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「あ〜ん、こうへい、やめてよ〜」
「まてまて〜」
8つくらいの男の子が、水鉄砲片手に同じ年頃の女の子を追い回している。
「さあ、かくごしろ、もうにげられないぞ」
「やだよ〜やめてよ〜」
びしゃっ!
「あ〜ん、つめた〜い!」
びしゃびしゃっ!
「やだよ〜、つめたいよ〜」
びしゃっびしゃっ!
「つめたいよ〜、びしょぬれだよ〜・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・?」
だんだん瑞佳は目が覚めてきた。
・・・夢?・・・浩平が私に水鉄砲で・・・
そう、それは小さい頃の瑞佳と浩平の夢だった。
・・・でも・・・なんかお尻が冷たいなあ・・・ほんとに水鉄砲で撃たれたみたい・・・?
尻のあたりの冷たい感触を感じた瑞佳は、掛け布団を剥いでみた。すると、
「ええええっ!?」
シーツには、見事に大きな地図ができていた。パジャマのズボンも、パンティもぐっしょりだ。
「う・・・うそ・・・どうして・・・」
瑞佳は自分の作った恥ずかしい染みに、激しく動揺していた。
・・・そっか、夕べ浩平にお酒飲まされて、それでふらふらになっちゃって・・・トイレ行かないで寝ちゃったんだ・・・
昨晩、夕食の後に浩平が、酒を飲めない瑞佳に無理矢理飲ませたのだ。決して強くはない酒だったが、一口で真っ赤になり、三口でふらふら、結局半分も飲めずにギブアップしてしまった。
・・・ど・・・どうしよう・・・浩平が起きたら・・・怒るよね・・・ぶたれちゃうかも・・・
横には浩平が、静かな寝息を立てていた。