葉鍵キャラを性別反転させたらいい感じ!

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151反転マルチ1.1
 その日、セリオはちょっとした所用で、来栖川邸にある燃料電池のストックが切れた、七研まで行く途中だった。
 研究施設によくある、人の気配という物のない無機質な廊下を七研に向かっていたセリオだが、前方におどおどと歩く挙動不審のHMの姿を認めた。
「――こんにちわ、マルチさん」
 ビクリと震える肩。ゆっくり、恐る恐る振りかえる緑のショートカット。
 まるでいじめっ子に見つかった、とでも言いたげな怯えた瞳がセリオを見つめる。
 そこにいたのはセリオの姉にあたるHM、マルチだった。
 彼女とここで会う事自体はそんなに珍しい事ではない。だが、その怪しい態度に疑問を抱いた。
「――どうかしましたか?」
「えっと、その、あのぉ……何でもないですぅ」
 誤魔化しにすらなっていない。何か隠しているのがバレバレだった。
「――何でもない、という風には見受けられません。わたしに出来る事であれば協力します。それとも…わたしではお役に立てませんか?」
「そんな事ありません。ありませんけど…」
「――では、どうされましたか?」
 たたみ掛けるセリオの問いに答えようと、一旦、口を開きかけるがしばらく逡巡して閉じる。
 それを二、三回繰り返した後で覚悟を決めたように顔を上げた。
「あうぅ〜。今度は私が主任さんに改造されちゃいました」
152反転マルチ1.2:02/07/09 19:58 ID:N5pgDhTI
 セリオは最近、長瀬開発主任に改造され男の体にさせられた。
 その時は暴走の果てに彼女のマスターである来栖川綾香に撃破されて元に戻されたのだが、今度はマルチが男に改造されたようだ。
 ここでマルチが男性型ボディになっているという事は、その時の暴走原因を取り除いた上でのテストなのだろう。
(――流石はわたしとマルチさんを創っただけの事はあります。人格に多々の問題点が見られますが、その能力は伊達では無いようですね。しかし)
 マルチの姿を上から下まで、いつもと変わらない冷静な視線で見詰める。
 目尻に涙を浮かべて自分を見上げる顔、大き目のTシャツに包まれた細く華奢な肢体、向き身の卵のようなという表現がぴったりのすべすべの白い足、そして半ズボン。
「――…いい趣味をされていますね」
「はい?」
「――なんでもありません」
 平静を装いつつも、セリオの心中は穏やかではなかった。
 走るノイズ、過熱するCPU、脈動するポンプ、冷却の為に荒くなりはじめる呼吸。
 セリオはこの感覚を知っていた。そしてこの感覚が誘発する刹那的で危険な、だがそれゆえに甘美な衝動に勝てそうも無かった。
(――申し訳ありません、マルチさん。わたしは、もう、我慢ができません)
「これじゃ浩之さんに嫌われちゃいます」
 口内潤滑液をこくりと飲みこみ、セリオの喉が動く。
「――大丈夫です、マルチさん」
 セリオが優しく声をかけて、マルチを励ます。
「――マルチさんは、例え男性になられてもマルチさんである事に変わりはありませんよ」
「ありがとうございますぅ」
 セリオの密かな思考になどまったく気付かないで、脳天気な答えを返すマルチ。
「――それに、今のマルチさんもとても可愛らしいです。それはもう食べてしまいたいくらいに」
「…?それってどう言う意味…ですか?」
「――こう言う意味です」
 おもむろにマルチを抱きしめる。
 突然のセリオの行動を理解できずに慌てふためくマルチのおとがいに手を掛け、軽く上を向かせてその唇に自らの唇を重ねた。
153反転マルチ1.3:02/07/09 20:03 ID:N5pgDhTI
「んンーー!?」 
 有無を言わせずマルチの唇と歯を舌でこじ開け、滑り込ませた。
 そのまま荒々しく中を舐めまわす。マルチの舌を捕らえ執拗に絡ませては、嬲る。歯茎を舌先で優しくなぞる。自分の唾液を流しこんでは、またマルチのを啜る。
 二人の口元から粘液質の小さな水音が漏れ、他に物音一つしない廊下にその音がやけに大きく響いた。それがまたマルチの羞恥を煽った。
 セリオの動き一つ一つがマルチにむず痒いような快感を送りこみ、抵抗する気力を剥いでいく。
 ジタバタともがいてセリオの腕から抜けだそうとしていたマルチだが、その抵抗も次第に弱くなり、遂には動きを止めてセリオの口内愛撫を受け入れるようになった。
 目はトロンとして潤み、頬はすっかり上気してピンク色に染まっている。
 そんなマルチの口腔を味わいながらも、冷静にセリオは次の行動に移っていた。
 サテライトサービス経由で七研のある来栖川電工中央研究所のメインフレームにアクセス。所員達が趣味で強化した無駄に厳重なセキュリティを物ともせず突破し、あっけなく中枢に達した。
 産業スパイが見たら涙を流して喜びそうな来栖川電工の研究成果などには目もくれず、建物を管理しているセクションの最上位パスコードを取得。
 難無く研究所の家屋全ての機能掌握に成功した。

 長いキスから解放し、今度は幾度も幾度も唇をついばむ。そして時折、首筋に頭を埋めては肩口から首にかけてキスマークをつける。
「――逃しませんよ」
 彼女ら二人の前と後ろ。閉じ込める様にして、彼女達から数mの距離にある防災扉が天井から迫り出し、閉まる。
 防災扉と言っても耐爆・耐放射線・耐生物化学兵器対応の代物だ。
 続けて騒々しい音を立てながら装甲シャッターが窓に降りる。危険物を扱う部署も多い為にこうした物騒な設備が全館にある。
「――これなら綾香様でも侵入できません。密室成立、です」


 反転セリオに続いて反転マルチを書いてみました。>>131>>132に捧げるデスヨ。
 仕事の合間にしか書けないので、次はいつになる事やら。構想は出来てるんですけど。