葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round155!!
346 :
理奈萌えだよもん:
「なあ理奈、もう少し落ち着いたらどうだ?」
「解ってる!わかってるわよそんなこと!
でもね、どうしても駄目なの。この4ヶ月間のことを考えるだけで、冷静になんていられないのよ!」
青年は、隣の女性と顔を見合わせた。
「どう思う?弥生さん」
「難しいですね。もともと情の深い方ですから、開始以来弱小とバカにされ続けた
Eブロック選手の皆さんを背負ってしまっているように思います。
対照的に大型ブロックといわれたFブロックとの試合、勝たなければというプレッシャーは、
相当のものでしょう。そこへ持ってきて…」
「確かに、今回の相手はキツそうだな。」
「しかし、だからこそリラックスして全力で挑まないと。理奈のことだから始まっちまえば開き直れるんだろうが」
「それでは遅すぎます。スタートダッシュの大切さは、英二さんも解っておいででしょう?」
「ああ、しかし本人があの調子じゃ…」
今の少女には、心配をしている二人すらわずらわしい。
「そこ!静かにして頂戴!集中できないじゃないの!」
「…駄目だ、このままじゃ。何とかしないと。」
…コン、コン…
その時、ノックの音が響いた。
「 ! もう時間か?早すぎる!」
347 :
理奈萌えだよもん:02/02/27 23:41 ID:VgeNgrHb
入ってきたのは、きれいなみつあみの少女。
「なんや、せっかく応援に来てやった言うのに、ずいぶんと荒れとんなぁ。
外にも声がきこえとったで」
「!…あら、保科さん。ごめんなさい。メークが決まらなくて、ちょっとね」
嘘。でも本当のことなんて言えない。アイドルは、偶像として
常に完璧でいなければいけない。弱いところなんて、見せられない。
でも、23時間にわたる熱い闘いを繰り広げた少女は、その嘘をあっさり見破る。
「メークが、か。左の目じりが少し赤いのも、メークが上手くいってないからなんか?」
「!…」
「なんや、つれないなぁ。うちとあんたの仲やろ?もっと正直になり?」
「気付かれちゃったか。でも本当にもう大丈夫。保科さんの顔を見て、少し落ち着いたわ」
「ありがと、お世辞でもうれしいわ。ダチとしては」
「?ダチ?」
「なんや知らんのか?大阪のことわざや。『タイマン張ったらダチ』ってな。
まあ、強敵と書いて親友と読む、って感じやね」
「…ふふふ、マンガみたいね。」
「! ほっとき!」
「あの娘のおかげでだいぶ理奈もリラックスしてきたな。感謝しないと」
…コン、コン…
そして、またノック
無敵の鬼に最強の母。
これがぶつからんかったら嘘だろ。
例のフラッシュの龍虎ネタね。
>>345 今から?
リング穴氏の後でいいんじゃない?
350 :
理奈萌えだよもん:02/02/27 23:41 ID:VgeNgrHb
「緒方さん。お時間ですよ。準備はよろしいですか?」
「牧村さん!」
「うふふ、本当ならコールは別の人だったんですけれど。ちょっと、職権乱用してしまいました
立場上、応援はできないのだけれど一つだけ言わせてください。
準決勝でも、決勝戦でも、緒方さんのためのステージを作らせてくださいね。期待しています」
そうだ。2回戦で出会い、競い合い、そして明暗に分かれた二人。
しかし、その時誓ったはずだ。
偉大なる裏方である彼女が、自分の居場所で輝き続ける限り、自分も、自分の居場所で誰よりも輝き続けると。
「まだまだ負けるつもりは無いわ。決勝戦では特注の舞台を作ってもらうつもりだから、準備しておいてね」
「はい。約束します」
「兄さん、行きましょ。」
立ち上がる少女には、もうプレッシャーも迷いも無かった。
「結局、俺たちにできなかったことを彼女らは二言三言でやってのけたわけだ。妬けちゃうね」
「なんといっても『タイマンはったらダチ』だそうですから。」
「ほらほら、バカ言ってないで。今日も一日頑張るわよ〜♪」