葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round143!!

このエントリーをはてなブックマークに追加
890Let’s TRPG!R 17
GM吉井「夜になるまで少し離れた所で待機してるのね?
     じゃ何事もなく夜になります。夜になったらオイレスさんが出てきたよ」
少女吉井「−−お待たせしました」
戦士佐藤「「こちらこそ、レディにお手数をお掛けしてしまい申し訳ない」
     と言って頭を下げるよ」
盗賊藤田「早速だが、聞いてもいいか?
     イトゥルムはあんたの何なんだ?」
少女吉井「−−私の姉です」
盗賊藤田「姉だったか。で、あのソーサラーはあんたの父なのか?」
少女吉井「−−そう言って間違いはないと思います」
盗賊藤田「・・・ちょっと引っかかる言い方だな。養女という意味か?」
GM吉井「しばらく沈黙してる」
盗賊藤田「わざと黙っているって感じか?」
GM吉井「と言うより、言うべきかどうか悩んでいるという表現がぴったりだね。
     ついでに言うとこの子の表情、さっきから感情の起伏を感じられない」
盗賊藤田「あのな。あんたの姉は今記憶喪失らしいんだ。
     それにこの前どこの者とも知れない輩に狙われて誘拐された。
     あんたがあの子の事を秘密にすればするほど助ける手だてが少なくなるんだ。
     言いにくいことなのかも知れないが、できたら協力してくれ」
少女吉井「−−狙ったのは 多分ロマールからの差し金だと思います」
騎士岡田「ロマール? ってあのルキアルがいる街ね?」
少女吉井「−−私達は人間ではありません
     魔法によって生み出された人工生命体なのです」
891Let’s TRPG!R 18:02/02/20 05:19 ID:fo7cyYcA
戦士佐藤「あのー、この少女が何なのかセージチェックしても良いかな?」
GM吉井「うん、良いよ。振れる人は振ってみて・・・(一斉にダイスを振る)
     14以上の人、はいないね」
少女吉井「−−私はご主人様−−エサガン様というのですが、
     この方から生み出されたホムンクルスなのです」
戦士佐藤「ちょっと待って。ソードワールドのホムンクルスって、普通はもっと
     ちっちゃくなかった?」
GM吉井「そう、『普通』ならね」
少女吉井「−−私のご主人様は昔から魔法生物についてずっと研究されていた方なのです
     古代の知識を紐解き 特殊なホムンクルスの生みだし方をご主人様はついに
     この遺跡にて発見されました 
     この遺跡は古代王国時代にホムンクルスを生み出すために作られた場所なの
     だそうです
     ・・・その研究の結果生み出された、それが姉と私なのです」
戦士佐藤「魔法生物・・・
     ホムンクルスかー・・・うーん、ホムンクルス・・・ホムンクルス・・・
     どうしよう・・・(悩んでいる)」
騎士岡田「何悩んでるかあんたは。いや、言わなくても判るけどさ。
     女性としての対象になるかどうか悩んでるんでしょ」
戦士佐藤「あはは・・・」
少女吉井「−−ロマールが私達を狙う目的は、戦争の道具に利用するためだそうです。
     ご主人様はそれを極力嫌がっておられます」
盗賊藤田「イトゥルムを襲ったのもロマールの手先だとすると納得はいくな。
     イトゥルムは川から流れ下ってきたらしいんだが、その辺思い当たる事はないか?」
少女吉井「−−ご主人様は姉がいなくなった時、「失敗作だから捨てた」と言っていました」
騎士岡田「ひどっ! きっと川から突き落としたのね!(身を乗り出す)
     ・・・痛ぁっ! あ、これあたしの4面ダイス・・・」
戦士佐藤「それ踏んだら痛いよね・・・通称『まきびし』って言われるくらいだから」
盗賊藤田「ともかく・・・すでにエサガンはイかれてしまっている可能性があるな」
892Let’s TRPG!R 19:02/02/20 05:20 ID:fo7cyYcA
少女吉井「−−あの」
盗賊藤田「ん?」
少女吉井「−−姉は元気なのでしょうか?」
盗賊藤田「ああ、体の方は元気だったぜ。ただ、感情面に起伏が無いみたいだったが。
     今のあんたみたいに」
GM吉井「そうすると、オイレスはちょっと小首を傾げる」
少女吉井「−−姉は 犬と話をしてみたり 歌を歌いながら掃除をしたり
     ご主人様の研究道具を壊してしまって慌てたり
     私の事で泣いたり笑ったりと普通の人よりも感情豊かな方でした
     感情の起伏が無いというのは不思議です」
     人を模して作ったものでしたら私こそ失敗作です 
     泣きたくても泣けない 笑いたくても笑えない 私は姉を羨ましく思います」
盗賊藤田「記憶を失っているせいもあるかもな。
     ・・・もう一つ見せたいものがあるんだが。このロケットに見覚えはないか?」
少女吉井「−−これは、私が姉にプレゼントしたものです 私もお揃いの物を持っています」
GM吉井「そう言って胸元から同じようなロケット付きペンダントを取り出す。
     蓋を開けると、そこにはイトゥルムの姿絵が描かれてある。
     そして、光を放つ赤い水晶も」
盗賊藤田「この水晶って何だ?」
少女吉井「−−これは私達が生命を維持するために必要なマナを備蓄するアイテムです
     この場所にいる限りは」
盗賊藤田「何っ!!」
GM吉井「(びくっ)・・・驚いた」
盗賊藤田「すまん・・・続けてくれ」
893Let’s TRPG!R 20:02/02/20 05:20 ID:fo7cyYcA
少女吉井「−−この遺跡の最深部にはこれと同じような巨大な魔力の結晶体があります
     この場所にいる分にはここから備蓄されたマナを供給して貰えるのですが
     ここから離れた場所にいる時はこの水晶が代わりになってくれます
     とは言えそれだけあったとしても長くは持たないのですが」
盗賊藤田「この水晶が周りに無くなった場合はどうなる!?
少女吉井「数日のうちにかりそめの命を失い、無機物になるかと」
盗賊藤田「やべぇな。水晶をこっちに持って来ちまったよ」
戦士佐藤「これはすぐに引き返さないと・・・手遅れになるかもね」
GM吉井「その言葉を聞いて、初めてオイレスの無表情な顔に若干感情的なものが現れる」
少女吉井「−−姉が危ないのですか?」
盗賊藤田「ああ、そうみたいだな。今からタイデルまで急いで帰ったとして
     どのくらいかかる?」
GM吉井「ここに来るまで3日かかったけど、強行軍なら2日で行けるかな。
     で、行こうとする一行をオイレスが呼び止める」
少女吉井「−−まことに申し訳ないのですが もし姉が無事ならここへ連れてきては
     もらえないでしょうか
     このままでは姉は無に帰ってしまいます
     姉はもうこの世界にはいないと諦めていたものの
     存在していると判るといなくなってしまうのが辛いのです−−」
盗賊藤田「出来たらそうするが、今はそれどころじゃないな。とにかく急いで引き返すぜ」
GM吉井「了解。じゃ、タイデルに向かって引き返す一行・・・」