(01)
MAN(メイドロボ・アスキーアートノベル)第一弾
〜 HMX−14お料理教室 〜
, '´(ヽ_.'ヾヽ '\ , -,. ― 、. _ _ _ , -(^ヽ/フ , -(^ヽ/フ
ノ !.'´ `ヽj 〉\/, ' ⌒ヽ) .〔_゙y'´ ヽ , '´ ヽ . / .'´ `,ハヽ / .'´ `,ハヽ
ノノ,'i!.,ノヘハハ) ( (6(iノナメ ))〉 〃くl\ノノハ)) 〉 i ノリ))))〉 ( iヽノノリハ)) ( jヽノノリハ))
'ミ0)! ゚ヮ゚ノ! )`,o)i ゚ ー゚ノ .リ ,.ヘ0〕゚ ー゚ノ! !)l ゚ ー゚ノ| ) ノゞ) ゚ー゚ノ )'´ ゞ) ゚ヮ゚ノ
(]_}!浜i]) ノ ´⊂)i木i)⊃. )' ⊂)i水!つ ノ⊂l) V.)⊃ ノ'´ ⊂i 共j⊃ (]_}i 送i'])
ん、,、,〉 ←くソ;_;〉 く{l_j} ″ んi__l〉´ んノ_〉 く,ん'_j〉
し'ノ し'ノ し'ノ し'ノ し'ノ し'.ノ
(02)
こんばんは。
わたしは来栖川電工汎用アンドロイドのHMX−14P ピースといいます。
今日は司会と調理の方を担当します。そして―――
アシスタントのHMX−14M ミリアで〜す♪
がんばりま〜す♪
┌──────────┐
│H.M.X -14お料理教室.│
└──────────┘
, '´(ヽ_.'ヾヽ , -(^ヽ/フ
ノ !.'´ `ヽj / .'´ `,ハヽ
ノノ,'i!.,ノヘハハ) ( jヽノノリハ))
'ミ0)! ゚ヮ゚ノ! )'´ ゞ) ゚ヮ゚ノ
(]_}!浜i]) 司会・調理 (]_}i 送i']) アシスタント
ん、,、,〉 HMX−14P ピース く,ん'_j〉 HMX−14M ミリア
し'ノ し'.ノ
(03)
P「さて、今日のお料理は季節を無視してクリームシチューです」
M「ざいりょうはこちらになりま〜す♪」 , -(^ヽ/フ /ヾ'._/)`'.,
/ .'´ `,ハヽ .'´ `'.! ヽ
( jヽノノリハ))(ハハヘヽ,.!i、)
魚介とカリフラワーのクリームシチュー )'´ ゞ) ゚ヮ゚ノ !八゚ヮ゚ !(0〃
材料(4人分) (]_}i 送i']) (〔i浜!}_])
エビ … 8尾 [ホワイトソース]
ホタテ … 8個 バター … 大さじ3 塩 … 少々
カリフラワー … 1.株 薄力粉 … 大さじ3 コショウ … 少々
薄力粉 … 少々 牛乳 … 400ml 生クリーム … 50ml
タマネギ … 1個 チキンブイヨン … 250ml パセリ … 適量
マッシュルーム … 10個
バター … 大さじ1
白ワイン … 50ml
(04)
P「それでは材料の下準備に取り掛かります」
M「は〜い♪」
P「まずはカリフラワー。薄力粉を加えた熱湯で茹でます。
後からソースと加熱するので、完全に火を通さなくても大丈夫ですよ」
M「ぐつ ぐつ ぐつ ぐつ♪」
P「茹でたカリフラワーは水気を切って小房に分けます」
M「ざっ ざっ♪」
/ヾ'._/)`'., )グツグツ
シカさんだよ〜っ♪ ;.'´ `'.! ヽ )
, -(^ヽ/フ (ハハヘヽ,.!i、) ) こら〜っ!
/ .'´ `,ハヽ !八A゚ !(0〃  ̄|) 真面目にやりなさいっ!
