葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round133!!
「──あの…後ろを向いてください。お願いです……」
普段は無表情なセリオが、顔を真っ赤にして訴える。目には涙を浮かべている。
他の感情は控えめでも、羞恥心はマルチと同レベルに作られている。
恥知らずでは社会に入れるはずがない、というのが理由らしい。
「──い、いや……見ないで……見な……あっ!」
セリオの身体が少しビクッと反ったかと思うと、手で押えている股間の部分から暗い染みが広がった。
少し遅れて、セリオの座っている床にも水が流れ出した。いえ、水ではなく、お湯ね。
さっきの格闘でかなりの発熱があったらしく、湯気がもうもうと上がっている。
「──いや…あっ…あぁ…あ──」
震えていたセリオが動きを止め、上体が湯気の中に倒れた。
おそらく羞恥心の過負荷でブレーカーが落ちたみたい。
これでセリオとの勝負に決着がついたわね。
それにしても、思わず見入ってしまったわ。そういう趣味はないはずなんだけど。
葵とマルチの二人も、手を取りあって見入ってる。実に妖しいわよ、あなたたち……。
「さてと、セリオが目を覚ますと厄介だから、先にオカルト研へ行かせてもらうわ。あとはよろしくね」
「えっ? 綾香さん、行っちゃうんですか?」
「セリオさんは、どうすればいいんでしょうか?」
「さあね……」
セリオを押しつけられて困惑する二人を置いて、先を急ぐことにした。
──第五部・セリオ編 完──