葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round157!!
923 :
千鶴入場2:
千鶴は振り向き、自分のセリオを見つめる。そして少し混乱しながら口を開いた。
「今セリオといったけど、あなたとなの?」
「いえ、私は鶴来屋会長秘書としてのカスタマイズはされておりますが、基本的にはHM-13、市販用量産型に過ぎません」
「千鶴様の対戦相手はHMX-13serio、私達量産型のベースとなった機体です」
千鶴の目を、何の感情も交えずに見返しながら、セリオは言った。
「えぃち・えむ・えっくす? …つまり、あなたがたセリオのオリジナル?」
なお混乱していた千鶴は、それでもなんとか思ったことを口にしてみた。
「正確には違います。オリジナルではなく、プロトタイプと称されるものです」
「私達量産型──この場合HM-12,13を示しますが──は、HMX-12とHMX-13により収集されたデータをもとにプログラムされ、活動しております」
少量ではあるものの聞きなれない専門用語にさらされ、千鶴はさらに混乱してしまった。
「……え、えっと、つまり」
必死になって考えをまとめようとする千鶴。とりあえず自分に馴染みのある言葉で言ってみる。
「…つまり、あなたたちみんなのお姉さんみたいなものなのかしら」
「HMX-12がHMX-13との関係を説明する際に、『おねえさん』という表現を使ったというデータがございますので、問題ないと判断されます」
セリオが言ったことを頑張って脳内変換して、それが肯定であると思った千鶴は小さくため息をついた。そして改めてセリオを見る。