葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round156!!

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162はるか。それはずっと昔の一つの出会い。
少女は 一人だった。

いつも 一人でいた。

友達がいなくて 寂しいと思うことも なかったけれど。

一人でいて 嬉しいと思うことも もちろんなかった。

だからその時 間の抜けた返答しかできなかったんだと どこかで思った。

「ねえ、いっしょにあそばない?」
「おなかすいた」

彼女は 笑っていた。

いつも 笑顔でいた。

背中にまで届いた さらさらの髪が ふわりと 太陽に舞いあがって。

なんだか まぶしかった。

「チョコ、食べる?」
「うん」

そうして 板チョコを半分に 二人は 笑顔で食事を終えた。

一人で食べる食事ほど 冷たいものはないんだと 幼な心に わかっていたから。