葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round147!!

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668しのさいか@Lv27エルフ ◆QyNqRxh2
前哨戦
玄関を出ようとしたとき俺の前に見覚えのある人影が現れた。
「柳川!!!」
俺は憎しみに満ちた視線で奴を睨みつけていたに違いない。
もう一人の俺。
奴はあるいは俺自身だった、だからこそ余計に許せなかったのだが・・・
「久しぶりだな、この前は世話になった」
柳川は余裕たっぷりに皮肉な笑みを浮かべそう言う。
「許さないぞ、今すぐぶっ殺してやる!!」
俺はもう何も考えられなかった・・・目の前のこの男を殺すことしか。
「まぁ・・・今ここで騒ぎを起こしてもお互い困るだろ?」
「彼女には薬を打たせてもらった以外特に何もしていない、暴れられたら困るからな」
だからどうしたというんだ?
「よく考えてみろ?こんな昼間からこんなところで俺たちが全力で戦ったら・・・どうなる?」
「だからどうした?俺はお前を殺す!」
俺は獣になった姿を思い描きながら体に力をこめた。
体が徐々に膨らみかけたとき・・・
「耕一さん、ここは彼の言うとおりです」
といった千鶴さんの声に何とか正気を取り戻したが、俺はそれをやめる事はしなかった。
完全に鬼と化したとき同じく柳川もその姿を変えていた。
「ここは目立ちすぎる・・・後について来い」
そう言うと柳川は窓から飛び出すとマンションの裏の杜に入っていった。
「耕一さん、行きましょう」
という千鶴さんの声に俺は首を横に振ると、彼女をその部屋に残して柳川の後を追った。