いつものごとく、いつもの時間に目が覚めた。
深夜三時。先輩を連行する時間だ。
「先輩、みさき先輩」
隣で気持ちよさそうに寝息をたてる先輩を揺すった。
「ん……ぅ……」
うっすらと先輩の目が開く。しかし意識は全然なさそうだ。
「じゃ、行こう。ほら立って」
「んー……」
のそのそと先輩がベッドから這い出る。
当然の如く全裸で、その豊満な肢体を惜しげもなく見せてくれる。
だが押し倒して先輩に可愛い声を上げさせる力はもうない。
何気に貪欲なみさき先輩は、寝る前にとことん精を搾り取ってくれた。
もちろん、先輩は敏感だからその間も悶えまくりイキまくっていたが。
が、こと体力と食欲と性欲に関しては無制限な先輩だ。
なんかもう危険日に全力を賭して先輩を孕ませておかないと、近いうちに種なしになりそうだ。
とは言え、危険日に「今日はえっち禁止だよ」と真っ赤になって言う先輩を見ると満ち足りてしまう。
さらに、じゃあ寝ようかというときに「舐めっこならいいよ」と誘ってくれる先輩も最高だ。
そこでどうして無理やり中出しに持ち込めるだろうか。いやできない。
ちなみに「舐めっこ」とはみさき言語でシックスナインを意味する。
そんなオレの煩悶にも気づかず、先輩は肩によりかかってふらふらと歩いている。
揺するとしばらくは目を開けるものの、すぐに歩きながら目を閉じてしまう。
……まぁ、開けてたら安全というわけではないが。
階段を、半ばおんぶしながら降り、ドアの前に立った。
「先輩、着いたぞ。一人でできるか?」
「……ぅー」
「……駄目か」
苦笑して、トイレのドアを開けた。
深夜に排尿しておかないと、先輩はおねしょをしてしまう。
オレは構わないが、先輩がもの凄く恥ずかしがるのでこうして手伝ってるわけだ。
「ほら、座って」
「……にゅ」
手を離した途端、先輩はその場に崩れ落ちてすやすやとお眠りになった。
さすが。オレなど及びもつかない眠りっぷりだ。
「……やれやれ」
先輩の剥き出しの腿を抱え、抱き上げた。目一杯開脚させる。
いつも通りの赤ちゃん抱っこだ。
「先輩、しーしー」
耳元で囁くと、先輩はむにゃむにゃ言いながら少し目を開けた。
「ぅ……しーしー……」
反応があり、弱々しく頷いた。
軽く揺すってやると、ぴくんと震えてまた寝言のように呟いた。
「……ん…しーしー……」
ちょろ、と便器を打つ水音がした。
次第に音は大きくなり、先輩の体越しに黄色い曲線が描かれているのが見える。
「いい子だな、先輩」
「ん……こうへ…くん……?」
少し状況が理解できたのか、その顔は半分気持ちよさそうで、半分恥ずかしそうだった。
ちょろろろろ、と一定の音に反して先輩の呼吸のペースはゆっくり速まっていく。
「はふ…ぅ……浩平君……」
よっぽど気持ちいいのか、瞳を潤ませて身悶えしている。
存分に出し切り、最後にぶるっと震え、先輩の放尿は止まった。
「気持ちよかったか?」
「……うん」
八割ほどは眠ったままで、先輩は頷いた。
その瞼は今にも閉じそうだが、顔は実に真っ赤だ。
それが排尿を見られたせいか、手で拭いてやって舐めさせたせいかは微妙なとこだ。
さっきよりはマシで、手を引けばとことことついてきてくれ、無事ベッドまで辿り着いた。
「しかしいっぱい出てたな」
「……」
「あれだけ飲み食いしてるせいかな。そういえば色もきれいだったぞ」
「…………」
「今度は入れてるときにお漏らししてくれると嬉しい」
「………………えっち」
「お褒めに与り光栄の至り」
「誉めてないもん」
ぶつぶつ言いながら、拗ねたような表情で俯く。
ものすごく撫でたい衝動に駆られた。故に撫でた。
「……浩平君?」
しっとりとした感触が気持ちいい。
「あの、」
指で梳くと隙間を水のようにさらりと流れた。相変わらず恐ろしく綺麗な髪だ。
「……と、年上の頭を撫でるなんて失礼だよ」
「……って言ってる割には嬉しそうだな、みさきお姉さん」
こういうときだけ年上ぶりながらも、頭を寄せて猫のように甘えてくる。
また眠りに落ちようとする顔は、にへっとほころんでいた。
「……だって、気持ちいいから」
「放尿がか?」
「違っ……わない、けど……うー」
こつ、と額を胸元に押しつけ、うーうー唸った。
それも収まると、静かな寝息だけが聞こえる。
「おやすみ、先輩」
最後にもう一度頭を撫で、ほのかに温かい体を抱き寄せた。
普通のエロなしほのぼの書くの久しぶりだなぁ。
赤ちゃん抱っこはみさき先輩の領分だと熱弁してみるテスト。