葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round156!!
117 :
はるか。それはずっと昔の一つの出会い。:
瞳を閉じれば まどろみの中 浮かんで 消える。
耳を澄ませば 風の声 窓に当たって 消える。
部屋の匂いは そっけなくて 冷たい感じ。
翼のない背中に 囚われた重力が ベッドのスプリングを押しつけて。
気分が悪くなる そんな溜息の出る 脱力感。
「バカみたい……」
唇が紡ぐ不協和音 舌が刻む波形のビート 刺々しいリズムで。
少女は 自分の心を 傷つける。
「何がアイドルよ、何が人気者よ、何が歌手よ……」
瞳は腕で押さえつけられて 瞼越しにずきりと 眼球が痛んで。
こぼれた雫は 痛みのせいだと 無理矢理思うことにした。
風が 止む。