87日目
期限まであと1日。
焦りだけが先走り、今日も何ら進展が無かった。
88日目
期限当日。
結局琴音の能力は回復しなかった。
私は無力だ。
89日目
明日、琴音に危機的状況試験が行われる。
一縷の望みをかけて訓練するが、何にもならなかった。
90日目
私情を挟む可能性が高いという理由で、私は補助スタッフに回された。
直接手を下さずに済む分、その方が私も良い。
抵抗する琴音を職員二人が両脇から抱え、地下実験室に連れて行く。
以前の実験室と違い、拷問器具の並ぶ薄暗いその部屋を見た瞬間、琴音の顔
から血の気が引いた。
呆然とした琴音の着衣を脱がし、後ろ手に手枷を付ける。
引き出すのは言葉でなく能力である為、舌を噛まない様に口枷もする。
この作業は事務的に行われたが、全裸の美少女を拘束する行為に、誰もが
歪んだ興奮で股間を膨らませていた。
私も例外ではなかった。
しかしこの場の大半の人間、特殊な趣味を高いレベルで持っていない者は、
すぐに自分の期待が的外れだった事に気付く。
開始された行為は、SMなどという平和な行為とは無縁の物だった。
生命に危険が無く、治癒可能な範囲で、相手に最大限の苦痛を与えるのだ。
普段はあまり開かない琴音の口から、身の毛のよだつような絶叫が、口枷の
隙間から溢れ出る。
その光景を私は直視することが出来なかったが、彼女の声を聴き続けるのを
自分への罰とし、耳を塞がなかった。
その行為が一瞬でも早く終わるように、琴音から僅かでも念動波が発せられ
ないか、モニターの波形を凝視する。
しかし琴音の脳波は、苦痛は表しても、特殊な念波は表さない。
そして感覚的には何十時間にも思える数時間後、ボロボロになった琴音に
傷の処置をしてから、私は彼女を部屋へ運んだ。
その晩、私は泣きながら琴音を看て過ごした。
93日目
少女の若い身体はあれほどのダメージでも、僅か3日で体力を取り戻したが、
それは全く幸いな事ではなかった。
この間も能力を回復する努力はしたが、徒労に終わった。
地下実験室、というより拷問室に連れて行かれる時、琴音は前回以上に激しく
抵抗したが、それも徒労でしかなかった。
私に助けを求める声は口枷で遮られ、前回以上の拷問が琴音に加えられた。
彼女の悲鳴を聞き続けて、私が発狂しなかったのは奇跡だろう。
96日目
肉体的苦痛は効果がないと判ったので、今回は精神的苦痛、つまり性的暴行
が加えられる事となった。
拷問室ではなく通常の実験室へ向かうと、琴音は抵抗しなかったが、分娩台
を見た瞬間狂ったように泣き叫び始めた。
抵抗空しく全裸で脚を開いて固定され、無防備になった琴音の性器に
ローションが塗り込められる。
白人男性の巨大な男根が差し込まれると、琴音は一度絶叫を上げたが、それ
からは大人しくなった。
妊娠の可能性が無い琴音は、容赦なく胎内に射精される。
何人もの男が入れ替わり覆い被さり、身体と心を汚す中、琴音は小声で
パパ、パパ、と呟いていた。
私が抱きかかえて部屋まで運び、シャワーで汚れを落とす間も、ずっと呟い
ていた。
98日目
琴音に二度目の陵辱が加えられた。
今回は拘束されず、その代わり前回以上の人数が加わった。
人形のように動かなくなった琴音は、大勢の男に徹底的に汚される。
部屋に連れ帰ると、琴音は私をパパと呼び始めた。
琴音の中で私はパパになったらしい。
もう痛いのは嫌だ、とか、おじさん達は嫌いだ、と言って泣いたが、シャワー
で身体を洗ってやったり、一緒に寝てやると、無邪気に笑って喜んだ。
99日目
一晩経っても、琴音の幼児退行は直らなかった。
まともな訓練は出来なかったが、ゲームをして遊んでやると喜んだ。
食事もシャワーも寝るのも一緒だった。
100日目
琴音の能力回復は絶望視され、彼女の今後について話し合われた。
能力を失った実験体は始末されるか、雑用職員として雇用するのが通例だ。
彼女の単相という特徴は価値が高いが、この研究所では専門外だ。
結局彼女は能力と遺伝子の因果関係の資料として始末は免れたが、通常の
職務は不可能とされ、研究員の慰安の任に就くのが検討された。
以前から女性の実験体に対する強姦が問題視されていたが、その予防に琴音
に性処理をさせようというのだ。
私が強固に反対し、今日の会議ではその案は決定しなかったが、ここでは人権
の蹂躙が日常的に行われてきたのだ。旗色は悪い。
私の決意は固まった。
部屋に入ると、琴音はベッドの隅に逃げて怯えたが、私だと気付くと笑顔で
駆け寄ってきた。
その無邪気な顔に、私への不審は一片も無い。
プレゼントをやるので目を瞑るよう言うと、琴音は歓喜の顔で従った。
素直な彼女を抱き締めると、私からの最初で最後の贈り物、大き目の拳銃を
懐から取り出すと、こめかみに銃口を押し付け引き金を引いた。
同じ様に額の上にも1発。
解剖調査してこれ以上琴音を辱めることが出来ないように、脳を完全に粉砕
する為だ。
弾丸の貫通した穴は無残だったが、狙い通り顔には傷一つつかなかった。
顔に付いた血を拭おうとしたが、私の手も血で濡れていた為、かえって広
がって琴音の頬を汚した。
やがて警備員が飛び込んできて何やら怒鳴り始めたが、どうでも良い。
琴音を強く抱き締め、こめかみに銃口を当てる。
焼けた銃口は熱かったが、引き金を引くと衝撃と共にそれも感じなくなった。
許してはくれないだろうけど、出来れば琴音に謝りたい。
でも、私と琴音の行き先は・・・