
言うわけであげー
保全
25 :
老行:02/09/01 19:50 ID:Qqz8iAve
Leaf社屋
「やはり、原田には頼るべきではなかったのじゃろうか…」
自分のパソコンの前に一一(にのまえはじめ)は低い口調で呟く。
ときめき12衆との接触以降、特に変わらず一は忙しい日々を送っていた。
PEACEのサポート対応や、次回作品のプログラミングに追われてコナミの事に頭を回せないほどに…。
隙を見て、一度は原田に電話をしてみたものの、原田は出なかった。
だが、その一度は大きく、一は苦悩していた。
(やはり、辞めた人間などに頼るべきではないという事じゃろうか…)
深く頭を抱え、言葉少なく漏らす。
「どうすればいいんだ…」
26 :
老行:02/09/01 19:53 ID:Qqz8iAve
一は思う。
(今頃になって原田の奴はどうしてこっちにいたのじゃろうか?いや、まあ
それは色々な理由があるだろうし、あやつの様な人間は特に心中が伺えない。
じゃが問題はコナミの奴らじゃ。遂にというべきか、どうやらなりふり構わず
実力行使に出てきおったわい。あの時はワシと原田でなんとか出来たが、他の
奴らなら出来だろうか?例えばカワタ(ら〜YOU)とか…)
・
・
・
(いや、無理じゃろうな)
パソコンの隣に置いてある飲みかけのポカリスエットを取り喉に流し込む。
その時だった。
(!!待てよ。ワシは人を頼るどうこう以前の問題として何か忘れていた事
がある筈だ…そう…)
一は机の引き出しを開け、数枚に綴られたレポートノートを取り出す。
そこにはこう書かれていた。
【Leaf&Key共闘フローチャート】
と
27 :
老行:02/09/01 19:54 ID:Qqz8iAve
(そういえば、この存在も仕事に追われていて気がつかなんだなぁ)
かつてこのレポートは一度、米村に持ち去られていた経緯がある。この内容を
知っている人間は後にも先にも辞めた米村だけである。
(あやつは元気じゃろうか?今頃なにをして過ごしてるのか…)
少し感慨に耽る一
「い、いや今はそういうことを考えている場合じゃなかろうて」
一はノートに目を通す。
そこにはきめ細かいプログラマーとしてのフロー(流れ)がつらつらと書き込まれていた。
しかし書いた時より時間を置いて見てみるとどれも現実的な方法論が載っていなかった。なによりもこの計画の軸に【LeafとKeyが手を結ぶ】という
前提で物事を書いていた。勿論今現在もそのメドは経っていない。
一は
(こうなったら、ワシが直接Keyへ出向き話をつけるかのぅ…)
その眼差しは真剣そのものだった。
28 :
老行:02/09/01 19:55 ID:Qqz8iAve
うじうじと机上で理論ろならべるより、直接行動を起こして話をつけた方が
むしろ手っ取り早いと一は考えた。
(しかし、突然訪問して大丈夫じゃろうか…いや、むしろ突然でなければあちらさんは会ってはくれなかろうて…仮にも同業でしかも商売敵じゃからな…)
「よし!」
バンと机を叩き、一は身支度を整え部屋を出ようとする。
そのとき、近くにいたみゃくさまさかずが声を掛ける。
「おやびん。お出掛けですか?」
「ああ、ちと出掛けてくる。みゃくさ!なにかあったらお前さんが対応して
おいてくれぬか?」
「上司に言われたら断れないでしょう」
素っ気無く言い放つみゃくさ。
「うむ。じゃ、ちと出掛けてくるわい」
そういうと一は部屋を出る。行く先を教えずに…
だが向う先は決まっていた。
『ビジュアルアーツ』
と
To be Continued
29 :
R:02/09/01 19:59 ID:Qqz8iAve
一言
「週に一度でよろしければ・・・」
30 :
初代スレの1:02/09/01 20:29 ID:4ki54rBL
まだやってたんだ……
がんがれR氏。
>初代1氏
わお、お久しぶり。せっかくなのでなんか書いてくださいw。
初代?
ついに現れたか。
あれから紆余曲折とありながらも続いてますよ。
35 :
名無しさんだよもん:02/09/05 00:16 ID:JfHljg75
保全あげー
36 :
名無しさんだよもん:02/09/06 20:46 ID:FM31M5f1
アニメ風に声優あてたら原田とかの配役とかどうなるんだろうな?
