葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round124!!

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「それ10パックほど頂けますか?」
今日は仕事の区切りが良かったので早めに帰宅する事に為った。
帰りに立ち寄った馴染みの八百屋で”苺”特売の文字が目に入った。
「ふふふ、あの娘も喜ぶわね?」
店主に件のパックをビニールに詰めて貰いながら内心思う。
これだけ買っても我が家では数日で消化されるのが水瀬家では当然の結果。
店主もその辺を周知らしく買う際には驚きはしない。
八百屋を出て人ごみ賑あう商店街を抜けようとした時に独特の香ばしい匂いが漂う。
あゆちゃん・・・・・・・帰宅したら材料も少し有ったと思うのでタイヤキでもと、そんな事を考えながら帰路につく。
「ただいま、今帰りましたよ」
「お帰りなさい、おかあさん」
カチャと玄関を開けて声をかかけると奥から声の主と足音が近づく。
「今日は早く帰ってきたのね、名雪」
「うん、今日は部活お休みだったから・・・・・おかあさんその手に持ってるのもしかして?」
マタタビを見つけた猫のように目の色を輝かす名雪。
「はい、おみやげよ」
「わー♪い・ち・ご!!」
と手に持っていた新鮮な苺パックがに入ったビニールを名雪に手渡す。
「今日は特売してたから奮発してきたのよ?」
「おかあさん、ありがとっ〜!」
「これだけ有るから苺入りのケーキや苺ジャムでも作りましようかね?」
「それもいいけど・・・・・・・でも今日は、まずシンプルにいちご牛乳がいいよっ!」
「そう?それだけあれば残った分で明日にジャムも充分作れるわね。」
「じゃ、わたし早速準備するねっ?」
と台所へ100mを7秒で逝けるダッシュ力で駆けていく名雪。
「ほらほら、慌てないで苺は飛んで逃げたりしないわよ?」
「きゃっ!?」
お約束通りにフローリング床で足を滑らす名雪。
「あらあら、まあまあ、名雪平気かしら?」
「うにゅう〜!平気だよ〜」
流石に命より次の次の次に大事な物もしっかり守っていたようだった・・・・・。
(命→祐一→秋子→いちごと推測。)
台所に一足先に行った名雪が冷蔵庫を開けながら尋ねる。
「おかあさん、牛乳のもう無かったけ?」
「あら?そういえば、昨日シチュー作るので使ってしまったわね」
収納戸棚を開けながら、缶詰と薄力粉とベーキングパウーの量を確認する。
「う〜ん今日はやっぱり、いちご牛乳の気分だよっ!!」
「そう、それなら私が買いに行ってくるわよ?ついでに欲しい物も出来ましたしね?」
戸棚をゆっくり閉めながらそれに答える。