葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round143!!
「・・・はぁ、また書き直し」
紙をくちゃくちゃに丸めてゴミ箱にポイ。
さっきからこの作業を幾度と無く繰り返している。
「いざ書こうとすると書けないな・・・」
藤田くんへの思いをその文面にして送る・・・つまりラブレター・・・
を書こうとして試行錯誤を繰り返しているのだけれど、
気持ちばかりが先走って変な日本語の羅列が出来てしまう。
「・・・あーん、これも失敗!」
またゴミ箱の残りスペースを減らしてしまった。
「はぁ・・・やっぱりダメだぁ・・・」
ペンを投げ出し、力尽きて便せんに突っ伏す。
トゥルルルルル・・・
トゥルルルルル・・・
あ、電話だ。今頃誰だろう?
かちゃ。
「はい、吉井です」
「この・・・馬鹿たれがぁぁぁ〜!!」
受話器から耳、そして頭に抜ける大音量。
じーんとした耳をいったん受話器から離す。
聞き間違うはずはない、今の声は岡田だ。
「何よ、いきなりそんな大声出して」
「何よって、あんたまだ判ってないの!? 何の日か」
何の日だったっけ。
「最萌トーナメントの勝負の日じゃないっ!」
「・・・あーっ!」
そうだった。ラブレター書きに必死で失念していた。
時計を見る・・・って、もう始まるまでに時間がない!