葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round158!!

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「巡り逢い」(2/2)
セリオの顔を眺めながら、どれほどの時間が経っただろうか。
顔を曇らせた彼女の顔が近づき、小窓に口付けをする。
「誠に申し上げにくいのですが、高度が下がっています。
このままでは、救援のラムジェットが来るまでに大気圏に突入します。
できる限りの手段を使用しましたが、駄目でした。最後の手段をとりたいと思いま
す。」
それまで気付かなかったが、よく見ると下のほうからコードがたなびいている。
セリオは自分の腹を裂き、燃料電池である液体水素と液体酸素を反応させて、
噴射し、高度を保っていたのだ!
「私の質量で蹴り上げれば、反動で救援が来るまで高度を保てると計算しました。
実行に移します。」
待ってくれ。お前はどうなるんだ?
「大気圏に突入し、燃え尽きます。…人間のお役に立つのが、私達ロボットの努めですから。
しかし、それだけではありません。」
セリオはそう言うと、メモリーチップを取り出し、髪の毛を抜いて開閉チャックの
ファスナーに結わえ付けた。
「これで、助かるのは体が一つ、ココロがニつ・・・・です。新しい私も、可愛がって
やって下さい。
アイを有り難うございました。」
骨壷に再び衝撃が走る。セリオがどんどん小さくなっていく。
俺は、それを無重力下で水分を撒き散らしながら、見ている事しかできなかった。 ずっと、ずっと。
子供「流れ星!」
メイドロボ「綺麗」 子供「うん」
メイドロボ「何を祈ったの?」 子供「えへへ、おもちゃのライフル銃が欲しいってさ。」
メイドロボ「まぁ、あきれた。」 子供「じゃぁ、お姉ちゃんは?」
メイドロボ「私?私はね、世界中からロボットの偏見が無くなりますように、
      世界中のヒトとロボットが、仲良く平和に暮らせますようにって、祈ったわ。」