今更アクアプラス版To Heartやったのですが

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37名無しさんだよもん
「ま・・・雅史・・・?」
 顔を赤らめて自分をみつめる雅史に浩之はただならぬ雰囲気を感じて雅史の名を呼んだ。
 そこにいるのが本当に雅史なのか、幼いころからの親友の雅史なのか確かめるように。

 そして雅史は自分の思いを打ち明け始めた・・・・・・。
「ずっと・・・見てきた・・・幼いころから・・・あかりちゃんよりも・・・
 志保よりも・・・僕が・・・僕が・・・一番・・・浩之のことを・・・」
 そう言いながら雅史は自分の服の上着を一枚一枚脱いでいった。
「あの〜雅史・・・さん・・・?・・・!!?雅史・・・!!?お前っ・・・」
 浩之は愕然とした。服を脱いで上半身を曝け出した雅史のそれは男のものでは
 なかったのだ。
「ふふふ・・・驚いた?浩之・・・そうだよね・・・男の子のはずなのに・・・
 女の子みたいな胸があるんだもん・・・・・・そうだよ・・・浩之・・・
 僕は女の子なんだ・・・・・・・・・」
「・・・ま、雅史・・・・・・・・・」
「僕の家のしきたりでね・・・最初に生まれた子供はたとえ女の子でも・・・
 男の子として育てられるんだ・・・家を継ぐために・・・ね・・・
 だから僕は・・・生まれてからこの日までずっと男の子として育ってきたんだ・・・
 男のみたいにサッカーして、格闘技に興味あるようなふりもして・・・・・・
 でもずっと思ってたんだ・・・僕もあかりちゃんや志保みたいに好きな人に好きって
 言いたいって・・・・・・ずるいよね・・・あかりちゃん達・・・僕がこんなに
 悩んでいるときに自分達だけ自分の気持ちを言っちゃうんだから・・・・・・・・
 それでも僕は男の子として、浩之の友達として過ごさなければならなかった・・・
 でも・・・それももう限界・・・浩之のせいだよ・・・・・・」
「お、俺の・・・・・・?」
「うん・・・誰にでも浩之は優しすぎるから・・・僕も自分の気持ちを抑えた
 まんまじゃいられない・・・・・・よ・・・・・・」
 そう言って雅史はそっと浩之の体を抱きしめた。

38名無しさんだよもん:02/03/13 14:40 ID:pS/d78xH
 突然の雅史の行動にうろたえる浩之。しかし浩之はなんとか言葉を紡いで言った。
「な、何言ってんだよ雅史・・・そ、そ、それに・・・俺が誰にでも優しいって・・・
 馬鹿言うなよ・・・雅史・・・お前等だけだよ・・・お前等だけに決まってるだろ・・・
 俺はそんな誰にでも優しくした覚えなんてねぇよ・・・そんなのお前等が・・・
 一番良く分かって・・・・・・はっ・・・!」
「ふふふ・・・そうだよね・・・浩之は誰にでも優しくなんてなんてなかった・・・
 僕達だけだったよね・・・そう僕達だけ・・・・・・・・・」
 そうつぶやいて浩之の胸に顔をうずめる雅史。
「誰にでも・・・そう、誰にでも優しかったら良かったんだ・・・僕もまわりのみんなと
 同じだったら・・・そしたら自惚れずにすんだ・・・・・・僕が浩之の中で
 まわりよりも特別な存在だなんて・・・自惚れずにすんだ・・・
 でも・・・もう駄目だよ・・・自分の気持ちが抑えきれない・・・・・・
 全部・・・浩之のせいだよ・・・・・・責任とってよ・・・・・・」
「責任たって・・・どうやって・・・・・・」
 困惑する浩之に雅史はつぶやくように言った。
「・・・・・・抱いて・・・よ・・・浩之・・・・・・」