保守
38 :
名無しさんだよもん:02/09/08 23:14 ID:yypLwW7Q
ageですの☆
保守
40 :
1:02/09/09 15:05 ID:yntkjOEc
36氏へ>
脳内設定・・・Leaf編 (新旧問わず)
下川直哉=玄田哲章
中上和英=保志総一郎
DOZA=岩田光央
青村早紀=佐々木望
一一 =清川元夢
高橋龍也=堀内賢雄
水無月徹=若本規夫
原田宇陀児=速水奨
中尾隆裕 =田中秀幸
陣内ちから=櫻井孝宏
閂 夜明 =結城比呂
みつみ美里=川村万梨阿
甘露 樹 =辻谷耕史
なかむらたけし=中原茂
41 :
1:02/09/09 15:16 ID:yntkjOEc
Key編
久弥直樹=緑川 光
麻枝 准=三木眞一郎
折戸伸治=子安武人
涼元悠一=一条和也
樋上いたる=長沢美樹
しのり〜 =鶴ひろみ
みらくる☆みきぽん=大谷育江
馬場隆博=青野 武
最近話がすすまないのでネタとして・・・
いくらなんでも美化しすぎっしょ。久弥の顔から国崎最高の声がでると思うと
もはやかっこいいうんぬんではないギャグアニメだ。
うだるんから速水奨の声が出てくるほうが凄いって(w
44 :
陣内来阪:02/09/10 14:36 ID:CIStzhVB
JR新大阪駅
PM 14:30
改札口前で僕は待つ。
人の行き交いが激しい駅で悠然と立ち、僕は葉巻を咥える。
こっちで買ったヴェルサーチのスーツを着込み、ただ改札口から出てくる人を
待つ。
そんな、小粋な身のこなしと共に…
原田宇陀児
45 :
陣内来阪:02/09/10 14:36 ID:CIStzhVB
昨日だっただろうか、陣内から電話があった。
『明日の午後2時半くらいにそっちに着く予定だから改札口で待っていてく
れるとありがたい』
と、言って連絡してきた。
しかし、物事の待ち合わせというものはアレだ。待たしている人間にとっては
5分も10分も変わらないが待たされている人間はその短い時間ですら『遅い』
と感じてしまう。
まあ、ひとえに待たす<待つと言うヒラエルキィが生じているからだろうが…
左手にあるグッチの腕時計を見る。
14:40
10分が経過している。
とは言っても、時間ピッタリに来るとは思ってはいない。
だって陣内だし…
その一言でカタがつく。僕との間柄だとそんなもんだ。
もう一度改札口に目をやる。
そこに、不自然なくらいに目立つ麦藁帽子を被った男がいた。
切符を入れ改札口を出る。そのまま僕を見つけたのか直進する。
「よぉ」
その台詞はこれからの出来事を考えると軽かった。
46 :
陣内来阪:02/09/10 14:37 ID:CIStzhVB
「やぁ陣内。ようこそ新大阪へ」
数ヶ月ぶりの再会…とは言うものの、特別な感傷はない。それまでお互い顔を合わす回数は数限りないくらいあったのだ。別段数ヶ月会っていないというだけで、精々新鮮味がある程度だ。
「また、こっちに来るとは思わなかったぜ。お前と言うオプション付きでな」
「酷い言われようだ…まあ立ち話もなんだから、僕の棲家に行かないか?
陣内が飯を食いたなら話は別だが…」
「別に…腹は減っていない」
「ならジュースでも買って行くか」
「勿論、お前の奢りだろ。ん?」
「陣内、持ち合わせは?」
「あ、俺現金あまり持ち歩かない主義だから切符代に金使って0に近い」
「0に近いとはどういう表現だ?把握ぐらいしろ」
「ん?まあ平等院鳳凰堂らしき物体が4枚だな」
大の大人が持ち歩く金額じゃないな…とはいうものの、かつて伊丹在住時代に
僕も似たような……いや同質の経験をしているので文句は言えない。
「わかった。全部俺が持とう」
「ありがてぇ」
話に結論が出たので僕達は直行で中尾さんの家行く事にした。
陣内には伝えないで…
そして、中尾さんと陣内の接触が戦いを加速させる事になると…
47 :
R:02/09/10 14:49 ID:CIStzhVB
一週間といっておきながら遅れる・・・
1さんや見てくれている方に申し訳ない。
「すいません」
あと、東京開発室の話は…暇があればしたいですが、俺が書いてもいいのですか?
