葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round124!!

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105『いちご記念日』with『たいやき記念日』その5
タイヤキ屋のおじさんに謝って商店街の入り口に戻ってみると
既に商店で買物を終えた名雪がビニール2袋を持って待っていた。
「名雪、お待たせしましたね。」
「おわったのおかあさん?」
「はい、終りましたよ。あゆちゃんも反省してましたからね」
「うぐぅ、反省してるよ・・・」
「それより名雪?そのビニールの中味は何かしら?」
「えへへ、いちごの特売だよ!!」
どうやら誘惑に負けて更に追加で買ってしまったらしい。
「しょうがない娘ね?当分いちご料理ね?」
頬に手を当ててちょっと困った顔をする秋子さん。
「でわ、帰りましょう?今日はあゆちゃんも家に泊まっていきなさい?」
「え、いいの?秋子さん迷惑じゃないの?」
「いいのよ。今日はあゆちゃんが家に来る予感してたのだからね」
「本当!?おかあさん?」
「ふふっ、企業秘密よ」
と魔女的な微笑みで返す。
すっかり日も暮れて暗い帰路を並んで歩く3人。
「さっきのは駄目になってしまったから帰ったら、早速タイヤキ作りましょうね?あゆちゃん」
「本当?秋子さん!?お手製なんて凄いよ」
「え?イチゴ牛乳も忘れちゃだめだよっ!それと・・・・・・・・・おかあさん?」
「なあに、名雪?」
「タイヤキの餡子の中に莓入れてくれるかな?」
「了承(1秒)。」
「・・・うぐぅ!冷たい・・・・・あっ!雪!!!」
真っ暗で吸いこまれそうな夜空から白い結晶振り始めあゆの鼻先に落ちる。
「あらあら、降り初めてしまったわね。じゃあ、名雪にあゆちゃんいらっしゃい?」
2人が寄りかかれる様に手を広げる秋子さん。
「うんっ!」
と飛びつく様に肩に寄りかかる名雪。
「・・・・・・・・」
「どうしたの、あゆちゃん?」
不思議がる名雪。
「いいのよ。あゆちゃん遠慮しなくてもいいのよ?」
「・・・ほんとっ?」
「はい!いらしゃい」
名雪の寄りかかっている反対側の手を差し出す。
その手を取って早速寄りかかるあゆ。
「うぐぅ!あったかい・・!」
母親の温もりを7年振りに感じた瞬間で会った。
「ふふ、何だか2人とものわたしの娘みたいね?」
「確か、あゆちゃんと私は同い年だよね?」
「そう名雪さんと祐一くんと同い年・・・・・・」
「んと、あゆちゃん誕生日いつかなっ?」
「うんと、1月7日だよ」
「私が12月23日だから、じゃあわたしの方が少しお姉さんかな?」
「うぐぅ・・・・・ボクはいもうと?」
「あゆちゃんが本当に妹だったら、わたしうれしかったな?」
「そんな我侭言ったら、あゆちゃん困るでしょう名雪?」
「ボク、名雪さんみたいな優しいおねえさん欲しかった・・・・・」
「じゃあ、あゆちゃんとわたしは姉妹だよ!!仲良し姉妹記念日だよっ!」
「今日の名雪にかかったら何でも”記念日”に為ってしまうわね?」
「あと、今日はいちご記念日でもあるんだよね?おかあさん?」
「そうよね、でも同じ新しい記念日も出来たわよね、あゆちゃん?」
「うぐぅ!タイヤキ記念日?」
「うにゅ?それもいいね!おかあさん!!」
「さあ、祐一さんも待ってますから、早く帰りましょう?」
「うんっ!」
「うぐぅ!」
雪振る寒い星空の下でも、そこは3人の暖かな声が響いていきました。
ある日の平凡な日に起きた小さな幸せな出来事でした。

うぐぅ〜!これでやっとおわりだよっ〜!