( c~^3ノリハc~^3 (〔i !}_])‐―D|
)'´ ||゙)^ヮ^ノ|| ん,、,、,ゝ从从┘______
(]_}i 送i']) し'ノ_.─┬──
く,ん'_j〉 .匚二_| O|O
トテテ〜 し'\) / \ |
(05)
P「次は野菜の仕込みです。
マッシュルームは縦半分に切ってください」
M「さく さく♪」
P「次にタマネギですが…これにはいつも苦労するんですよね」
M「おめめイタイタ」
P「メイドロボとはいえ、わたし達は人間そっくりに作られていますから…」
?「どうやらわたくしの出番が来たようですね」
M「はぇ?」
_
, '´ ヽ /
i ノリ))))〉 /
!)l ゚ ヮ゚ノ| /
ノ⊂l) V.)⊃メ HMX−14K カノン
″ んi__l〉´
し'ノ
P「カノンさんじゃないですか。どうしたんですか?」
K「話は聞いていたわ。刃物を使わせたら右に出るもの無し。
わたくしの技をお見せしますわ」
(06)
_ ∧ ミ ∧ ザシュ
\ , '´ ヽ (_i_!_) _ <斬>
\i ノリ))) , '´ ヽ ∨ザシュ
_ ノ!)l゚(フノ i ノリ))))〉 彡 _
. , '´ ヽ / / ! _〕) !)l ゚ (フノ| , '´ ヽ
. ∧ノリ))))〉 / ″んi__l〉 ノ(l(つO┿─── i ノリ))))〉
. ヤァ ━(_i_!_)゚(プノ| /━━ ((/━━━━━くヘi__l〉´━━━━━!)l ^ヮ^ノ|━━━━!!!!!!!
ノ⊂l) V.)っメ し' し' ───┿⊂l) V.)⊃
″ んi__l〉´ ″ んi__l〉´
し'ノ し'ノ
(07)
M「うわーっ!! カノンさんすごーい♪」
P「で、でも……」
パラ パラ パラ パラ ハラッ…
P「あ、あのぉ〜カノンさん…野菜を空中で切ったら床に散らばってしまいますよ…」
K「はうぁっ! 某としたことが…
申し訳ない。修行し直してきます…」
|_
, '´ ヽ
i ノリ))))〉
!)l´・ωノ| ショボーン
ノ⊂l) V.)⊃
く∩∩〉´――――――
/
/
P「え、えーと…良い子のみなさんはマネをしないでくださいね(エヘッ」
(08)
P「えーっ、続きまして魚介類の仕込みに入ります。
エビは背中に切れ込みを入れて背ワタを取り除きます」
M「おててくさ〜い♪」
P「ホタテはヒモを取り外します。ヒモからも良いダシが出るのですが
翌日の献立で和え物にするのが経済的です」
M「びろびろ〜ん♪」
P「そして―――」
?「あら、私に黙って面白そうな事しているわねぇ」
'\ , -,. ― 、
〉\/, ' ⌒ヽ)
( (6(iノナメ ))〉
)`,o)i ゚ ー゚ノ
ノ ´⊂)i木i)⊃ HMX−14F フレア
←くソ;_;〉
し'ノ
P「ふ、フレアさんっ!」
F「『お料理教室』ねぇ…。私も戦闘型とはいえメイドロボの端くれ、料理の
嗜みくらいありましてよ。それなのにこのような扱いを受けるとは…うぅ…うぅっ……」
(09)
P「別に隠していたわけではないですよっ(汗
それならばフレアさんも手伝ってください」
F「…あらそう♪ それで私は何をすればよろしいのかしら」
P「タマネギとマッシュルームをバターで焦がさないように炒めます。
さらにエビと貝柱を入れて白ワインで蒸し煮してください」
F「ふむふむ…こういうことね。白ワインをゴクゴクゴクゴク……」
P「あ、あ――― っ!?」
ブハ――― ッ !!
'\ , -,. ― 、 从;' /ヾ'._/)`'., 「丶/^)- ,
〉\/, ' ⌒ヽ) 从 从;' ;.'´ `'.! ヽ /´ハ,´ `ヽ.,\
几6(iノナメ ))〉 ン ; ’从; ' (ハハヘヽ,.!i、) ((リハヽノ/j )
/ ヽ`,o)i ゚ oー'~; ,( ) ン' 八TヮT!(0〃′ 从゚O ゚ ("ゝ、'( オ―― ッ!
| |⊂) !ホi)⊃ ̄ヽ二フ (〔i浜!}_]) (]'i送 i}_]) v
|_|ーくソ;,_;〉 ん,、,、,ゝ くj_'ん,〉
し'ノ し'ノ し'ノ
(10)
F「こんな感じかしら?」
P「わたしの話を全然聞いていないじゃないですかっ!