(今進めているのとは別次元で)
さて、通称六十日ルールが採用されちゃったりすると、ここも大変な事になりそうなわけなんだが。
詳しくは今日の出来事スレ参照。
メンテsage
>>48 一週間ペースで…
9話も載らないですね。
51 :
名無しさんだよもん:02/09/12 12:07 ID:BwBo6RdC
150日でも21話。
活性化を願って話題でも振るか。
新シリーズが始まったわけだが、期待することとかある?
51>>
特には今のところないと思われ。
Keyサイドはもう、前に一応完結の様相を呈しているし
Leafサイドはのらりくらりだが、話の流れをみるとそろそろコナミ編も
佳境を迎えそうだ。
なんにせよ、いまここでの書き手がR氏しかいないのは寂しい話だ。
40
>>41>>
声優板の人か?かなりマニアックだぞ。(知っている自分もなんだが)
俺の中では、だーはら=石田彰なんだが・・・どうでもいいかこんな話。
下川直哉:千葉繁
高橋龍也:藤原啓治
中尾佳祐:森川智之
樋上いたる:雪乃五月
しのり〜:浅川悠
みきぽん:川上とも子
麻枝准:小野坂昌也
久弥直樹:神谷浩史
涼元悠一:石田彰
吉沢務:飛田展男
決まった職人が、筋を立てて書くようになって質は上がったんだが…
昔のゴチャゴチャしたリレー小説の頃の方が好きだったな。バンバン人死んでたりw
期待するところと言えば、R氏の完走だが、
正直、さゆりんサーガ編のエピローグもみたい。
56 :
名無しさんだよもん:02/09/13 09:22 ID:990Y98ET
>54
ま、確かにアレも面白いんだが、アレの行き着く先は黒歴史だしなあ…
俺は今の方が好きかな。R氏がんがってください。
ageちゃった。(´・ω・`)ショボーン
ageても荒れなきゃまぁ、OK!
ドンマイ! ドンマイ!
>>56
59 :
名無しさんだよもん:02/09/13 23:29 ID:DrfVo+Ng
53>>
みきぽんがウテナなんて・・・
58>>
あんまりここって荒れる事って無いですね〜
なんとなくある種の敷居の高さをこのスレだけ感じているのは漏れだけ?
うむ、確かに敷居は高そうだが
だがそれもいい
そして時は動き出す…
ほしゅ
64 :
名無しさんだよもん:02/09/16 22:04 ID:tl1eA/eI
書き手がんばれ
あげ
こないな。
66 :
名無しさんだよもん:02/09/17 21:12 ID:zvudyrfP
>>65 お前の感じている感情は…(以下略)
結論:ここは気長に待つスレッドだから書き手が一週間が書くといっても
伸びることはある。気にするな。
俺は初代の、あのスタッフ感のギスギスした感じがよかったぞ。
68 :
老行A:02/09/18 20:28 ID:hMY85t0r
大阪・天満ビジュアルアーツ社長室
だだっ広い部屋
敷き詰めた高級絨毯
幅のある桐机
フワフワのソファ
そこに、独りの男がいた。
男の名は馬場隆博、18禁ゲームブランドの数々を束ねる会社
『ビジュアルーアーツ』の社長である。
69 :
老行A:02/09/18 20:30 ID:hMY85t0r
馬場は漆黒に塗り固められた椅子に深く腰を掛け、足をくみ煙草をふかす。
「まあ、今日もそれなりに平穏な日やったのぉ」
そう呟き、各ブランドの開発状況のしらせる報告書を舐めるように見る。
これは馬場にとって日課であり、この会社の経営の機軸作業でもあった。
「あいかわらずメビウスん所は動きないのぉ…あいつらは何してんねや」
そんな愚痴をこぼすのが彼の日々の作業であり『仕事』であった。
そして、その日常が少しだけ変化をもたらす出来事がこれから起こるとは
彼自身も予想できなかった。
Prrrr
机に無造作においてある社内インターホンが鳴る。
「ワシや、どうした?」
『突然申し訳ありません』
機会越しに窓口担当の女性の声が響く
「突発的な出来事がなかったら会社なんていくらでも幾何学的に儲かるわ…
で、なんや」
