葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round136!!
ある日の放課後、名雪がふいに話しかけてきた。
「祐一、今日は何の日か知ってる?」
「今日? 名雪の誕生日…はもう終わったし、なんだっけ?」
「バレンタインだよ…」
ああ、そういえばそうだったな…すっかり忘れていた。
「ちょっと事情があって今は渡せないんだけど、帰ったら準備するからね」
「…まぁ貰えるなら何時でもいいけどな。ありがとうな」
「うんっ♪」
…でも、事情ってなんだろうな?まぁ、名雪からもらえるだけでもラッキーだけどな。
「でも名雪、今日も部活じゃないのか?」
「ううん、今日はちょっと体調悪いし、休むつもりだよ?」
「仮病使ってまでチョコ作りかよ…どういう部長なんだか」
なにもそこまでしなくてもいいのにな…でも、ちょっと嬉しく思うぞ。
結局部活をを休んだ名雪と一緒に家に帰ることになったのだが…
「おい、大丈夫か名雪?」
「ん…? なんでもない、なんでもないよー」
どうも足元がおぼつかなく見える、体調が悪いのは本当だったのか。
その事を問いただしても名雪は「なんでもないよー」の一点張りで、どうも怪しい…
「ゆういち、帰ったらチョコだよぉ……」
「あ、ああ判ったよ。でも体調悪いなら無理するなよ」
「ゆういちに……ちょこを作ってあげるんだもん……」
バタッ!
「お、おいっ! しっかりしろ名雪ッ!」
糸が切れた人形ように崩れ落ちる名雪を、俺はすんでの所で抱き寄せる。
「う、うにゅぅ……」
「くそっ! どうなってるんだ?!」
道端で気を失った名雪を、俺はオロオロしながら見つめていた。