鍵っ子はディスプレイの前で腕を組んだ。彼は外見ほど平然としていたわけではなかった。
現在のところ、瑞佳シナリオの選択肢は彼の予測を超えてはいない。問題は浩平と瑞佳が
付き合い出してからの選択肢である。攻略チャートに従って選択すればよいが、一歩誤れば
収拾がつかなくなり、BADENDへ直行をいう事態になるであろう。そのときはどうする?
「ロードしてやり直すさ」
萌えゲーと呼び、泣きゲーと言う。それらの区分を超えて、ユーザーに絶対なる信仰を
抱かせる作品を不朽の名作と称する―と鍵っ子は史書で読んだことがあった。
ONEはまだ荒削りだが、少なくとも名作になりつつある。Leafにとっては脅威であり、
エロゲー業界の旧勢力にとってもおそらくそうであろう。
鍵っ子は脚を組みなおし、自分が歴史の流れのなかにたたずんでいるであろうことに軽い満足を覚えた。
「こんな文章は初めて読みます」
ディスプレイに映るテキストを凝視していたラオ少佐が、ヤンに向かって嘆声をもらした。
「そうだろうね・・・私もさ」
ヤンは言ったが、後半は嘘である。人類が地球という辺境の惑星の地表だけで生活していた当時、
このような文章がエロゲーに書かれたことは幾度もあった。今回のローエングラム伯の卓抜な
シナリオにしても葉鍵ゲーに先例がある。
「何たる無様なテキストだ!文法自体狂っているではないか!!」
ディスプレイの前には憤激の叫びが上がっていた。
「これでは超先生ではないか・・・」
ラインハルトは声を抑えて苦々しく呟いた。
「もうすぐ七瀬は大人しくなるだろう」
浩平は教室で独語した。
「ではもっと煽るのか?・・・(こわっ)・・・やめとこう」
「七瀬に呼吸を合わせて、こちらも大人しくしよう。ここまでが精一杯だ。
これ以上七瀬を煽り続けるのは無理だ」
〜瑞佳シナリオクリア後〜
「貴官と同様・・・こんな手ごわいシナリオはもうやりたくないね。楽にクリアできる方がいい、
辛い選択をさせるシナリオよりも(涙)」
主砲、顔射三連!!!
>このスレの1 ◆kzVwybQE 氏
このスレにおける氏の功績は否定ませんが725は余計です
(こことはまったく関係ないですし、スレの私物化です)
アンチ最萌連中に格好の叩きのネタをやるようなものです。どうか御自重下さい
なんか銀英伝で使えそうなセリフ探したけど、無かったので・・・
・・・アンスバッハとフレーゲル思い出した
でもこのスレの1 ◆kzVwybQE 氏をフレーゲルにするのも・・・(w
>>737氏
どうもすみませんでした。まったく悪気はなかったのですが・・・。
もし他の方々に御迷惑をおかけしたのでしたら申し訳ないです。
m(_ _)m
>>740 そういうのもありか!って感じでいいですね。
〜帝国の残照〜
グリューネワルト伯爵夫人香里の館はやはり新無憂宮の一隅にあったが、訪れるには、
派手に装飾された宮廷用の地上車で10分も走る必要があった。
祐一などには、いっそ歩いた方が気楽なのだが、皇帝陛下の御厚意により宮内省から
差し向けられた地上車とあっては仕方ない。
目的の館は菩提樹のしげる池の畔にあり、女主人にふさわしい清楚な建築様式だった。
香里のすんなりした優美な姿をポーチに見出すと、栞はまだ完全には停まっていない
地上車から飛び降り、小走りに駆け寄った。
「お姉ちゃん!」
香里は春の陽ざしのような笑顔で妹を迎えた。
「栞、よく来たわね。それに相沢くんも・・・」
「(ガクガク)・・・香里さまもお元気そうで何よりです(ブルブル)」
「ありがとう。さあ、二人とも入って。あなたたちが来るのを何日も前から待っていたのよ」
ああ、この女は昔と少しも変わらない―と祐一は怯えた。その烈火の如き性格を変えさせる
ことは、皇帝の権力をもってしても不可能だったのだ。
「コーヒーを淹れるわね。それとジャンボイチゴパフェもね。手作りだからあなたたちの口に
合うかどうかわからないけど。食べていってちょうだい」
「口の方を合わせますよ」
笑いながら栞が応じ、祐一は神妙な面持ちでコクコクうなずくことで栞に賛同した。
手頃な広さの居間にはなんとも形容しがたい雰囲気が満ちた。時の精霊がこの空間だけ
を10年前の百花屋に戻したような錯覚を、若者たちはひとしく抱いた。
コーヒーカップの触れ合う音、清潔なテーブルクロス、ジャンボイチゴパフェに混ぜ
られた微量のバニラ・エッセンスの香り・・・・・・つつましい幸福のひとつの形が
そこにあった・・・と思っているのは栞だけであった。
「伯爵夫人ともあろう者が調理場に立ち入るものではないとときどき言われるけど・・・」
流れるような手さばきでイチゴを口に運びながら香里は微笑した。
「何と言われても、これが楽しいものだから仕方ないわね。あまり機械に頼らず自分の手で
焼くのがね」
祐一は昔、香里につけられた根性焼きの痕を見、どうしようもなく哀しい気分になった。