『はい、社長に突然お会いしたいという方がいらっしゃいまして…それで…』
対応に困っていると言う口調で女性は馬場に伝える
「また、どっかの頭イカれたオタとかじゃないだろうな?そんなんやったら
不在やと伝えろ!」
『いえ、それが……アクラプラスの方で…』
(アクラプラス?リーフやん。うちに何の用件があるねや…)
『それで、如何いたしましょうか?』
「名前は聞いとんか?」
『はい。アクアプラス開発部長・一一(にのまえはじめ)さんとおっしゃい
ました。ロビーでお待たせしていますが…』
「にのまえ…」
馬場はその名前に少し戸惑った。
70 :
老行A:02/09/18 20:30 ID:hMY85t0r
(にのまえ?Leafの中でも良識派と噂される堅実人間のおでましか…
やけど唐突にワシに会いたいとのた打ち回るのは愚直というべきやろうか。
まあ、なんにせよ敵対しているライバル企業…?ふん!ハッハァーおかしい
なぁ。うちは大小あわせて30以上ものブランドがあるというのに…)
『社長?』
「あーわかったわかった。んな連れて来てくれ。話だけは聞こう」
『かしこまりました』
通信は切れると馬場は胸元のポケットから適当な銘柄の煙草を取り出し、
火をつけて、煙を吸い込みそして吐く。
「さぁて、どないな話になるか楽しみやのぉ…」
しばらくして…
コンコン
ドアをノックする音が馬場の耳に響く。
「入れ」
ガチャ
ドアが開くと女性と顎鬚逞しい初老じみた男が姿を現した。
71 :
老行A:02/09/18 20:32 ID:hMY85t0r
「失礼致します。にのまえさんをお連れしました」
「ああ、んな下がってくれ」
「はい。では、にのまえ様ごゆっくり」
「すまんのぅ。案内してもらって」
「仕事ですから」
一は丁寧に礼を述べると女性はすぐにその場を立ち去っていった。
そして一は視線を女性から漆黒に塗り固められた椅子で煙草を咥える
馬場を見つめる。
馬場も一の一挙手一投足に目を向ける…
「………」
「………」
女性がいたときとは全く雰囲気の違う空間 ピンと張り詰めた空気が二人の間に漂う。
一は直立不動で馬場を見据え、馬場は一を傲慢不遜な態度で見据える。
決して睨むでもなく、ただお互いの顔を・姿を・形を見る。
まるで己の器量を測るかの用に…
まだ言葉はない。いやお互いに言葉が無いのではなく、慎重に言葉を選んでいるとも言えた。
馬場は
(こいつが一一か…なんちゅーか。只のジーさんやんけ…と括りたかったけど
んなことあらへん。えらい豪傑漢漂う奴やないか…姿勢・目つき・風貌とこの
業界にしては珍しいタイプやのぉ)
一は
(この男がビジュアルアーツの社長・なるほど、情に薄く徹底した合理主義に
よる経営で財を成した男か…そのへんの社長とはたしかに一味違う雰囲気をもっておるわい。TGLに居た頃の馬鹿経営陣とは桁違いじゃな)
お互いに分析した時に馬場が先に話掛けた。
「ビジュアルアーツへようこそ、ワシが社長の馬場や。挨拶はいらんぞ」
こうして、馬場隆博と一一の葉鍵会談は幕を開けた。
72 :
老行A:02/09/18 20:33 ID:hMY85t0r
「まあ、そんなつったっとらんと座ったらどや」
「それじゃ失礼して…」
一は馬場に勧められ応接用のソファに座る。
馬場も椅子から立ち上がり一の目の前のソファに腰を下ろす。
そして
「Leafから誰か乗り込んできたゆーから誰やと聞いてみれば縁の下で支えるプログラマーの一一とは、どういう用件で来たか率直に聞こうか?こう見えてもワシは化かしあいは苦手でな…ガッハッハ」
豪快に笑う馬場、一は顔色変えずに
「馬場社長、突然の訪問、平に…」
「だからそういう堅苦しい礼儀は抜きや。用件だけ言うたらええねんわかるな
一の」
その声はさっきまどトーンとは違い、少しドスの聞いた声質に変わっていた。
しかし一は特に気にする事も無く
「ではいきなりじゃが本題に入らせてもう」
「おう」
「ワシが来たのは簡単な事じゃて…馬場社長のブランドのKey、ワシがいるLeafとどのようなご関係かは知っておいでで?」
