葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round147!!

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725しのさいか@Lv27エルフ ◆QyNqRxh2
絶望が支配する刻
マンションの裏の杜に着くと柳川が社の上に腰掛けて待っていた。
「ああ、彼女は置いてきたか」
さも以外といった風にそういう柳川を無視して俺はゆっくり間合いを詰める。
体格的には互角。
否、向うの方が一回り大きい。
しかも相手は少し前まで現役の刑事だった訳だ。
柔道等の訓練も一通りこなしている筈である。
ただ一つ有利な点があるとしたら転生ゆえに俺が過去の記憶を持っているという点だけ・・・
過去の記憶にある俺は剣士だったから・・・
ジリジリ間合いをつめる俺・・・だがしかし奴はその場に座したまま一向に動く気配はない。
意表をつければ・・・取れるか?
だが、一気に踏み込み必殺の間合いに入ったとき、奴は俺が想像もしなかったような速さでその場を飛びのくと。
「遅いな・・・やはりお前も俺の敵ではないようだ」
とだけ告げると獣の目にもとまらぬ速さでその爪を繰り出した。
-ガキィイイン-
まるで硬質の金属がぶつかったような音があたりに響く。
見えないながらも勘でそれを受け止めた俺は、厚く落ち葉の積もった地面を転げるしかなかった。
-ザッザッザッ-
奴の爪がからだの脇を掠める、あるいは俺の体を致命傷にはならない程度にえぐる。
「くっ!」
思わずうめき声が漏れる。
「この前とは何もかにも逆転した訳だ・・・そろそろトドメだ!!」
そう叫ぶと奴の腕の筋肉がさらに隆起する。
取られる・・・
そう思い目を閉じた俺の目の前に次に広がったのは紅く舞う炎だった。
(出かけるといったのに嘘ついてごめんなさい)