「まったく。ほら、もういい時間よ。帰りましょう」
そう言って、理奈は冬弥に背を向けると歩き始める。
「アッ、ちょっと待ってよ」
慌てた冬弥は、急いで理奈を追う。
冬弥の声を背に受けた理奈は、数歩その美しい脚を速めるが結局は戻す。
不意に、ここで私が駆け出せば三流青春映画のノリね。と、思いまた、そのシーンを思い浮
かべた理奈は、その美しく整った顔を人々を魅了した微笑みへと変える。
「捕まえた」
「きゃっ!」
慌てて駆けつけた冬弥は、追いつくといきなり後ろから理奈の細い首に両腕を絡ませ抱き締
めてきたから、小さな悲鳴と共に理奈の動きが止まる。
「捕まえた」冬弥は繰り返し告げる。ただし今度は、理奈の耳元で囁くように、そっと。
冬弥の心臓の鼓動を背中で感じながらも、いきなり脅かした恋人に理奈は批難を口にしよう
とした。とその時、理奈の形のよい顎に冬弥の右手が触れる。そっと優しく触れた右手が理奈
を振り向かせる。
「あっ…」
理奈の口が短く一言発すると、冬弥の口で塞がれた。
水平線に僅かに姿を見せる夕日が、砂浜に一つの影を作り出す。
SS初心者ですけど、理奈支援SSです。続きは寝てから書きます。
で、もう一つ支援SS。
http://www.kitanet.ne.jp/~cas-per/cgi-bin/img-box/img20020227224236.txt <<緒方理奈>>で一票。CATVです