コーヒーが淹れられ、クリームが落とされた。そのクリームの中に青酸カリが含まれては
いないかと、裏を考える必要のある会話。祐一にとっては心胆寒からしめられるような時が
過ぎてゆく。
「栞がわがままばかり言ってさぞ迷惑をかけているのでしょうね、相沢くん」
「(ガクガク)いえ、そのような・・・(ブルブル)」
「本心を言っていいんですよ」
「栞、だめよ、からかっては。そうそう、シャウハウゼン子爵夫人秋子さんからいただいた
手作りのジャムがあるの。地下室にあるから取って来てくれないかしら?帝国元帥閣下に
雑用を頼んで悪いけど」
「お姉ちゃんこそ私をからかうんですね。そんなこと言う人、嫌いです」
口ではそう言いつつ、栞は笑顔で立って行った。祐一は秋子さん手作りのジャムと聞いて
どうしようもなく帰りたい気分になった。
香里は妹の夫に険しい表情で迫った。
「相沢くん、いつも妹が世話になっているわね」
「(ガクガク)とんでもございません、お世話を一方的にこうむっているのは私です。
貴族でもない私がこの年齢で大佐などと、見にあまると思っております(ブルブル)」
「もうすぐ少将でしょ。聞いたわよ。おめでとう」
「ありがとうございます」
冷や汗が背中を伝わるのを祐一は自覚した。
「妹は口に出さないし、あるいは本人も気づいていないかもしれないけど、相沢くん、
あなたを本当に頼りにしてるのよ。どうか、これからも妹のことをお願いするわね」
「恐縮です、私などが(・・・心の底からそう思っております)」
香里の表情にはいつのまにか険しさが消えていた。すると、突然、見えざる刃が心の上を滑って、
鋭い痛みを祐一に与えた。そうだ、今は10年前ではないのだ。栞と自分は街の高校生ではなく、
香里もスケ番ではない。皇帝の寵姫と帝国元帥とその副官。権力の芳香と腐臭を同時に嗅ぐ立場にいる
3人の男女・・・。
「(ガクガク)私にできることでしたら何でもいたします、香里さま(ブルブル)」
祐一の声は恐怖を抑制しようとする主人の意思にどうにかしたがっていた。
「(ガクガク)栞に対する私の忠誠心、いや、愛を信じて下さい。
決して香里さまのお心に背くようなことは致しません(ブルブル)」
「ありがとう、相沢くん、悪いわね、無理なことばかりお願いして。でもあなた以外に
頼る人はわたしにもいないわ。どうか許してね」
俺は栞にだけ頼ってほしいんだ―胸中で祐一は呟いた。10年前、
香里に「妹をよろしくね」と言われた瞬間から、ずっとそうなのだ・・・。
「・・・もっと見つけやすい場所に置いてくれればいいのに」
その声が栞の戻って来たことを告げた。
「はい、ご苦労さま。でも苦労して探しただけの価値はあるわよ。トーストを焼いてくるわね」
ジャムがあのジャムではないことを心から祈る祐一であった。
前半部分が読みにくくなってしまいました。すみません。
後半部分は少しは見やすいと思われます。
749 :
名無しさんだよもん:02/08/19 19:18 ID:UuH8pNv8
(外伝2巻 797年1月8日)
「耕一さん、たいへんです!」
「何だ、梓が酔っぱらって、かおりを押したおしでもしたか!?」
「そ、そんなことではありません!」
「すると千鶴さんが前非の数々を悔いて、修道僧にでもなると言い出したか!?」
・・・それは絶対にない。
(第8巻第7章)
「CLANNADか・・・」
エア発売後2年、新作の生まれない自分たちの鍵のことを思うと、鍵萌え最高のユーザーも、胸中に幾分かのほろにがさを禁じえなかった。
・・・そのうち怒りに変わらないことを祈る。
751 :
名無しさんだよもん:02/08/19 23:56 ID:60PyCx8p
(第8巻第9章)
「まあ、何だな。若い連中が道ふみはずさず、精神的成長をしめしてくれるのはいいことさ。」
「青春が葉鍵だけじゃわびしいですからね、けっこうなことです」
自分の場合、さらにアリスが追加されます・・・ダメダメじゃん(鬱)。
753 :
da:02/08/20 20:00 ID:Ir72C3py
(第5巻第8章)
だが、これでも困るよCLANNAD。
「完全に発売しました!発売です!」
旗艦ヴィヅュアルアーシの艦橋を歓声がみたしたが、ユーザーは社員たちの歓喜に感応しなかった。
「薄すぎる・・・Σ(´Д` )」
・・・というわけで、延期したことを無能者呼ばわりして非難するがごときは、私のとらざるところである。
754 :
名無しさんだよもん:02/08/20 20:11 ID:Ir72C3py
(第6巻第8章)
先生「それにしても、このごろ、よく疲れを感じるのだ」
「あまりまじめにお仕事をなさいますから」
先生「おや、それではお前は俺になまけろというのか」
ユーザー『YES』
〜第一三艦隊誕生〜
秋子は、一糸纏わぬ自分の姿を見せても萎えたままの甥を問い詰めた。
秋子さん:祐一さん、なぜ屹立しないのですか?
