「んンーー!?」
有無を言わせずマルチの唇と歯を舌でこじ開け、滑り込ませた。
そのまま荒々しく中を舐めまわす。マルチの舌を捕らえ執拗に絡ませては、嬲る。歯茎を舌先で優しくなぞる。自分の唾液を流しこんでは、またマルチのを啜る。
二人の口元から粘液質の小さな水音が漏れ、他に物音一つしない廊下にその音がやけに大きく響いた。それがまたマルチの羞恥を煽った。
セリオの動き一つ一つがマルチにむず痒いような快感を送りこみ、抵抗する気力を剥いでいく。
ジタバタともがいてセリオの腕から抜けだそうとしていたマルチだが、その抵抗も次第に弱くなり、遂には動きを止めてセリオの口内愛撫を受け入れるようになった。
目はトロンとして潤み、頬はすっかり上気してピンク色に染まっている。
そんなマルチの口腔を味わいながらも、冷静にセリオは次の行動に移っていた。
サテライトサービス経由で七研のある来栖川電工中央研究所のメインフレームにアクセス。所員達が趣味で強化した無駄に厳重なセキュリティを物ともせず突破し、あっけなく中枢に達した。
産業スパイが見たら涙を流して喜びそうな来栖川電工の研究成果などには目もくれず、建物を管理しているセクションの最上位パスコードを取得。
難無く研究所の家屋全ての機能掌握に成功した。
長いキスから解放し、今度は幾度も幾度も唇をついばむ。そして時折、首筋に頭を埋めては肩口から首にかけてキスマークをつける。
「――逃しませんよ」
彼女ら二人の前と後ろ。閉じ込める様にして、彼女達から数mの距離にある防災扉が天井から迫り出し、閉まる。
防災扉と言っても耐爆・耐放射線・耐生物化学兵器対応の代物だ。
続けて騒々しい音を立てながら装甲シャッターが窓に降りる。危険物を扱う部署も多い為にこうした物騒な設備が全館にある。
「――これなら綾香様でも侵入できません。密室成立、です」
反転セリオに続いて反転マルチを書いてみました。
>>131と
>>132に捧げるデスヨ。
仕事の合間にしか書けないので、次はいつになる事やら。構想は出来てるんですけど。