葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round147!!

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743名無しさんだよもん
柏木家の人々 2/6


「千鶴さん、お待たせ。と言ってもインスタントだけどな」
「あ、ありがとうございます。あの、あの耕一さん、お願いがあるんですが・・・」
「え?何でも言ってよ。俺に出来る事なら・・・」
「あの、ラーメン、食べさせてもらえませんか・・?」
「え?うん、いいよ。喜んで」
麺を小皿に取り、ふーふー吹いて冷ます。
「はい、千鶴さん、あーん」
「あーん」
「はは、なんか照れるな」
病人にあるまじき食欲を見せて、あっという間に千鶴さんはラーメンを平らげてしまった。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
にっこりと笑う千鶴さん。くう〜〜反則だぜ、この笑顔は。
「ちず姉も、そうやってりゃ普通に見えるのにな。毎日風邪ひいとけよ」
「あ、梓・・・」
ドアのそばに梓が立っていた。
744名無しさんだよもん:02/02/22 14:35 ID:SCLxvmyn
柏木家の人々 3/6


「ほら、風邪だろ?ビタミン必要と思ってりんご持ってきてやったぞ。みんなで食べようぜ」
「みんな・・?」
梓の後ろには、楓ちゃんと初音ちゃんが立っていた。
「チッ」
なんか舌打ちの音が聞こえた気がしたが、気のせいだろう。
梓の剥いてくれたりんごをシャクシャク齧る。
「梓、お前、ガサツなようでいて、実は手先器用なんだよな」
「ガサツなようでいて、は余計だっ」
りんごの芯が飛んできた。
「それ言うなら、ちず姉のほうがもっと意外だぞ。ちず姉にりんご剥かせてみろ、凄いぞ」
「え?千鶴さん、料理得意・・・」(なわけないよな・・・)
「ちず姉が得意なのは、刃物の扱いだよ。切り刻むのは得意だよな、ちず姉?」
「・・・・・」
「ほんとは刃物使わずに、自前の爪使った方が・・・ぐえっ」
「あら、梓、あんまりあわてて飲み込むと、のどに詰まるわよ」
部屋の温度が2〜3度下がった気がした。