葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round143!!

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606SS投下
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「な、いいだろ? 頼むよ青年」
 仕方ないか……と一人ごちて、俺は英二さんを促した。
「どうぞ」
 ありがとう、と英二さんは軽く笑うと部屋の中に足を踏み入れた。
「へえ……なかなかいいところじゃないか」
「ありがとうございます」
「ウチほどじゃないけど」
 野郎。
「あ、すいません。適当に座ってください。
 今、コーヒーかなんか入れますから」
「ああ、いい、いい。気を遣わなくていいよ」
 そう言いながら、思い切りリラックスした風にクッションに座る英二さん。
 ……確かに、気を遣わなくてもよさそうだ。
 っつーかくつろぎすぎだアンタ。
「……えーと、で、今日は何か話でも?」
「おお、実はな」
「理奈ちゃんの話ですか」
「お、青年。察しがいいな、実はこの間の話の続きなんだが」
 ……やっぱり懲りてなかったのか、この人は。
「いや、いいですけどね」
 俺は被害食らわないし。
「……何か今の台詞の言外に『どうせ殴られるのは俺じゃないから』という
気持ちがひしひしと篭められていた気がするんだけど、俺の気のせいかな?」
「き、気のせいですよ」
 さすが天才作曲家、鋭ェ……。
「まあいいか、青年。……ところでビデオデッキは持っているか?」
「持ってますよ、ほら、テレビの下に」
 だいぶ古いタイプのものだけど、まあ動くことは間違いない。
「そうか……では、このビデオを見てもらおう」