葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round143!!

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603SS投下
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「うーん……つまらない番組ばっかりだな……」
 俺は寝っ転がりながら、はるかのようにだらだらと休日を過ごしていた。
 今日はADも家庭教師も喫茶店に至るまで、バイトの予定がまるっきりない。
 そうかといって、出掛ければ由綺や理奈ちゃんと都合良く逢える訳じゃなし。
「彰とはるかでも誘って、どっかへ出掛けるかな……」
 ワンパターンな休日の消費を考えていたその時、ぴんぽーんとチャイムが
鳴らされた。日曜の真昼間から、NHKの集金ってことはないだろう。
 となると誰だろう、彰か、はるかか……あ、それとも由綺かな。
「はーい」
 ほんのちょっとの期待を胸に抱き、俺はドアを開けた。

「やあ、青年。理奈はいるか?」
「え、英二さん?」
 目の前の天下御免の(シスコン)プロデューサー、緒方英二を驚いて見る。
「で、理奈はいるかい?」
「いや、理奈ちゃんなんて、いませんけど……」
「本当に?」
 念を押す英二さん、居る訳ないってのに。
「いませんってば。……理奈ちゃん、どこかへ行ったんですか?」
「いや、いないならいいんだ。うん、ちょっと邪魔するがいいかい?」
「はぁ……」
 なんか、似たようなパターンを以前にも繰り返した気がするのは気のせいだろうか。
「え、あ、いや、その……ちょっと今忙しいので」
 嫌な予感がしたので、そんな事を言ってみる。
「嘘つくなよ青年、君は今思い切りヒマでヒマで仕方なくて、しょうがないから
無気力幼馴染か受け顔美青年の二人を誘ってだらだらと遊びに行こうかなー、な
んてことを考えていたはずだ、そう顔に出ているぜ」
 このおっさん、エスパーか何かか。