フレアさん…やっぱり邪魔をしに来たんですね」
F「せっかく手伝ってさしあげたのに酷い言い草ですわ。
もう頼まれてもお受けしませんわよ」
P「頼みませんっ! 帰ってください」
F「言われなくても帰りますわ。さようなら」
・・・
P「えー…お見苦しい点があったことをお詫びして本題に戻ります。
蒸し煮したエビの殻を取り外し、貝柱は二等分もしくは四等分に切り分けます。
蒸し汁は後で使いますから捨てないでくださいね」
, -(^ヽ/フ /ヾ'._/)`'.,
/ .'´ `,ハヽ .'´ `'.! ヽ
( jヽノノリハ))ア―― ン (ハハヘヽ,.!i、) つまみ食いはダメっ!
)'´ ゞ) ゚(プノ _____!八゚A ゚ !(0〃
. (]_}i 送i'])D \__|‐‐(〔i浜!}_]) | ̄ ̄ ̄
く,ん'_j〉 ん,、,、ゝ |
し'ノ し'ノ |
(11)
P「続きましてホワイトソースを作ります。
鍋でバターを溶かし、薄力粉を炒めます」
M「こね こね♪」
P「そして牛乳を…あれっ? 牛乳は・・・あ――― っ!?」
( _ ノ
( ( (. )
,. ― 、-、/'
(, '⌒ヽ /〈
. 〈(メ )fノ)6)' .) ふぅ…
,::;∩゚ヮ゚i(oノ (`丶
i ヾ<:;_ー-ーー,.ン |
l  ̄...:;:彡| ノ=フ
} . . .....:::;:;;;;;彡| |.牛.|
!, . .;:.::;:;;;彡| |.乳.|
ト , . ..,:;::;:=: 彳 |._.|
(12)
P「フレアさんっ! あなた帰ったんじゃないんですか!?」
F「火を使ったら汗をかいてしまいましたの♪」
P「なんでわたし達の準備しておいた牛乳がそこにあるんですか」
F「あら? あなた達の牛乳でしたの。それは失礼しましたわ。
テーブルに落ちていたので牛乳風呂に使ってしまいましたわ♪」
P「そういうのは『落ちている』っていわないですよ〜
ああ…今すぐに牛乳が必要なのに〜」
F「残り湯を加熱すればそのうち牛乳になりますわ♪」
P「なりませんっ! 待てませんっ! あ〜んどうしよう…」
?「牛乳がどうかしましたか?」
, -(^ヽ/フ
/ .'´ `,ハヽ
( iヽノノリハ))
) ノゞ) ゚ー゚ノ
ノ'´ ⊂i 共j⊃ HMX−14Ma マリア
んノ_〉
し'ノ
(13)
P「あっ、マリアさん。聞いてください、フレアさんったら酷いんですよ〜
お料理教室で使うための牛乳を勝手に持っていっちゃったんですよ〜」
F「『持っていった』なんて人聞きの悪いことを言わないで欲しいですわ。
私は『落ちていた』牛乳をちょっと拝借しただけですわ」
P「だ・か・ら 落ちていたんじゃなくて―――」
Ma「まぁまぁ、二人とも落ち着いてください。
それで牛乳はどの位必要なんですか?」
P「ええと、400mlです」
Ma「わかりました。ちょっと待っていてくださいね」
ちゅーちゅーちゅーちゅー
Ma「お待たせしました。牛乳ではありませんが400mlあります」
P「マリアさん…これどうしたんですか?」
Ma「大雑把に説明しますとわたしのお乳(※1)です」
P「え――― っ!?」
※1…マリアは乳児の面倒を見るために授乳機能を取り付けています。
母乳を製造している訳ではなくて単なる脱脂粉乳です。
(14)
P「えー…こんな状態で本当に料理が完成するのか心配される方もいるでしょう。
でも、ここからがHMX−14シリーズの凄いところ。
わたし達はSOSシステム(※2)を使って一流の料理人へと進化できるのです!
有名ホテルで修行を積んでいるわたし達の秘密兵器を呼んでみましょう」
M「コードさ〜ん!」
_ _
〔_゙y'´ ヽ
〃くl\ノノハ)) 〉
リ ,.ヘ0〕゚ ヮ゚ノ!