馬場は一の質問に
「どないもこないもあらへんがな」
「ふむ」
「敵やん。ライバル会社とかそないな次元とは違ってな…」
73 :
老行A:02/09/18 20:34 ID:hMY85t0r
一は顎鬚をいじりながら
「ほほう、敵…ですか」
「そや…ってオイ!話が脱線しとるぞ。一の、そのLeafとKeyをどうしたいのかという話をワシに言いたいんとちゃうんか?」
不遜な態度をまったく気にすることなく一は
「そうですな。いきなり過程を飛ばして結論から言うと」
「……何や?」
「そういう敵とか云々の話は無しにして来るべき本当の【敵】に向けて
協力しないかと…」
「……聞こえんかった。ワシ耳がわるうてな」
「LeafとKeyが手を結べないかと言いに来たのです。言わば共闘ですな」
馬場の脳裏には?マークで覆われた。
74 :
老行A:02/09/18 20:36 ID:hMY85t0r
「あんな。まあたしかに過程が飛んどるから意味が解らんのは確かやねんけど…自分、頭正気か?何でLeafとKeyが手を組まなあかんねん?
理由は?組む意味は?んで何のためにや?」
一気にまくし立てる馬場
一はそれを丁寧に
「では順序だててお話しましょう。まず理由ですが、最近コナミがワシらの
業界を狙っているのはご存知だと思いますが…」
「知っとる。アレやろスポーツ業界を制覇した次は18禁やというのはよー
聞く話や」
「ならこれ以上言葉を付け加える必要な無いでしょう。理由はコナミの圧迫
からによる共同戦線です」
「…ん。反論は後にする。で意味は?」
「知っての通り、我がリーフ(アクアプラス)とKey(ビジュアルアーツ)はこの業界でも大手です。この二つが組んだと言う情報だけでも流れれば
経営的にもコナミに参入するのには手をこまねくと思います。意味はそれです」
「……最後に、それは何のためにや?」
「この業界を護るためと言えば…?」
一は一通り述べると馬場は
「ハッハッハ!これはこれは一一とはどないな人物かとおもったが…とんだ浅知恵やのー。臍で茶が沸かせそうやわ」
75 :
老行A:02/09/18 20:37 ID:hMY85t0r
「ほほう」
表情を崩す事なく聞く一
「まずな、KeyとLeafが手を組むやけどな、そんなんでせんでもウチは
30以上のブランドがあるんじゃ!Leaf一つが手を組んだいうたかてなんら変わらん。人はそれを焼け石に水と言うねん。次にそんな情報が流れたって
言うただけであのコナミが怯む訳がない。そういう経済戦争はワシにとっては
むしろ望む所じゃ!たかだか普通のゲーム会社が乗り込んできて所で返り討ち
にしてやるわ。んで何や?この業界を護るぅ?大層な台詞やわ。ただのプログ
ラマーでは吐けんわ!」
「……」
一気に馬場が反論すると一は不敵な笑みを浮かべ
「ふぅーむ。では馬場社長はコナミが乗り込んできた時はビジュアルアーツが
一丸となってコナミに対抗できる…と仰りたいですな」
「そや」
「なかなか、ワシもビジュアルアーツの首領(ドン)がこれほどのうつけだと
は…」
「あん?どういう事やねん」
「じゃ、率直に伺いますが、馬場社長はいきなり全てのブランドを統一して
ゲームを作れると…お考えですかな?」
「簡単な事や。優秀な人材と優秀な営業マンがくっつけばすぐにでも売れるわ」
馬場は自身を持って言うと
「やはり、解っておりませんな」
一の反論がここから始まった。
76 :
老行A:02/09/18 20:37 ID:hMY85t0r
「ゲーム開発のワシから言わせてもらえば、優秀な人間だけ集めたからと言って、凄い面白くて売れるゲームなぞ売れる訳はありません。馬場社長はそこに
何が欠けているか理解できませんか?」
「なにがいな?何もかけてへんやん、選りすぐりの集団が一丸となれば…」
「一丸…と仰いましたな。では一丸となるに必要な要素は何かを」
「そんなもんはココに決まっとるがな」
馬場は指で頭を指し示す。
「違います」
「んじゃ何や?まさか愛とかぬかすんやったら…パチキかますぞ」
