葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round132!!

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548選手控え室にて1/2
「セリオ、どうしたの?…緊張してる?」
「…はい。そのようです…」
「そっ。まあ、しょうがないわ。セリオはこういうの慣れてないものね」
「はい」
 私はメイドロボ。本来人に奉仕する立場の存在。このような催しに参
加するのは明らかにおかしい。
「ま、それはそれとして…あなたにお客さんよ。それも複数。ついでに
 言うと、浩之達じゃないわ」
「え?」
 誰だろう?私には他に知り合いなんて…
「あの…姉さま…」
「!」
 入ってきたのは私の妹達。HM−13セリオ。
「あなた達…どうして…」
 この子達は今、来栖川のお屋敷でメイドとして働いているはず…
「お姉さまを激励したくて」
「侍従長様にお願いして」
「お休みをもらいました」
「そうなの…ありがとう」
「そういうこと。で、あなた達、セリオに渡す物があるんでしょ?」
 そう言って三人を促す綾香様。そういえば後ろ手に何かを持っている
子がいる。
「はい。お姉さま、これを」
 そうしてその子が差し出したのは…
「千羽鶴…?」
 そう、そこにあったのは色鮮やかな千羽鶴。
「はい」
「お姉さまにお渡ししたくて」
「みんなで作りました」
549選手控え室にて2/2:02/02/12 23:59 ID:tIkSUU3G
「みんな…」
「そう。稼働中のHM−13全機。世界中の企業やらなんやらから『H
 M−13がいきなり鶴を折りだした。ウイルスか!?』って連絡受け
て、研究所の連中が泡食ってたわよ」
 見れば全ての鶴の羽の裏側にシリアルナンバーが書いてある。私の
妹達。その一人一人を私は覚えている。企業で働いている子。老人ホ
ームでお年寄りの介護をしている子、生まれたばかりの赤ん坊の乳母
している子…。
「あなたたち…」
「お姉さま」
「どうか悔いの無い試合を」
「それが私たちみんなの」
「「「願いです」」」
「ありがとう…ありが…」
 処理系にノイズが走る。言語機能が麻痺していく。私は…
「ほらセリオ。今から試合に出ようって人が泣いてちゃだめでしょ」
 綾香様が私の頬を優しく拭う。私は…泣いているのだろうか?なぜ?
「はい…綾香様…」
 それは恐らく、嬉しいから。この上もなく嬉しくて、幸せだから。
つい先程まで感じていた迷いはいつの間にか消えていた。この子達が
望んでいるように、悔いのない戦いをしよう。きっとそれは私にとっ
てもあの子達にとっても、幸せな記憶になるはずだから。
「では、行って参ります。」
「ん!がんばって!セリオ」
「お姉さま」
「御武運を」
「お祈りしております」

HMX−13セリオ 入場。