)' ⊂)i水!つ HMX−14C コード
く{l_j}
し'ノ
C「はいは〜い♪ みなさんこんばんは。
わたしはHMX−14C コードといいます。よろしくお願いしま〜す」
※2…シナプス・オーバー・エボリューション・システム。世界各地で稼働する
HM−14型の技能や知識を取得・交換・共用する事が可能。
(15)
P「コードさん、もはやあなただけが頼りです。
料理修行の方は上手くいきましたか?」
C「もうバッチリですよ♪ みなさんとても親切な方ばかりで
なんと会長自ら私の特訓に付き合ってくださったのですよ〜」
P「それは凄いですね。それでは早速調理技能のデータを貰いますね」
C「わかりました〜♪」
☆
∠, ―― SOSシステム起動 ――
/
\´ ┃ ☆
, [ !ヽ_ 'ヾヽ ┃ ∠,_
ノ, ||.´ `ヽj(( ))ノ ┃ 〔_゙./ ヽ(( ))ノ
ノノ '||ii,ヘハハ) (( .).).ノ ┃ 〃くl\ノノハ)) 〉 ( ))ノ
'(0)! ゚ヮ゚ノ! (( )).) ┃ リ ,.ヘ0〕゚ ヮ゚ノ! (( )))
(]_}!浜i]) ̄ヽ二フ. ┃ )' ⊂)i水!つ ̄ヽ二フ
ん、,、,〉つ ┃ く{l_j}
ヽ.) ┃ し'ノ
(16)
P「…よしっ。これでわたしも一流の料理人へと進化しました。
ここからは一気に仕上げまでいきますよ〜」
M「おーっ!」
P「炒めた薄力粉に牛乳を少しずつ加えてなめらかなホワイトソースを作ります。
さらにチキンブイヨンと蒸し煮したときの残り汁と野菜を加えます。
エビと貝柱は堅くなってしまうので仕上げの直前まで入れないでくださいね」
M「わくわく♪」
P「さて、仕上げです。エビと貝柱を加えてから塩、コショウで味を調えます。
最後に生クリームを入れて火を止め、余熱で混ぜ合わせれば完成です!」
M「わ―――い♪」
P「器に盛ったシチューにパセリを散らしてお出しします」
, '´(ヽ_.'ヾヽ , -(^ヽ/フ
ノ !.'´ `ヽj / .'´ `,ハヽ
ノノ,'i!.,ノヘハハ) ( jヽノノリハ)) できたよ〜♪
(( 'ミ0)! ゚ヮ゚ノ!(( ))))'´ ゞ)^ヮ^ノ(( )))
ヽ二フ(]_}!浜i])ヽ二フ (]_}i 送i'])ヽ二フ
. ん、,、,〉 く,ん'_j〉
し'ヽ.) トテテ〜 し'\)
(17)
P「それでは試食会に入りま〜す。
今日はわたしたちのファンクラブから抽選で十名が会場に集まっています」
会員「ピースたんマンセ ―――!!! ミリアたんマンセ ―――!!!」
P「うわーっ、凄い熱気です。わたし達が頑張って作ったシチューです。
冷めないうちにお召し上がりくださいね」
会員「いただきま―――す!!!」
・・・
, '´(ヽ_.'ヾヽ なんで…!?
ノ !.'´ `ヽj , -(^ヽ/フ
ノノ,'i!.,ノヘハハ) / .'´ `,ハヽ
'ミ0)! ゚jコ゚ノ! ( jヽノノリハ))…だめぽ
(]_}!浜i]) ‐, )'´ ゞ) ー_ーノ ∩_∩ ∩_ _
くソ7つつ とノ ( .(^7つO (。Д。⊂ `つ ⊂ つ。Д。)⊃
∩ _ ∩_ ∩_ ∩_∩
⊂ ⊂>。Д。)⊃ (。Д。⊂ `つ ⊂ ⊃。Д。)⊃(。Д。⊂ `つ
∩_∩ ∩_ .,. ∩_ ∩ ∩_
(。Д。⊂ `つ ⊂ ⊃。Д。)⊃ ⊂ ⊃。Д。) ⊂ ⊃。Д。)⊃
(18)
コンコン
?「――どうぞ」
C「失礼します。会長、お別れのご挨拶に伺いました」
会長「もう帰ってしまうんですか。寂しくなります…」
C「会長には本当にお世話になりました。会長が深夜までの特訓で鍛えて
くださったからこそ今のわたしがあるのです。このご恩は忘れません…(グスッ」
会長「コードさん、『会長』なんて他人行儀なままでは悲しいわ。
私のことは『千鶴お姉さん』と呼んで欲しいな…」
C「千鶴お姉さん…」
千鶴「コードちゃん…」
千鶴お姉さ〜ん
_ _
〔_゙y'´ ヽ .'M)`' ヽ、
〃くl\ノノハ)〈(リ リ从(ヽil コードちゃん…
リ ,.ヘ0〕 ´(フノ(ヮ`ソlハ ! あなたは私の(お料理)後継者ですよ…
)' (iつ!つ⊆介ヾ、ノ
⊂lノl_j)( ____ノっ おわり