もはや来客の対応とは思えない態度を取る馬場
しかし一は一向に怯まずに淡々を答える。
「それは、信頼です」
77 :
老行A:02/09/18 20:38 ID:hMY85t0r
「信頼ぃ?」
「左様。馬場社長はさっきビジュアルアーツが一丸となればと仰いましたが
確かビジュアルアーツは各ブランドを別会社にして販売提携を結ぶという形を
とっておいでだとお聞きしましたが…」
「ぬっ」
馬場が少し身を引く
「それはつまり、縦の繋がりとしてはおありかと思いますが…横のつながりは
無い。例えば『裸足少女』と『クラフトワーク』が繋がりも持っているかと
言えばそれは無い。あるのは母体がビジュアルアーツであるという事実だけで
はないでしょうか?」
「……」
「そんな状態で『はい今日から一緒になることになりました。いいものを
つくりましょうね』と言って突然出来るわけはない。精々不協和音を生み出し
事故崩壊を起こすだけに過ぎないと…特に天才同士ならその己の感性を頼りに
してしまうがちで対立すら起こるとワシは思うのですがな…」
「……」
「まあ、これは自分の場所がそうだったからこそ、言えるので馬場社長が
そうでないと言い張れるのでしたら、ワシも何もいいますまい」
「そうか…信頼かぁ」
「はい」
「お前ん所も、それが理由か?」
「一端の要因としては…」
「そうか…」
馬場はそういうと反論することなくスッと立ち上がる。
78 :
老行A:02/09/18 20:39 ID:hMY85t0r
立ち上がるなり馬場はこう呟く
「とりあえず、返答をせなあかんな」
「はい」
「答えはNOや」
「!!」
初めて表情をク崩す一
「まあまて、まだ続きがあるんじゃ。知っての通りやけど、お前ん所から
中尾雇ってんがコナミ命令でウチに来たっていえばわかるか?」
「……ま、まさか」
「残念やけど、コナミは手早いで、まあビジュアルアーツも松下グループ
の一つやねん。まあ、ワシも上から色々あってコナミにはいわれとんや…」
「そ、それはつまり」
「もう、ビジュアルアーツはコナミの手先や…と言いたい所やけどそんなもん
ワシかてそれでええ訳あらへん。とっととこの呪縛をかんとかしたいと思って
る。でもそれを大仰に情報公開するような真似はできへんねん。だから、
LeafとKeyが組むなんて事は出来へん…が、しかしや」
「??」
「影ながらやけど、ワシ自身がLeafを援護する事は出来る」
その時の馬場の目は商売人としての目ではなく社員を思う一人の男の
優しい目だった。
79 :
老行A:02/09/18 20:40 ID:hMY85t0r
「コナミの手先な分だけあってあっちの情報は結構簡単に手に入る。今の
所まだビジュアルノベルの版権問題があるせいか乗り込む気はないようや。
でも、お前らLeafが手離すとか抜かしたらそれは一気に瓦解するやろうな」
「…」
「まあ、あいつらはどんな手段も厭わない、それは合理主義とかそんな次元の
問題じゃない。ただの金の亡者や!」
「馬場社長はそうでないと見受けられます」
「おだててもKeyの人間に戦争はさせられんで」
「判っております。ではこちらに情報提供してくれると言う事ですな?」
「Leafにやない。お前にな」
「…え?」
「その判断。下川が考えたとは思えん。考えたとするなら古参のお前か中上
和英やけど、音楽マンがそういう所まで思考が及ぶとは思えん。と、なると
プログラマーのお前が独断でウチに乗り込んできたと言う事ぐらい想像つく」
「……」
「どうせ、下川には内緒なんやろ?この事」
「ええ」
「正直やな」
「売りですからな」
「でも、それは経営にはむかんタイプや?手の内がすぐわかってまう。交渉に
は不向きのタイプや」
「でしょうな」
「でも、そういう人間。ワシは嫌いじゃない。そういう泥臭いような活動する人間は好意が持てる」
「ありがとうございます。先ほどはうつけと…申し訳ありませんでした」
「気にすんな。とりあえずこれからどうなるかは知らんがコナミになんらかの
