葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round136!!
オカルト研の部室に辿り着いたのは、陽光も大分傾いた頃になった。
そして部室の扉の前には人影が一つ。
浩之の幼なじみの神岸さんだ。
これまでの例に倣えば、彼女も超先生の刺客と見るべきね。
「私を待っていたのかしら? 神岸さん」
警戒しつつ、声を掛けると、神岸さんはこちらに振り向いた。
「うん、綾香さんがここに来るって、超先生が言ってたから」
「じゃあ、神岸さんも私と戦うつもりなの?」
「ううん、違うよ。私は別に超先生に操られてはいないよ」
この言葉を鵜呑みにはできないけれど、少し様子を見ることにしよう。
「そう。なら、どうしてここで私を待っていたの?」
「それはね…」
神岸さんは、これまでのことを私に語り始めた。
──続く──
──今日の授業が終わり、私は浩之ちゃんに放課後の予定を聞くことにした。
あ、私は神岸あかりだよ。自称、藤田浩之研究家。
浩之ちゃんのことなら何でも知ってるんだよ。
「浩之ちゃん、今日はこれからどうするの?」
「おう、あかりか。今日は同好会の練習があるから、悪いけど先に帰ってくれねーかな」
一年のときは部活には興味を持たなかったくせに、やっぱり、あの松原さんが気になるのかな?
浩之ちゃんて、女の子には見さかい無く優しいんだから。
「うん、じゃあ先に帰るね。練習、頑張ってね」
「ああ、じゃあな」
そう言って、浩之ちゃんは教室から出ようとした。
その時、三年の来栖川芹香さんが教室に入ってきた。
「あれっ、先輩、どうしたんだ? 俺に何か用かい?」
コク……。
浩之ちゃんに訊かれて、来栖川さんが頷く。
「…………」
「え? これからオカルト研に来てくれますかって? うーん、今日は同好会の練習があるんだけど…」
「…………」
「今日じゃないとダメって? そっか……わかった。練習のほうは断ってくるよ。
あとから行くから、部室で待っててくれるかな?」
コク……。
来栖川さんは頷くと、教室から立ち去った。
その後、浩之ちゃんは一年の教室に行って、松原さんに謝ってから、オカルト研の部室に向かったの。
え? 何で私がそんなに詳しく知っているのかって?
ふふふふ……。藤田浩之研究家たるもの、普段の尾行はルーチンワークだよ。
私が学校の行き帰りだけの付き合いだと思ってたなら、大間違いなんだよ。
──続く──