だいぶん間を空けてしまったが、それでも始めた以上終わらせたいのでー。短いけど。
孤独。
――というものをはっきりと意識したわけでもないが、しかしそれが自分を包み込んでいるのをうっすらと自覚して、折原浩平は天を仰いだ。
陽は既に頂きを過ぎ、緩慢に一日の終わりが近いことを告げる。雲は少なく、空には青が広がる。その潔さがまるで自分の心を皮肉っているように感じて、浩平は顔を歪めた。
肩に軽い衝撃が走る。視線を落とす――街中へ。通りがかったスーツ姿の男とぶつかったようだった。
男は曖昧な笑みを浮かべ、軽く頭を下げる。それに応える気にはならず、浩平はそのスーツの男とすれ違うようにして歩を進めた。視界の端に、不快げに眉を寄せる男の顔が映ったが、知ったことではない。
人々の靴音と、その話し声と、時折通る車の音と。それらが何か凄まじい不協和音に聞こえて、浩平は耳を抑えたい衝動にかられた。だがそれは自制する。意味のないことだと知っている。ただ、歩く。
だが、どこへ行くと言う?
目の奥に浮かんだのは、少女の顔だった。幼馴染。出会ってからこれまでの年月を数えるのも馬鹿らしくなる、長い付き合い。自分が裏切った少女。自分を許してくれた少女。自分を好いてくれた少女。本当に好きだった少女。
だが彼女が見せた最後の表情は、ひどく冷たい。
当然のことではある――浩平は自嘲した。そう、自分は彼女を裏切ったのだ。彼女は確かに自分を受け入れてくれたが、それでもまだ何かしらわだかまりがあったとして不思議ではない。いやむしろそれが当然ではないか? 胸中で繰り返す。自分は彼女を裏切ったのだ。
自分を押しつぶす何かを知覚する。それは見えず、触れず、ただそこにある。
「やるなら、さっさとやってくれよ」
歩きながら、思いを静かに吐く。通りがかった人間が怪訝げに自分を見ていたが、それは無視した。
「もうここにいることに、なんの意味も無い…」
言葉を続ける。その言葉が更に自分を締め付ける。思い知らされる。ここに自分の居場所は無い。
その語尾が、何か別の音にかき消される。
何の音だったかとぼんやりした頭で考えて、一瞬後にそれがバイクのエンジン音であることを思いつく。かなり近い――目の前と言ってもよさそうだった。いつの間にかうつむいていた自身の首を上げ、その出所を見る。
赤のバイク。またがっている人間が居る。エンジンがついているのなら、当たり前ではあるが。そしてその人物の顔を見て、浩平は息を呑んだ。
知っている。それほど親しい人間ではなかったが。相沢祐一。同級生。
向こうも自分を知っているはずだった。そう、親しい付き合いはないが、それほど浅いものでもない。だが同時に浩平は確信していた――向こうが自分を知っているはずが無い。
彼女と同じように。
なぜ彼が歩道にバイクで陣取っているのか、それは不思議で、また考えれば滑稽なことではあったが、声をかける気にもなれず、浩平はただ黙して足を進めた。
だから、祐一が口を開いたその時には、浩平はただ目を丸くするしかなかった。
「探したぞ」
もう既に、足は祐一を通り越していた。衝撃を覚えながら、振り返る。
「乗れよ。行こうぜ」
どこに行くと言うのか――先ほど自問したものと同じ問いが、浩平の中に浮かぶ。
だがそれよりも先に、聞いておきたいことがあった。
「…相沢。おまえ、俺を…?」
言いかけた言葉は、かざされた祐一の手によって遮られた。祐一はそのまま喉を動かす。
「悪い。話は後だ。今は時間が無い…そら、きやがった!」
聞こえたのは、パトカーのサイレンだった。振り返れば、二台の白黒のその車が。こちらへ向かってきている。
「早く乗れ!」
幾分かの焦燥を含めて、祐一が叫ぶ。それにつられるようにして、浩平はバイクにまたがった。同時に問う。
「お、おまえ、何かやったのか?」
祐一は背を向けたまま、自身の頭を指差した。そう言えば、そこにあるはずのヘルメットがない。
「くっそ、あの不良教師め! 毎朝ノーヘルで登校してんのか!?」
よく解らない叫びを、祐一があげる。
「つかまってろよ!」
次いで、バイクは物凄い雄叫びをあげて、タイヤを唸らせた。
主役ダブルでタイーホですか?
