葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round133!!

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786Go! Tyo! Heart!! RR 第18話 ◆AYAkA082
「──サテライトサービスに接続。対人格闘総合プログラムをダウンロード開始……」
 セリオは衛星からダウンロードを始めた。でも、おそらくは……。
「その手には乗らないわよ。どうせ既にダウンロードは終わってるんでしょう?」
「──見破られましたか。さすがです。では攻撃に移ります」
 やっぱり私を誘っておいて、だまし討ちするつもりだったか。食えないメイドね。
 セリオは滑るような足取りで、こちらに近づいてくる。まともに戦えば、私に勝ち目はない。
 私がどんなに強力な打撃を与えようとも、ロボットの頑丈さには効果が薄い。
 さらにセリオが受信したプログラムは、おそらく警察や軍隊が使う実戦的な格闘術だろう。
 私を捕まえて締め上げるつもりね。とにかく、距離を置いて捕まらないようにしないと。
 セリオが繰り出す手足を払い避けて、休まずフットワークを続ける。
 私に出来ることは時間稼ぎしかない。もっとも、私の読みが外れてたら、これも意味はないけれど。
 私とセリオは演武を踊るように、あまり広くはない廊下を移動し続ける。
 セリオに少しでも無駄な動きをさせるため、移動量は大きく取った。
 そんなダンスのような戦いを五分間くらい続けた頃、セリオの動きが急に止まった。
「──あの……この辺で少し休憩を取るのはどうでしょうか?」
 セリオが明らかに不自然な提案を出した。私の読みは当ったみたいね。
「あら? オーバーヒート? それともバッテリ不足かしら?」
「──その……トイレ休憩とか……」
 セリオもマルチと同様、補助電源として燃料電池を使っている。
 私を捕まえようと激しい運動をしたため、かなり燃料電池も消費したはず。
 燃料電池を使えば、余分な水が体内に溜まり、やがてタンクは一杯に……。
「私は全然平気だけど、セリオの方は辛いのかしら? だとしたら、私にとってはチャンスね」
 さらに燃料電池を消費させるため、セリオの背後を取るように激しく動き回る。
「──くっ……」
 背後を取られまいと最後の抵抗を見せたセリオも、遂に手で股間を押えて座り込んでしまった。

──続く──