39名無しさんだよもん:02/03/13 14:42 ID:pS/d78xH
「ッッッッ!!!?」
 予想しなかった雅史の爆弾発言に驚く浩之。
「だ・・・抱けって・・・雅史・・・それって・・・まさか・・・・・・」
「一度だけでいいんだ・・・浩之・・・それでもう忘れる・・・・・・
 自分が女だってことも・・・藤田浩之という男のことを愛してしまったことも・・・」
「ま・・・雅史・・・・・・」
 雅史の必死の告白を受け止める浩之。しかし今までの親友と体を重ねることを
 ためらうばかりに浩之は話をそらそうとした。それが墓穴を掘ることになるとも知らず。
 選考した話題もどうかと思うが・・・仕方ない。この時の浩之は冷静ではなかった。
「そ、そういやぁ・・・雅史・・・お、お前の胸・・・学ラン着てるときって・・・
 全然目立たなかったよな・・・?けっこう大きいのに・・・うん、あかりよりは・・・
 断然大きいぜ・・・ハハハ・・・」
「・・・うん・・・そりゃそうだよ・・・普段は・・・本当に胸ないからね・・・」
「・・・?・・・どういうことだ?」
「うん・・・うちの家にずっと伝わる特殊な薬でね・・・女の子が男の子として生きていく
 ためにね、体の変化を抑える薬があるんだ・・・ホントは僕の体は既に年相応な女の子の
 体になってるんだけど、この薬を使うとね男の子と女の子の差異の部分を男の子の体を
 ベースにして抑えてくれるんだ・・・・・・でも今は解毒剤を使ってるから・・・
 あは・・・今まで自分の男の子の体しか見てこなかったけど胸こんなに大きく
 なってたんだね・・・・・・良かった・・・浩之、胸の大きな女の子好きって
 言ってたから・・・・・・・・・それに・・・いくら下は普通に女の子だって
 言っても浩之には完全な完全な女の子になった僕を見て欲しかったから・・・」
40名無しさんだよもん:02/03/13 14:44 ID:pS/d78xH
「・・・そ、そうだったのか・・・それにしても解毒剤なんて良く持ち出せたな・・・」
「?・・・ううん、違うよ・・・解毒剤なんてないよ・・・・・・・・・
 最初に生まれた子供っていう立場なんて変わるものじゃないからね・・・
 解毒剤なんて家じゃ作ってないよ・・・必要ないんだもの・・・・・・」
「え?じゃそれどうやって手にいれたんだ?」
「専門の薬剤師の人に条件付きで作ってもらったんだ・・・薬のサンプルさえあれば
 解毒剤って作れるみたいだから・・・結構簡単だったって言ってた・・・
 薬の性能の特殊さの割にはって・・・あははは・・・」
「ふ〜ん・・・ん?ところで条件付きってどういう条件だったんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「雅史?」
「・・・やっぱ浩之に嘘をつくわけにはいかないよね・・・ここまで自分の思いを
 全部正直に曝け出したのに・・・・・・・・・・・・」
「雅史・・・?」
「・・・その解毒剤作った薬剤師の人ね・・・少し特殊な趣味の持ち主なんだ・・・
 完全な女の子の体に戻る前の・・・まったく胸のなかったころの僕の体が・・・
 すごく・・・好きだって言って・・・・・・それで・・・・・・・・・」
 雅史の声がだんだんと小さくなりそして消えていった。
41名無しさんだよもん:02/03/13 14:44 ID:pS/d78xH
「ま、雅史・・・まさかお前・・・」
 そして雅史の目から浩之の胸にボロボロと大粒の涙がこぼれる。
「うぅぅ・・・う・・・ああぁ・・・ひぐっ・・・
 ごめんね・・・ごめんね・・・浩之ィ・・・僕・・・僕・・・ボクゥ・・・
 だって・・・だって・・・浩之には・・・浩之にだけは・・・どうしても本当のボクを
 見て欲しかったから・・・うう・・・うぁぁぁぁ・・・・・・・」
 プチッ。
 浩之の中で何かがはじけた。そして消える。
 次の瞬間浩之は自分の唇で雅史の唇を強引にふさいでいた。
「??んんっ!!・・・んふぅ・・・ん・・・んんん・・・んふぅ・・・」
 雅史は突然の浩之の熱い求愛にとまどうもだんだんとおとなしくなっていった・・・。

 しばらくして浩之は雅史の唇から自分の唇をそっと離した。唇をわずかに離したときに
 絡まっていた二人の舌が見えそれが緩やかにほぐれつつ、そして唾液の糸を引きながら
 だんだんと距離を取って行った。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・ハァ・・・・・・ひろ・・・ゆ・・・き・・・ィ」
 恍惚の、それでいて快楽に浸った瞳と表情で浩之の名を呼ぶ雅史。
 そんな雅史に対して浩之は言った。
「馬鹿だよ・・・馬鹿だよ・・・・・・お前・・・そしてズリぃよ・・・
 そんなこと言われたら・・・もうお前以外・・・愛せなくなるじゃねぇか・・・」
「ひ、浩之・・・・・・それじゃ・・・・・・」
「ああ・・・俺はこれからお前以外愛さねぇ・・・お前だけだ・・・」
 そして再び雅史の唇を塞ぐ浩之。雅史はそんな浩之の行動に返すかのごとく
 両手で浩之の体を思いきり抱きしめた。

