葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round155!!
かつかつ、と靴音が響く。
トーナメント会場に続く通路。
「おはよ、綾香」
「あら、理奈ちゃん。お久しぶり」
来栖川綾香と、緒方理奈。
通路の真中、ばったりと顔を合わせる。
「そういや久しぶりね。学校休んでたからかな」
「仕事?」
「んー、気がついたら兄さんが休みいれてて、そのまんまバカンスに付き合わされて。たく、兄さんたら……」
「大変ねー」
「あら、綾香だって大変だと思うけど。学校行って格闘技やって、でしょ」
「まあ、好きだからね」
しばし、話が弾む。
エクストリームの女王と、トップアイドル。
二つの地上の星も、今はただの女子高生に戻って、おしゃべり。
やがて、理奈が時計を見る。入場が近い。
少女が、再び地上の星に戻る時間。
「やだ、もう行かなきゃ」
「あ、もうそんな時間。試合、頑張ってね」
「うん。綾香もさっきの試合、お疲れ」
「ありがと。あ、そうだ。必勝のおまじない」
「なになに?」
手招きをする綾香。
理奈は、応じて綾香に顔を寄せる。
ちゅ
http://lengss.hoops.ne.jp/img/rina3.jpg 理奈のほっぺに、キス。
「あなたならきっと大丈夫。頑張ってきなさいよーっ」
ぶんぶんと手をふって、綾香は立ち去る。
「う、うん……」
ぼうっと立ち尽くす、理奈。
顔が、やや赤い。
そっとキスされたところに、手を触れる。
やがて、顔をきりりと引き締める理奈。
「そう……私なら大丈夫! がんばんなくちゃ!」
独り気合を入れ、試合場へと歩みだす。
緒方理奈、もうすぐ入場。