葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round124!!

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第四章◇あゆ、牛になる(3/5)◇
畜産農家「あれ、どうしただべか? 手、休めたら牛乳集まらねえでよ」
栞「この牛さん、全然牛乳出ませんっ」
畜産農家「あれー、そっだらこと…」
ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ。
うぐぅ、再びボクはエクスタシーへと登り始め――
畜産農家「あやや、ほんとに駄目だっぺー。…こうなったらこのベコっこは廃用牛にするしかねえべな」
――どん底へ突き落とされた。
「もー!?」
畜産農家「でも今、買取価格が暴落してるっけな。こうなったら、『タケベヤメロ』とでも落書きして、丸の内あたりに放しに行くべか!?」
うぐぅ〜! そんなの恥ずかしいよ〜!!

???「もし捨てるんだったら、わたし欲しいな」
『欲しいの』
ふぇっ!? 救世主かなっ?
スケッチブックを抱えた娘に連れ添われて、黒い髪の長い女の人がやってきた。
彼女たちの名前は…またまたどこから湧いた記憶か分からないけど、『澪』と『みさき』だと判明…。
この二人も、手作りアイスクリーム体験ツアーの参加者のようだった。
もしかして…ペットとして飼ってくれるのかな?
さすが、いいとこのお嬢様っぽい人だよっ。
みさき「牛一頭…食べ応えがありそうだね」
『ありそうなの』
第四章◇あゆ、牛になる(4/5)◇
うぐぅっ!? 丸ごと食べるつもりなのっ!?
…って、生存しつつカルビとか一部だけを提供、なんてのも嫌だけど。
みさき「骨でダシを取って、お肉煮込んでビーフカレー、なんてのもオツだよね」
『オツなの』
みさき「カレー何皿分作れるかな? 久々に満腹になれそうだよ」
夢見る少女と化していた。
『話聞いただけでおなかいっぱいなの…』
えぐえぐ。
ボクはもはや、カレーの材料にされる運命のようだった…。

栞「カレーにしようだなんて…そんなこと言う人嫌いです」
そこへ栞ちゃんが割り込んできた。
うぐぅ、嬉しいよ…栞ちゃん。
やっぱり持つべきは友達だねっ!!
「もー、もー」
栞「辛いものは人類の敵です〜」
…えぐえぐ、そういう意味の『嫌いです』発言だったのか…。
みさき「うーっ、おいしいのに。…カレーが食べられないなんて、人生の65年分、損してるよ」
…栞ちゃんはカレーが食べられなくて、残りの人生を失うところだったのか。
香里「栞の分はビーフシチューにしてあげるわよ」
頬を膨らませていた栞ちゃんの頭にぽむ、と手を置きながら香里さんが言った。
栞「うん、ありがとう…」
みさき「じゃあ決まりだね。…スープと肉煮込みまでは一緒の行程で、そのあと鍋を分けて違うルーを投入する、と」
『おっけーなの』
香里「いいわよ」
栞「分かりました」
うぐぅ…ボクがお肉になる運命は変わらないのか…。
第四章◇あゆ、牛になる(5/5)◇
しゅたっ!
影が空を駆ける。
舞「………」
あっ! 舞さんだっ!!
毎回ボクを救って…くれてたかはよく分かんないけど、でも大切なところで出てきて、話の流れを変えてくれた人だっ!
…今度も期待をしてみる。
剣を持ったままボクに近寄ってきて、ボクの顔を覗き込む。
舞「…牛丼」
ふぇ…?
シャキンッ! 剣を構える。
えっと…これってもしかして…。
香里「もしかしてここで屠殺するの…? まあ構わないけどね」
みさき「すぐカレー作れるんだね!? わくわく…」
『わーいなの』
栞「でも、血しぶきとか飛び散るの、困るかも…」
舞「……さようなら、牛さん…」
…剣が振り下ろされる。
ボクの首を狙って。
うぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!

バサッ!
「はぁ、はぁ、はぁ…」
祐一「どうした、あゆ?」
「うぐぅ…とっても怖い夢見た」
祐一「…お前『地獄の黙XX』のクライマックスだって場面で寝てたのか…。どんな夢だ?」
「あのね、牛さんの首が…ってうぐぅ〜〜〜っ!!!」
祐一「どうした、スクリーンを見て大声出して?」
(完)