 
42名無しさんだよもん:02/03/13 14:47 ID:pS/d78xH
 あれからどのくらいの時間が過ぎただろうか。お互いの気持ちを通じ合った
 二人の男女が体でそれを確かめ合って。
 ベッドの中から1人の少女が、隣で寝ている大柄な青年の腕枕からそっとぬけだす。
 寝ている青年を起こさないように少女はもぞもぞと自分の男モノの服を着ていく。
 服を全て着終えて少女はそっとベッドで寝ている青年に言う。
「ありがとう・・・浩之・・・そしてごめんね・・・浩之の気持ちはうれしかった・・・
 生きていた中で一番うれしかったよ・・・でも・・・僕達は・・・・・・・・
 これで終わりにした方が良いと思う・・・それがいいんだ・・・そうしなければ・・・」
 そう言って少女は鞄から一つの小瓶を取り出し中の液体をクイッと飲み干す。
 すると少女の均整のとれた肉体を形作っていた構成要素の一つである豊満な胸が
 みるみる小さくなっていって男のそれと全く変わらぬ胸板になっていった。
 これで彼女の美人な顔を除けば彼女が男だと言われても疑う余地は無くなった。
 まるで夢をみているような光景だ。
 そしてさらに彼女は鞄から別の小瓶を取り出した。小瓶といっても今度のは
 まるで香水の容器のような小瓶だ。少女は蓋を取って中身を寝ている青年の
 枕に染み込ませる。
「いい香りでしょ・・・浩之・・・・・・寝ているときにこの香水の香りを
 嗅ぐと一日以内の出来事を全部忘れてしまうんだ。ついで睡眠を促すって
 効用もあるんだけど・・・」
 空になった小瓶を鞄に詰め込む少女。そして振り絞るかのような声で言った。
「・・・さよなら・・・・・・」
 そして少女はその部屋を後にした。

 
43名無しさんだよもん:02/03/13 14:48 ID:pS/d78xH
 その日浩之は学校に遅刻した。全6時限の授業のうち5時限と20分を遅刻する
 という遅刻史に残る大遅刻だった。職員室で担任の先生にたっぷりと絞られた浩之が
 掃除も終わって帰る生徒しかいなくなった教室に戻ってくる。
「ちくしょ〜、さんざん怒られたぜ。なんだよーいいじゃねぇかよ。
 たった5時限と20分遅刻したぐれぇ。」
「・・・いいはずないよ・・・浩之ちゃん・・・・・・ううう・・・」
「ああっ!!あかりぃ、おめぇまでそんな事言うのかよぉ、ひでぇ信じられねぇっ!
 ・・・ってさっきからうるせぇよ!おめぇら!俺に『何しに来たんだ?』以外の
 言葉言えねぇのかよ!」
 あかりに文句を言ったあと冷やかしを入れるまわりのクラスメートを一喝する。
「ははは、全くしょうがないなー浩之は」
「おおお、雅史ィィィ、おめぇだけだぜ俺のことわかってくれるのは!」
「たぶん、それ違うと思うよ浩之ちゃん・・・・・・あうぅぅっ!」
 冷静に突っ込みを入れるあかりの頭にチョップを落とす浩之。
「うるせぇぞ、あかり黙ってろ」
「あうううううぅぅ・・・」
「ははは・・・しょうがないなぁ浩之は・・・」
「・・・・・・雅史?・・・お前大丈夫か・・・?」
「・・・え?何・・・なんのこと・・・?」
 突然の浩之の質問の意図がわからず困惑する雅史。
「・・・・・・いや、なんでもねぇ・・・わりい、俺の思い違いだ・・・気にすんな」
「・・・・・・・・・・・・」
「ん、そういや雅史お前なんでここにいるんだ?今日部活は?」
「やだなぁ・・・今日は部活無いって昨日の昼休みに言ったじゃないか。忘れたの?」
44名無しさんだよもん:02/03/13 14:49 ID:pS/d78xH
「??言ったっけ?そんなこと?」
「うん、言った浩之ー。酷いなぁ、忘れるなん・・・・・・忘れるなんて・・・」
「うん、浩之ちゃん。確かに雅史ちゃん昨日その事話したよ。そんで浩之ちゃんも
 だったら明日、って今日だけどみんなでゲーセンに行こうって言ってたじゃない。
 なんでも新しいゲームがでたとか・・・・・・」
「ま〜、だ〜れかさんが大遅刻して怒られたせいでその時間もかなり少なくなったけどぉ!」
「あ、志保。お帰り。どう購買部での用事すんだ?」
「まぁね〜。ホントは帰り道どっかの文具店で済ませようと思ってたんだけど
 だれかさんのおかげでもう既にすんじゃったわ〜。」
「感謝しろよ。」
「あんたには反省ってものがないのっ!?あ〜もうこんな事してる間にも
 時間がどんどん過ぎていくわ〜。もうっ、早く行くわよー。」
「う〜ん、そのことなんだが俺ホントにそんな約束したっけ?どうにも記憶が・・・」
「別いいじゃない、そんなこと。どうせアンタのことだから、たいした用事なんて
 ないでしょ。だったらGO!GO!Let’s GOよ!重要なのは今日
 雅史がフリーってことなのよ。」
「ん、まぁそれもそうだな。よっしゃ行くか!・・・って志保さんさっきドサクサに
 まぎれて失礼なこと言ってませんでしたっけ?」
「んん〜?そうかしらぁ〜?ま、いいじゃない、そんなこと、早く行くわよ。」
「へいへい・・・ん、お〜い、雅史何やってんだよ、置いてくぞ。」
「・・・・・・あ!ま、待ってよ〜浩之ィィーーーー」
「このスカタン!肝心の雅史を置いて行ってどうすんのよ!
 これだからあんたは・・・ムギュッ!!」
「あ〜ホントにこいつは・・・うるせぇ。さ、雅史早く行こうぜ!」
「うん、浩之っ!!」