葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round143!!

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518琉一
【トーナメント控え室・(2/2)】

理奈「もしも、もしも負けたら……慰めてくれる?」
 ごく間近に迫る理奈ちゃんの瞳。
 熱く潤み、怯えている猫のように微かに震えている。
 睫毛の1本1本までが、美しかった。
冬弥「うん……約束する」
理奈「……ありがと」
冬弥「でも、理奈ちゃんは負けない。絶対に負けないから……」
理奈「うん……負けない。冬弥くんがそう言ってくれるのなら……」
冬弥「だから、頑張って……」
理奈「うん……」
 理奈ちゃんは軽く頬にキスをして、踊るように身を翻した。
 その後ろ姿には、もうさっきまでの不安に怯えていた姿は、どこにもない。
 俺はただ、理奈ちゃんをこうして見送ることしかできないけれど……。
 頑張って――。
 その背中に、願うような思いを投げかけた。

                             END