葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round155!!

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910抱きしめたい @
 水平線に半ば身をゆだねた太陽の光は、暖かなオレンジで人気のない海辺を照らす。オ
レンジ色に照らされた砂浜を静かに打つ波の音が、遠くから聞こえてくるつがいの海鳥の囁
きあうような鳴き声が、この場で佇む二人には心地よい。
 緒方理奈は今を満喫している。
 波打ち際で優しく吹く風に身をゆだねながら、波と海鳥の醸し出すハーモニーを理奈は聞
き入っていた。
 藤井冬弥もまた、今を満喫していた。
 暖かな夕日が彩る理奈の白い水着に、理奈の美しい肉体が生み出す流線が作り出す影
のコントラストに、冬弥は心を奪われていた。
 だから、名も知らぬ美の女神や造型の神達に数え切れぬほどの礼拝を、心の中で繰り返
しながら理奈の後ろ姿を堪能していた冬弥には、理奈の美しいバストラインが視界に入って
も神々達への礼拝が8ビートにテンポアップするだけでしかなかった。
「ねぇ冬弥君? いつまで見ているつもりかしら?」
「のわぁー!」
 いつの間にかに手の届くところまで近づいていた理奈に、急に声をかけられて慌てふため
いた冬弥は奇怪な声を上げる。
911889:02/02/28 02:13 ID:oV26XMPI
>>894
いえいえ。

わざわざ、すみませんです♪
912抱きしめたい A:02/02/28 02:13 ID:A5zD7tkw

「まったく。ほら、もういい時間よ。帰りましょう」
 そう言って、理奈は冬弥に背を向けると歩き始める。
「アッ、ちょっと待ってよ」
 慌てた冬弥は、急いで理奈を追う。
 冬弥の声を背に受けた理奈は、数歩その美しい脚を速めるが結局は戻す。
 不意に、ここで私が駆け出せば三流青春映画のノリね。と、思いまた、そのシーンを思い浮
かべた理奈は、その美しく整った顔を人々を魅了した微笑みへと変える。
「捕まえた」
「きゃっ!」
 慌てて駆けつけた冬弥は、追いつくといきなり後ろから理奈の細い首に両腕を絡ませ抱き締
めてきたから、小さな悲鳴と共に理奈の動きが止まる。
「捕まえた」冬弥は繰り返し告げる。ただし今度は、理奈の耳元で囁くように、そっと。
 冬弥の心臓の鼓動を背中で感じながらも、いきなり脅かした恋人に理奈は批難を口にしよう
とした。とその時、理奈の形のよい顎に冬弥の右手が触れる。そっと優しく触れた右手が理奈
を振り向かせる。
「あっ…」
 理奈の口が短く一言発すると、冬弥の口で塞がれた。
 水平線に僅かに姿を見せる夕日が、砂浜に一つの影を作り出す。



SS初心者ですけど、理奈支援SSです。続きは寝てから書きます。
で、もう一つ支援SS。
http://www.kitanet.ne.jp/~cas-per/cgi-bin/img-box/img20020227224236.txt

<<緒方理奈>>で一票。CATVです