葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round124!!

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679another Kanon
あゆ「うぐぅ…なにこれ?」
祐一「ほら、開けてみろよ」
俺が開けるように促すとあゆがごそごそと紙包みを開いて中身を取り出した。
あゆ「わぁ、カチューシャだ…どうしたのこれ?」
祐一「プレゼントだ。もしよかったらお前にやる。俺が持ってても仕方がないからな」
あゆ「…ボクが貰っていいの?」
あゆは突然のプレゼントに戸惑っているようだった。
祐一「嫌だって言うんだったら別にいいぞ。他のやつにやるから」
あゆ「ううん…ボク嬉しいよっ。大切に、ずっとずっと大切にするよ…」
そう言ってあゆは嬉しそうに笑う。
この笑顔が見られただけで俺は来月の小遣いをフイにしてまで買った甲斐があったってものだった。
祐一「明日から、しばらく会えなくなっちゃうけど…また冬が来たら会いに来るから…」
祐一「それまで大事に取っておけよな」
あゆ「うんっ。ボク次に祐一君と会う時はこのカチューシャつけて行くよ」
祐一「ああ、約束だぞ」
あゆ「うんっ、約束。このカチューシャをつけてボクたちだけのこの学校で」



俺は走っていた。
向かう場所は俺たちの約束の場所。
きっと彼女はいるはずだ。
そしてあの木に登って大好きなこの街の風景を眺めながら遅れて来た俺を見て言うのだ。
「遅いよ祐一君っ。新学期早々から遅刻だよっ」と。
頭に真っ赤なカチューシャをつけて…。
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