葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round143!!
「ノワールいただける?」
「ハァ?」
「ノワール」
「おじさんはノーマルよりアクロバットな方が好きだな」
「そうね、やっぱり野外ね…ってなに言わせるのよ! ノワールよ!」
「お嬢ちゃん。なんや知らんけどメニューにないもんは出せまへんで」
「どうしてここは純喫茶なのにノワールもないのよ…」
ブツブツ言いながら理奈はメニューを開いた。そこには中華料理、洋風、和風、焼肉、精進料理まで
しっかりメニューに書かれていた…。
「…って、これのどこが純喫茶なのよ!」
ちなみに京橋グランシャートー周辺にはあらゆる飲食店が存在するので、
実はここの料理は全て注文を受けてから他の店に店員が買いに出てそれをそのままお客に出しているらしい…
というのはここだけの話である。
「それで肝心のコーヒーは全然ないじゃないの…」
理奈の不機嫌はもはや臨界点ギリギリにまで達しかけていた。その時…
「理奈ちゃん。メニューに載っているこれって…」
自分は何一つ頼み(め)もしないのにイチイチメニューを見ているこの人はいったい何なの?
などと思いつつ理奈は冬弥の指差す方の文字を見た。
「も、諸田真300円…」
理奈は思わず声をあげた。