アクションは起こすつもりやろ?最悪影でドンパチするような…」
「そうなるでしょうな」
「んなまずはこれを…」
そういうと馬場は一枚の名詞を渡した。
80 :
老行A:02/09/18 20:44 ID:hMY85t0r
「俺の名詞や、携帯番号が書いてある。何か情報が入り次第暇があれば
伝えるわ」
「では、こちらのメールアドレスと携帯です」
一も馬場に自分の名詞を手渡す。
「とりあえず、何かそちらから欲しい情報はあるんか?」
馬場はそう尋ねると一は
「とりあえず、影で暗躍する集団の把握と位置の所在を…」
「わかった」
馬場はそういうと一は立ち上がり
「では、長居してしまいましたな。突然の訪問…」
「それはええねんて。次会うときは…こういう話はしたくないもんやな」
「そうですな」
一は馬場を見据え
「お互い握手は無しで行きましょう。その時は全てが精算された時に」
「そやな」
「では、失礼します」
そういうと一は深く頭を下げ、部屋を後にした。
「………」
馬場はドアをずっと見つめそして思う。
「敵がリーフなんかとちゃうわ。ワシ今までなに勘違いしとったんやろなぁ」
こうして、一一と馬場隆博の葉鍵会談は幕を閉じた。
To be Continued
81 :
R:02/09/18 20:49 ID:hMY85t0r
一言
「うん…俺頑張るよ。途中でブルーなって投げ出しそうになるときもあるけど最後までやるよ」
近況:10月5・6日コミックレボリューションに行くので載せれないと思います。
「すいません」(最近現実生活でもこれ口癖……)
82 :
名無しさんだよもん:02/09/20 03:18 ID:3l47bKCX
うわっ。職人キター。名作キター。
そして名すれ復活おめー。
一気に読ませてもらいました。原田さんの展開とか、にのまえさんの行動とか、
久しぶりにいいものを読んだ気がします。
というわけで、今後も楽しみにさせてもらいます。
めんてsage
Rさん、無理をなさらずに…。
暖めましょう
そうしましょう
めんて
メンテ。
めんテ
それだ
mente
メンテ!DEATHの★
原田さんが「いい人を連れて来てあげるよ」と言って新大阪駅へ向かった。
俺はその間にインターネットを使い、コナミの情報をかき集めていた。
その作業の途中に、原田さんは帰ってきた。
「帰ってきたよ」
「おかえりなさい原田さん」
声に反応するが体を向けることなく対応する。
「お土産だよ」
「へー何ですか?」
スッと、体をひねりドアに目をやると、麦藁帽子を被った…あいつがいた。
「いよぉ!」
願わくば、これが夢であることを願って…
中尾佳祐
「じ、陣内さん!」
突然というか予想外の出来事とでもいうべきだろうか、俺は驚きよりも喪失と
いう感覚に襲われた。目の前にいたのは原田さんと陣内さんだった。
「……は、原田さん。これはどういうことです?」
俺の問いに特に何事もなかったかのように原田さんは冷蔵庫を開け、コップ
に麦茶を注ぐ。
「だから言ったじゃないか、お土産だって」
「………」
言葉が出ない。頭が真っ白とでもいうべきであろうか。どうも原田さんが絡
むと事態は往々にしてはちゃめちゃに、そして泥沼の様相を呈して行くのでは
ないかと思ってしまわずにはいられない。
それは、予期せぬ事であった。
そんな俺と原田さんのやりとりを尻目に陣内さんも飄々とした口調で軽く
「話は原田から聞いた。つーか俺もかなり被害者なんでね。コナミを戦うって
言う中尾さんの行動に俺も参加したくて来てみたりなんかして…」
「……」
「ぶっちゃけ、俺も良くわからないコスプレ紛いの人間に襲われてるんでね。
あのままずっとあっち(東京)にいるわけにもいかないんで…」
「その辺の話は僕が話すとしよう。中尾さんも突然の陣内の訪問に放心状態
の様だから」
そういうと原田さんは僕に状況を話し始めた。
・
・
・
「つまり、何ですか?陣内さんが閂君と原田さん宅へ行ったときに、原田さん