祐一:この国は自由の国です。屹立したくないときに屹立しないでよい自由があるはずです。
俺はその自由を行使しているだけです。
秋子さん:ではなぜ、屹立したくないのですか?
祐一:答えない自由を行使します。(・・・近親相姦ガクガクブルブル)
国崎:有史以来初めて、お前さんの部屋が清潔になったじゃないか。親が無能ならその分、
子供がしっかりするというのは真実らしいな。
晴子:・・・今すぐ荷物まとめて出てけ!
祐一:今日、学校で来年以降の進路を訊かれました。
秋子:卒業は来年の6月じゃなかったかしら?
祐一:単位を取得して半年早く卒業できる制度があるんですよ。
秋子:あら、そうなんですか。
・・・・・・
秋子:で、軍人になるつもりなんですか?
祐一:ええ、俺は軍人の子ですから。
秋子:親の職業を子が継がなきゃいけないという法はないわ。現に私の父親は交易商でしたよ。
祐一:でも軍務につかないと養育費を返さなければなりませんから。
秋子:返すわよ。
祐一:え?
秋子:あなたの保護者を過小評価しないで。それぐらいの貯蓄はあるわ。第一そんなに早く
卒業する必要はないのよ。もう少し遊んでたらどう?
祐一:そこまで御迷惑はかけられませんよ。
秋子:子供のくせに生意気言わないで。子供っていうのはね、大人を喰い物にして
成長するものよ。
祐一:ありがとうございます。では遠慮なく・・・ハァハァ。
秋子:・・・ハァハァ。
以下、自粛
専務:かけたまえ、超先生。
・・・・・・
専務:知らせておくことがあって来てもらった。正式な辞令交付は明日のことになるが、
君は今度、チーフに昇進することになった。内定ではなく決定だ。昇進の理由は
わかるかね?
超先生:高橋と水無月が抜けたからでしょう。
専務:やれやれ、君は昔と少しも変わらんな。温和な表情で辛辣な台詞を吐く。
入社当時からそうだった。
超先生:ですがそれが事実なのではありませんか、シェンムー・・・いえ、専務。
専務:なぜそう思うのかね?
超先生:やたらと出世をさせるのは窮迫している証拠だと古代の兵書にあります。
倒産から目をそらせる必要があるからだそうです。
専務:ある意味では君の言う通りだ。近年、稀に見る失策を犯し、スタッフも葉っぱも
動揺している。・・・これを鎮める方法は俺が知っている。俺に任せろ。
超先生:・・・・・・。
761 :
da:02/08/22 21:06 ID:Gpd/GONr
(第8巻第9章)
「我慢強いユーザーさんはほんとうにえらいわ。でも、それだからこそ会社はつけあがるのかもしれない。葉鍵のことじゃないけど、信者の寛容さにつけこむ無責任な会社なんて最低よっ!」
・・・葉鍵だけはそんなことないと信じています。
がんばれRoutes&CLANNAD。
762 :
名無しさんだよもん:02/08/22 22:53 ID:XR3TlQso
(第10巻第9章)
オリビエ・ポプラン風に表現するなら
「葉鍵ゲーは全く良いゲームだ。しかし家庭の主婦向きじゃない」
ということになるだろうか。
(外伝一巻第七章)
「しかしまあ、重複の多い文章だ。感感俺俺というが、感感、俺俺、
感、感、感というところだろうな」
764 :
名無しさんだよもん:02/08/23 22:48 ID:+DwWEPIc
(第8巻第3章)
ヒルダ、CLANNADマウスパッド配布について語る。
「発売せずして鍵ユーザーを屈服させる方法はないものでしょうか。」
・・・今にして思えば、そういう理由だったのかも。
765 :
da:02/08/23 22:49 ID:+DwWEPIc
(第8巻第3章)
楓と初音
「痕Rの成功は、女性の魅力しだいだな。」
「女性の魅力・・・?」
ヤンは小首をかしげたが、黒ベレーを頭の上に放りなげて笑いだした。キャゼルヌの言わんとしていることを了解したのである。
『そもそもエロゲーヲタ人の気風はロリにある。』
・・・そーいう自分は梓の爆乳が好きです。
(外伝二巻第七章 七九七年三月七日)
ぼくも困っている。イゼルローンから持ってきた葉のゲームが、あと6個しか残っていないのだ。
2ダースといわず、その倍くらい持ってくればよかった。
ヤン提督が、鍵の抜けないゲームを遊ぶはずがないし、
だとすると、いよいよ昼寝しかすることがなくなってしまう。
問題である。
と思っていたら、グリーンヒル大尉が、葉のゲーム1ダースを提供してくれた。
「むだになると思ってたけど、役にたててよかったわ」
大尉は最初からそのつもりで用意してくれていたのだと思う。
ヤン提督が、葉のゲームを起動して小首をかしげたので、
「フレデリカさんからの差し入れです」
と言ったら、何だかあいまいな表情で、マウスを左手に持ち替えていた。
>>766 この時代には何作葉鍵ゲー出てるんだ・・・
もしTVKが映るトコに住んでるんだったら是非木曜深夜の銀英伝を見よう!!
