葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round147!!

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748名無しさんだよもん
柏木家の人々 5/6


「耕一、昔、水銀計指で弾いたって言っていたな?」
「お、おう」
千鶴さんが氷なら、こっちは炎だ。これはこれで怖い。
「そうすると、どうなる?」
「体温計は上がるけど、水銀が途中で切れて、仮病とばれた・・・・あっ!」
千鶴さんを振りかえる。
だが、39度近い熱で寝こんでいたはずの千鶴さんはそこにはいなかった。
「ふひゅっ」
「じゃっ」
部屋の壁を使っての三角飛び。
一瞬で梓の背後を取った千鶴さんの飛翔が炸裂した。
「ふふふふ、よくこの私が仮病を使ってると分かったわね」
片手で梓を宙吊にしながら千鶴さんがつぶやく。
「くそ、ちず姉、そんな事と知らず、あたしは本気で心配したんだからなっ」
「え?」
「姉貴が寝こんでて心配しない妹がどこにいると思ってんだよっ」
「そうだよ、梓お姉ちゃんだけでなく、わたしも楓お姉ちゃんも心配したんだからっ」
「姉さん・・・やめて・・・」
「初音・・・、楓も・・・」
千鶴さんの身体から見る見る殺気が抜けて行く。