葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round158!!
「そんなこともあろうかと思って、パトロール用の車両は用意してあるわよ」
来栖川博士が、手際のいいところを見せる。
「ジープに、バイク、オープンカーにサイドカー。なんでもよりどりみどりよ」
「ですが博士、私たちには免許がありません」
冷静に指摘するセリオ。
「大丈夫だ。現役の高校生が戦隊員だったこともある」
と、言ってから俺は、少々、危険な事実に気が付いた。
「……流石に、イエローにエンジンつきの乗り物を運転させるのはまずいかもしれないな」
「はい?なんですか?」
無邪気に訊いて来るマルチ、メイドイエロー。
「イエロー、自転車に乗ったことはあるか?」
「ありませんが、きっと乗れるようになってみせますっ」
いや、一所懸命なのは評価したいのだが、とりあえずは無理そうだな。
「うん、パトロールは徒歩で行うか。各自、普段着に着替えてまた集合だ」
「「「「「はい」」」」」
きっかり20分後。
可愛らしい私服に身を包んだ5人のメイドロボがまた司令室に揃った。
「地区割とか…は、いいか。適当にパトロールして、何か異常があれば即連絡を取り合う、という方向で」
「「「「「了解」」」」」
司令室から出て行こうとする4人。しかし、何故かセリオは長官席の俺のところにやってきて、もじもじと手
を組んだ。
「あ、あの、長官」
「どうした、ブルー」
「い、いっしょにパトロール、行きませんか?」
もじもじ。
………あまりの事に俺が固まっていると、入口からひょいと首をのぞかせたマルチ2nd、メイドグリーンが
大声を上げた。
「ああ、セリオさんずるいです!」
その声を聞きつけて、先に出た3人も戻ってくる。司令室は大騒ぎになった。