ラストに面白キャプがあるよ(w
(外伝二巻第五章 七九七年二月七日)
ユリアン「くたばってしまえ、ホルト中尉、いずれ背後から撃たれておだぶつだ、
大神オーディンはお前の罪をご存知だぞックチュン……」
帝国軍捕虜「へえ、ちゃんと読めるのか、マコピー語が」
ユリアン「いちおう学校で習いますから」
もともとそれほど差のあることばでもない。
>>766 葉はともかく、鍵のゲームは劣悪遺伝子保護法に引っかかってルドルフ帝の
時代に殲滅されてそうな気が(w
771 :
770:02/08/25 13:31 ID:8Cq5doXM
保護じゃなくて排除だよ(w
暑さで頭が沸いてるな……逝ってきます。
(イゼルローン攻略より)
浩平:正直、みさき先輩が承知してくれるとは思わなかったな。
浩平:俺は過去6回にわたって、ココイチの1300gを試み、6回失敗した。それをみさき先輩は
倍の2600gで成功させようというのか・・・。
みさき:まあ、やってみるよ。
浩平:成算がありそうだな、どうする気だ?
みさき:秘密だよ。
浩平:俺にも?
みさき:こういうことはもったいぶった方がありがたみが出るからね。
浩平:もっともだ。用意する物資があったら言ってくれ、袖の下なしで話に乗るぞ。
みさき:じゃあ、牛を1頭、これは前に捕獲したものがあるはずだよ。それとイワシを
200匹ほど用意してね。
浩平:・・・・・・(1人で食べ尽くすつもりなんだろうな)。
みさき:・・・超過勤務手当を出せとは言わないけど、カレーの10皿ぐらいおごってね。
浩平:20皿はおごるよ。ところでもうひとつお願いがあるんだけど・・・。
みさき:30皿にしてね。なあに?
雪見:N@Kのプロデューサーがあんたに興味を抱いたらしいわよ。スカウトに来るかもしれないわ。
みさき:・・・N@Kのロケ弁当は美味しいかな?
雪見:・・・・・・冷め切ってるでしょうよ。
みずか:ほらーっ、こうへー、起きなさいよーー。まったくだらしがないなー、また
布団はだけてるよ。・・・あれ、何だかパンツのところがふくらんでるよ。
朝立ちした浩平のモノを下着越しに見て、折原浩平という男はパンツの中に、先端のとがった
黒いしっぽを潜めているにちがいないと考えた。
長森瑞佳、小学5年生の秋の日の出来事であった。
その日、休暇をとって町へ出た彼は、周囲を見まわし、何ごとかおどろく人々の間を走り抜け、
生まれてはじめてエロゲショップの扉を押した。
飛び込んできた軍服姿の青年を見て、エロゲショップの女主人は心臓の停止する思いを味わった。
血相を変えた軍人があわただしく飛びこんでくるなど、吉事とは思えなかったのである。
「葉ゲー!葉ゲー!葉ゲーをくれ。
葉ゲーなら何でもいい、いや、そうじゃない、
とびきりきれいな(絵が)、女の子に喜ばれそうなやつがほしいんだ」
強制捜査でも弾圧でもないと知って安堵した女主人は、誰彼をすすめた。
>>776 禿藁
きっと彼の財布は軽くならずにすんだことでしょう。
歓送の歌
>778
原作準拠だと、在庫全部交わされて凄いことに