葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round143!!

　凛とした瞳でそう言われ、理奈は返事に窮した。
「あなたが勝ち残って、セリオが勝ち残って。そうすれば、寺女で
トーナメント独占よ。楽しいでしょ♪」
「え、あ……」
「まあ、私は負けるのは嫌いだから、最後は私が買っちゃうけどね」
　微笑む綾香。その笑顔は自信に満ちていながら、それでいて
本当に楽しそうな、見るものを安心させる笑顔。
　理奈は、思わず吹き出してしまった。
「私だって、負けるの嫌いですから。そうはいきませんよ？」
「そう来なくっちゃ。それでこそトップアイドルよ」
　綾香はウインクすると、不意に理奈の頬にキスをした。
「きゃっ!?」
　びっくりして頬を押さえる理奈。
「セリオが準決勝で、そしてもし勝ったら……私は決勝で待ってるわ」
　そう言って、綾香は部屋を出て行った。
「綾香さん……」
　なぜだろう、胸の高鳴りが収まらない。
　やっぱり、あの人は凄い。本当に。
　でも、自分だって負けてられない。
　と、不意に理奈はある事を思いついた。
「そうだ、相手は吉井ちゃんだし、今日は……」