葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round124!!
第一章◇あゆ、犬になる(1/3)◇
…目を開いた。
ボクの願いがかなった…のかな?
確かにいつもと違う風景が、そこには広がっていた。
でも、なんだかすっごく小さなものになった気分が…。
どうしたらいいのかも分からず、とてとてと歩いていると一本の電柱が目に入った。
うぐぅっ、何だか体の奥底から…。
じわじわと込み上げてくるこの感覚…。
下半身になんだかムズ痒いものを感じるよ…。
これは一体…?
え? え? 電柱に近づいてボクは何を…。
ハッ。
もしかしてっ!?
だ、ダメだよっ! 仮にもKanonのメインヒロインがこんな公衆の面前でっ!
しかも、支援SSの第一話の冒頭だよっ!
でもでもっ!
本能が、しきりに「ここを己のナワバリと主張せよ」って訴えかけてくるよっ!
うぐぅ、ボク、ボク…。
舞「…そんなところでおしっこしちゃ駄目」
わっ、何だかすっごく大きな人が話し掛けてきた…。
怖くて、新しいナワバリを主張したいっていう気持ちが失せた。
…うぐぅ、恥をかかなくて済んだよ…。
「わんわん!」
あれ、なにこの声…?
舞「…犬さん」
ふえ…犬? …ボクは自分の手を見た。
うぐぅ、毛並ふさふさで肉球つき?
すっごくお約束で無難な、第一章にふさわしい動物にボクは変わっていた。