後会スレにあった、
霞さんとどじっこさんの画像から、
二次小説を書いてみました。
『がんばれ、どじっこ!』 全3レス。
「ふえ〜ん、また失敗しちゃいましたぁっ!」
最萌会場リングのあたり、
少し大きめな泣き声が響き渡る。
午後11時から始まる集計の時間の風物詩、
どじっこが集計マシンの操作に失敗して泣き叫ぶ声だ。
「ほらほらっ! 泣き叫ばずにきりきりやる!」
「ふえっ? 霞さん、ごめんなさ〜い!」
しかし、泣き声があがるのも一瞬のこと。
再び集計マシンを操作してゆくどじっこ。
やがて集計は無事終わり、ファイナルアンサーを出して、
今日の仕事は終わりを迎えた。
今日も平和な試合、審議になることもなく、
ほかの集計人たちは笑顔で控室へと戻ってゆくけれど、
ただひとり、どじっこだけは浮かない顔をして歩いていた。
胸には集計マシンを抱えて。
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「それじゃ、おさき!」
「おつかれ〜!」
控室に戻り、軽く挨拶を済ませると、
みんながみんな、それぞれの行動へ移る。
早々に自宅へと戻る者。
次の試合の様子を見に再び会場の中へと戻る者。
そして、表の整理のために控室に残る者など。
いまや、控室に残るのは、最後のまとめをする霞と、
まだ、集計マシンを胸に抱えるどじっこだけだ。
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「霞さん、今日もご迷惑をおかけしてごめんなさい…」
突っ立ったまま、胸にマシンを抱え、小さな声で呟く。
「ん? あぁ、そのことか。気にするな。もう慣れた」
「ええっ!?」
さらりと言う割りにきつい言葉、
どじっこはショックで大きい声を出してしまう。
霞は慣れたように耳をふさいでやり過ごす。
どじっこは落ち着くと、小さな声で呟きだした。
「やっぱりあたしって、どじですよね? どじっこですよね?
みなさんにご迷惑をかけてますよね…」
だんだんとその声は涙声へと変わってゆく。
霞は、やれやれと言う顔をしてどじっこへと近づいてゆく。
「たしかにどじっこだけど、きちんと毎回結果を出しているじゃないか。
更に言えば、そのどじの回数も減っている。みんなも期待してるぞ」
少しの微笑みで霞はどじっこの肩を叩く。
「は、はいっ! がんばりますっ!」
そして、どじっこは集計マシンを所定の場所に戻し、
かばんをかかえて控室の扉を開けた。
「それでは、霞さん、おつかれさまで〜す!」
「あぁ、おつかれ。転ぶなよ」
「は〜い、気をつけま〜す!」
パタン、と言う扉の音とともに、元気な声は遠くなってゆく。
霞はその扉をずっと見続けていた。
優しさにあふれた、その瞳で。
敬称略、ご了承ください
それと、いろいろな意味でごめんなさい。
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