葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round158!!
スタジアム控え室。
セリオは目を閉じ、ベンチに腰掛けていた。
サテライトからのデータが、次から次へとメモリに流れ込んでくる。
セリオは全世界に散らばった妹――HM−13とそのマスター達から寄せられたメッセージに、残らず目を通していた。
「セーリオっ」
一人の少女がセリオに声をかけた。
ちょっと大きめの耳、寺女の制服、春キャベツたっぷりスープの好きな女の子――田沢圭子である。
「――なんでしょう。田沢さん」
セリオは圭子を視認すると、そう答えた。
「ごめんねー、起こしちゃって。急がないと時間になるよ」
圭子は申し訳なさそうに言うと、部屋の時計を指差した。
「――お気遣いありがとうございます」
「ううん。さ、いこう。みんな待ってるよ」
「――はい」
セリオはサテライトのデータを大事に保管すると、控え室をあとにした。
トーナメント会場は熱気に包まれていた。
支援してくれる全ての人々の想いを胸に、セリオは会場へ足を踏み出した。
HMX−13セリオ 入場。