あっ、浩平は消えれるか(w
>>734 そうそう。
あいつら、揃いも揃って馬鹿すぎ。
生き残ったのは往人だけだし。
あれ、祐一と浩平だっけ?
死んだのは。
ん、何の話だ。
いやすまん、どう考えても解らん。
生き残ったのが往人で、あとの二人は死んだ? ハカロワでもないよな。まあいいけども。
739 :
734:02/08/20 13:50 ID:R1VZHKCh
俺はSSの感想を書いたんだが。
死んだのは最高だけなはず。
sage
正確には最高も死んでない。
カラスになった。
でもDreamの方ならやっぱ死んでるか?
ああ、原作のことなのか。ようやく合点がいった。
DreamのアレからAIRに続くわけだから、分けて考える必要はないんじゃないの。
ハカロワでは3人ともしんだもんな
メンテー!!
修行中の朋也はどんなタイプの主人公なのだろうか?
とりあえずぶっきらぼう度は、往人より低く浩平祐一より高いと見た。
不良らしいが他よりひねてそうで実際は他よりも常識人
常識人が故に振り回されるタイプな気がするな。なんとなくな。
祐一型か
751 :
名無しさんだよもん:02/08/24 17:06 ID:H+MbXuvq
浩平と祐一の外見の違いは髪の色ぐらいしかなさそう
祐一:黒
浩平:茶
ゲーム中の一枚絵だとそんな感じだし
つまり
アニメ顎を茶髪に:アニメkanon風浩平
OVA浩平を黒髪に:ヴァイオリニスト祐一
になると思う…と言ってみる。
_人人人人人人人人人人人人人人_
> な なんだってー!! <
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/ `''.v'ν Σ´ `、_,.-'""`´""ヽ
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どっちとも茶だと思っていた。記憶が随分曖昧になってるな。
顔か。俺的イメージだと、そうだな。有名なところに例えれば、
祐一=スコール、浩平=ティーダ(それぞれFF8、FF10な)ってイメージがある。
つまり祐一がちょっと吊り目な感じで、浩平はいかにもお調子者っていうか。
まーどーでもいーけど。
>>753 そーか。俺は祐一はあのアニメのツラでも結構納得してるよ、アゴさえどうにかしてくれりゃ。
ただ、アニメ浩平は、ちょっと。キラキラしすぎで受けつけられん。
アニメ浩平は、髪型から髪の色から顔の輪郭まで
全てゲームと違うんだが。
ついでに中身も。いや、ついでぢゃねーな。
どうかんがえても外見より中身の違いの方が問題かと…
祐一&浩平『アニメの事は忘れてください。はじめからなかったんだって、そう思ってください。』
760 :
京大繭:02/08/25 02:43 ID:FMDYY1jk
そうしておきます…(w
むしろAIRもアニメ化して最高も引きずり込んで欲しい
顎先最高
>>761 顎が長くて目がキラキラしてて真面目でヴァイオリニストで一人称が僕なキャラになるわけだ。
7年前のあの街で祐一は一人の傷ついたカラスを拾った
そのカラスは羽根を怪我してるらしく皆に内緒で怪我が治るまで買うことにした
そして7年後…再び訪れたこの街で
祐一の前に黒い服に身を包んだ長身の青年が現れた
「お前だけは許さない」
そして祐一はボコボコにされた
祐一が下手なのにクレーン荒らしの肩書きを持ってたのは後ろで往人が操ってたとあ
アホな事を考えてしまった。
>>763 >目がキラキラしてて真面目で一人称が僕なキャラ
俺が鍵ゲーを一切プレイしていない頃の国崎に対するイメージはこんなだった。
「人形使い」という肩書きがそうイメージさせたのだろうな。
>>767 そうか、最高の場合別に人形劇で生計立てんでも、キャッチャー系ゲームの人形
根こそぎ持ち出して転売で生きていけるじゃん。でもそれは最高のプライドが許
さないという罠。
パチンコやパチスロもいけそうだ
ギャンブルで勝つ最高はなんかやだな・・・
つーか>769の発想が最低なんだが(w
775 :
名無しさんだよもん:02/08/29 14:44 ID:40NL5+Eb
>>772 最後は祐一と…ガクガクブルブル
776 :
永○:02/08/29 14:45 ID:dS/RtOGN
ヒャッホウ!!
777 :
名無しさんだよもん:02/08/29 15:37 ID:z/Mnky49
おまえらメンテです。しかしネタねえな。
メンテ折原君参上