葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round133!!
長岡さんと別れてから、ほんの数分。
私たち超先生バスターズの行く手に、またしても人影が現れた。
「──こんにちは、皆さん」
私と同じ寺女の制服を着ている彼女は、メイドロボのセリオだった。今回は先手を打ってみよう。
「セリオ、あなたも超先生の差し金ね。そうなんでしょ? いえ、そうに決まってるわ!」
「──まだ何も申しておりませんが、その通りです。私のメモリバンクを読まれたのでしょうか?」
ほらね。疑ってかかるに越したことはない。
「そんなことをしなくても予想がつくわ。超シナリオは同じ展開をよく繰り返すからね」
「はわわっ! 私の憶測が単なる憶測でなければ、なにかが起こるかもしれないと思いました」
「マルチさん、無理に会話しないほうが…」
相変わらずのマルチを葵がフォローする。あなたたち、良いコンビね。
「それよりも私の邪魔をするなんて、セリオも超先生の毒電波にやられたのかしら?」
「──それは違います。確かに超先生の毒電波は受信しましたが、AIの防壁で侵入を阻止しました」
さすがはセリオ。アンテナが付いただけでRRに汚染されるマルチとは大違いね。
「じゃあ、どうして手先になったの?」
「──綾香お嬢様を捕らえれば、私用の新しいシナリオを作ってもらえるよう、超先生と取引きしました」
「新しいシナリオって、POHの話じゃダメなの?」
「──はい。私が望むのは、私が人間の殿方と結ばれるシナリオなのです」
セリオは相変わらず無表情だ。でも、私にはセリオの瞳に情熱の炎が宿っているように感じられた。
「殿方って、まさか……」
「──これ以上、綾香お嬢様にお答えすることはありません。大人しく、私に従って頂けますか?」
セリオは私の問いを遮るように問い返した。
「超先生に会うのは構わないけど、そっちに先導されるのは気乗りしないわね。答えはノーよ」
「──残念です。それでは実力行使させて頂きます」
私とセリオは、各々が持っているカバンを地面に置き、互いに向き合った。
──続く──