葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round158!!
前回までのあらすじ。
来栖川電工の試作メイドロボ5名によって結成された『ご奉仕戦隊メイドレンジャー』。
オーナーに来栖川芹香、司令長官に藤田浩之、装備開発責任者(指示を出すだけで本人は何もしない)に芹香の妹、来栖川綾香博士を迎え、組織体制は整い、決めポーズも万全。
すべて順風満帆な中、ただ一つ、重大な問題が浮上した。
彼女らには、倒すべき敵がいなかったのである。
何気なく指摘した言葉に一堂が固まってから、優に2分は過ぎていた。
とはいっても、綾香…来栖川博士は表情から見て面白がって状況を見ているだけだし、芹香先輩…来栖川オー
ナーはいつもの通りといえばいつもの通り。
「長官」
どうやら最初に自己完結したらしいセリオ、メイドブルーが俺に声をかけてきた。
「打開策をお願いします」
お任せ、と来た。ま、しょうがない。俺も戦隊ものの素人というわけじゃないからな。ここは一つ長官らしく、
びしっと何か指示を出すか。とは言え、悪の組織の心当たりとかもないしな……。
少々悩んでいると、コード、メイドホワイトがしゅたっと手を上げた。
「長官♪」
「なんだ、ホワイト」
「この際広報活動を行ってみてはいかがでしょうか♪我々メイドレンジャーがここにいるとなれば、悪の組織さ
んが向こうからコンタクトしてくるのではないかと思います♪」
「あー、残念だが却下」
「ええ?なんでですか?」
コードは抗議してきた。
「戦隊の存在は部外秘だ。故に広報活動のたぐいは一切許可されない」
「そうですか……」
しゅんとうなだれるコード。ちょっとかわいそうだが、こればっかりはな。
「ここは何だ、一つ、パトロールをしよう」