葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round157!!

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931千鶴入場6
「定時に会場に到達できないことは、対戦相手に対し失礼なことと判断されます」
「それは千鶴様の不利益となります。それを避けるため、私には千鶴様を送り届ける義務があります」
 淡々と説明をするセリオ。その無表情にしかし感情が宿って見えるのはなぜだろう、と千鶴は思った。
「わかったわ、今回もあなたにお願いすることにします」
 セリオの後ろに回していた腕を解きながら、千鶴は言う。と、セリオがハンカチを取り出して千鶴に差し出す。
「でも、応援はしなくてもいいですからね」
 ハンカチで涙をぬぐいながら、セリオにそう告げる。
「その心配はございません、私はすでにプロトタイプにより『支援』と『投票』を禁止されております」
「ああ、そうだったわね」
 小さく笑う千鶴。
「でも、見守っていることはできるでしょう。だから私と、あなたのお姉さんの試合を無理せず見てなさい」
「そしてあなたの中に生じたものを、バグだのなんだのと言わずにじっくり解析しなさい」
「承知いたしました」
 そして千鶴は小さく伸びをして、会長室に足を踏み入れる。
「さあ、仕事をしましょう。なんだかんだといって、少し時間を食ってしまったようだから」
はい、と小さく答えてセリオがあとに続く。

柏木千鶴、入場。