葉鍵最萌え 後会 5次会&感想スレ

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159なにがしだよもん ◆ie2wgyeo
「そろそろ時間です」

セリオの声が後ろで響いた。無言で頷いた後、ぼくはトーナメント会場を見回す。
静まりかえった観客席、集計団が居たコンクリートボックス、闇に薄らぐマウンド。
ほんの三週間前まで、ぼくらはここで、夢の競演に酔いしれて居た。
最後の試合が終わり、エンディングフラッシュが流れたとき、ぼくは、不覚にも涙を流した。
手にしたプリントアウトされた観戦記をめくる。川名みさきと倉田佐祐理の試合を記したものだ。

>http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1015/10156/1015693672.html (873〜892)

良く出来ていると思った。あの場所にいた人間は、当時の熱気を思い出すだろう。
3/3という日は彼女と浩平の卒業式の日と重なる、というくだりには、胸にこみ上げるものがあった。
読むうち、ぼくは、試合の日を思い出していた。
「この試合でね、点字をやってみたんだよ。難しいんだ、これは。なんでこんなに不便なんだろうって。
 もっと技術が発展して、彼女みたいな人に光をプレゼント出来たらなって思った」

ぼくは、もう一つの観戦記を開く。決勝戦を扱ったものだが、この前読んだシュバルツブルーだー氏の作品とは違う。

>http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1015/10156/1015693672.html (704〜744)

上のものとは作風が変わっていて、実況中継風だ。読んでいると、あの壮絶な…終わったあと廃人になってしまうほどの…
戦いが、テンポ良く再現されているのに気付く。
ぼくはあの怒濤に呑み込まれて殆ど何も出来なかったけれど…名前を出してくださって感謝致します。本当は本スレと
感想スレの2段構えで対応するはずだったんですが…飽和してしまいました。

「723などで参加者の発言をうまく切り取ってきているあたりはさすがだと思った。この技術、勿体ないなぁ。何かに活かして貰えないだろうか」
「はい」
「それと、728にある"万感の思い"ってコメント…そうだね、まさに、その通りだね」

 試合が終わったとき、心を埋め尽くしたもの…それはまさに、万感の思いとしか言えないものだった。
160なにがしだよもん ◆ie2wgyeo :02/03/31 23:58 ID:h5j09JCr
もう一度だけ、無言のコンクリートボックスを見上げる。
最萌トーナメントはまさに戦争だった。多くの者が傷つき、脱落していった。
戦争において、勝利を得るのに必要なのは、優れたルールではなく、優れた指揮官だ。
あの集計団はまさにそうだった。政治的理由に殆ど縛られることなく、大目標のために必要な妥協を果たし、難しい綱渡りをやりおおせた。
感謝してもし足りない。彼らは、彼らこそは、トーナメント最大の功労者だったのだ。
もちろん集計団だけではなく、彼らを支え続けた人々にも感謝を捧げねばならない。
特に、最も危機的な時期にやって来た外部からの援軍、彼らの加勢がなかったら、このトーナメントはどうなったかわからない。
幾つもの偶然が重なって、というか、トーナメントはよくよく幸運に恵まれていたと思う。

ああ、それにしても静かだ。
あの熱気は幻に過ぎなかったのだろうか…? 再びこの葉鍵板は衰退の道を歩むのだろうか?
いいや、これからは違うだろう。

「…そのときはまた、最萌トーナメントをやればいい、か」

セリオは不思議そうな顔をした。ぼくはどうやらニヤニヤ笑いを浮かべていたらしい。
時計を見る。うん、もう時間だ。
セリオを促し、出口へと歩き出す。

最萌トーナメントのみなさん。ぼくは、あなた方と共に在れて、本当に幸せでした。

それでは、さようなら、葉鍵板。
さようなら、最萌の種子たち。