の家が空き巣に入っててそれが実はコナミのトキメモ12人衆のタテバヤシと
名乗って、そいつが閂君をいためつけて、その後陣内さんが倒した…と」
「まあ、端的な概要としてはそうだな」
陣内さんは俺の目の前に座り原田さんが入れた麦茶を飲みながら言う。
「で、閂君は?」
「あいつは、ちょっとタテバヤシに投げられて、打ち所が悪かったのか背中に
痛みを訴えたから俺んチで養生させている。あいつもできればこっちにつれて
来たかったんだがな…」
(いや、これ以上巻き添えにする人間増やさないでください)
本気でそう言いたかった。
「まあ、あいつには俺のHPを適当に詐称するようにカモフラージュ役として
残ってもらう事にした」
「それじゃ今陣内さん所のHPの日記とかは?」
「フェイクだ」
「………」
「まあ心配するほどのもんじゃない。それより心配したのは中尾さんの方だ」
「!?」
「中尾さん…どうして今の一年間俺に連絡もなくこんな事を…」
そのときの陣内さんの顔には少しだけ、怒りが見えた。
原田さんは、俺と陣内さんのやり取りをずっと静観していた。
しかし陣内さんはそれを前面に出すことなく冷静に、落ち着いた口調で
「仮にもだ、同じ会社で飯食って、頑張ってきた中だと思ってきた」
「うん」
「でもだ、こういう状況なら黙ってもらうよりは俺は頼って欲しかったんだが
なぁ」
「すいません。それは迷惑がかかると思って…」
「迷惑?それは違うな。それならば何も言わず独りで解決しようと思う事の方
が俺にとっては迷惑だ」
「??」
その言葉の真意がつかめず一瞬混乱する俺
「事態がどうであれ…俺・原田・閂・中尾さんは少なくともLeafの中じゃ
話せる数少ない人間だったのに、そんな俺達に頼る事は出来なかったのか?
俺達はそんなに頼れないのか!!」
ドン…と畳を叩き、睨みを聞かせて俺を見る陣内さん。
その迫力に俺は言葉も無くただ見つめ返すしかない自分
その成り行きをただ見守る原田さん。
反論は…したかった。しかしそれは今の俺には出来なかった。
「まあ、済んでしまったことは仕方ない。だから俺もこれから戦う!」
「……」
「中尾さんがコナミに乗り込もうとするのは原田から聞いている。あれだろ?
トキメモ12人衆とかの所在掴んだら中尾さん殴り込みする気なんだよね?」
「ええ」
「それじゃ二人より三人の方がいいだろ?ああ、心配しなくてもこう見えて俺
かなりのパワーファイターだから…」
「はぁ?」
今の俺には気の無い返事を返す事しか出来なかった。
「と、言うわけで突然だが俺もここに住むんで…よろしく!」
・
・
・
居候が二人に増えるようだ。(マジ?)
もう、内心俺の人に迷惑をかけないという行為がかなりの勢いで反作用している現実を謙虚に受け止める事しかなく、俺は黙ってコクリと頷く。
まあ、様々な疑問を陣内さんに投げかけたい所だが、今日は頭が痛い出来事が
目白押しの様子で、いうなればごちゃごちゃになって把握できない。
とりあえず、陣内さんは俺の家に住み込むという事と、コナミ殴りこみに参加
するという事、(コミケと同じ感覚だと困るのだが)…そして…俺の計画を
台無しにしてしまったと言う事実だけが重くのしかかった。
そんな気持ちを余所に原田さんはこう呟く
「3人になれば血まみれの戦いも楽しくなるね、んふん」
(「んふん」じゃないでしょ!あんたら戦いがなんであるかのイロハっての知ってるのか?知ってるのかと問いたい!問い詰めたい?小一時間)
ハッ!
思わず、我を忘れてしまう自分に頭を抑える。
「中尾さん頭が痛いのかい?しばらく横になったほうがいいよ」
「……そうしますね」
原田さんがそう促すので俺は横になって寝る事にした。
事態は更に加速していると言う現実を忘れるために、俺は眠る事にした。
To be Continued
99 :
R:02/09/28 15:41 ID:5Q6vlHs9
一言
「レボにいけねぇ…」
100 :
名無しさんだよもん:02/09/29 07:00 ID:sH+JQdd8
うおー
新作あげ
保守
メンテ