葉鍵板最萌トーナメント!! 決勝 Round169!!

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眠れぬ夜を越えて思い立ったように向かった場所………。

上空には、まだ夜を維持しようと残った数個の星が輝く。
桜には少し早いこの季節……我を主張する沈丁花の強い香りが辺りには漂っている。
郊外から離れたこの聖域には他に人影が無く、玉砂利の音が踏みしめる度に鳴るだけで
偶に離れた樹木の影から野鳥の声が響くのみ……… 。
そして禁断の地………胸には二輪の名も無き紅い華………。
立ち止まり向かい会ったモノリスに語りかける。
「おはよう………」
ポツリと呟くが……寒く澄んだ空気に吸い込まれ消える。
「ここを訪れるのは ………久しぶりですね………」
そっと一輪の華を手向ける……。
「あはは、ちょっと逃げ出して来ちゃいました………
   このまま、いなく為ったらみんな心配しますよね?」
水面のように磨きこまれた石面に映った冷たい表情を見ながら………
これまでの経過を振り返り思う………新たな出会い………そして別れ………
 決して立ち止まる事を許さぬ状況。