ここは……どこ……? 私は、倒れているの……? なぜ倒れたの……?
いや、眠っていたのか……。でも妙なことに気が付いた。
身体の自由がきかない。目が覚めてからずっとだ。
「ねえ、岡田〜、何で私たち保健室にいるの〜?」
「私に訊かないでよ。気が付いたら、私と松本で寝ている吉井を連れてきてたんじゃない」
「そうだけどぉ〜、そもそも私たち、
>>759に書かれてるようなこと、したっけ〜?」
「知らないわよっ! 私にも何が何だかサッパリだわ…」
すぐ傍で会話が聞こえる。二人とも私の友人である、岡田と松本だ。
瞼すら開けることができないため見れないが、声で分かる。私は保健室で寝ているらしい。
「それにしても、吉井はよく眠ってるね〜。しばらく起きそうにないね〜」
「そうだね。まあ、あと一時間くらい経っても起きなかったら、叩き起こすまでよ」
…今、確かに感じた。私たち以外の者の気配。右に5メートル、部屋の入口のドアの外。
動いている……。なにをしているのか。そういう"命令"があったのか。新しい実験なのか?
奴がドアのノブに手をかけた。ほどなくドアは完全に開かれ、奴は部屋の中に入ってきた。
「きゃあっ!?」
松本が金切り声を上げた。奴に気付いたらしい。
「うわあっ!? あ、あんた、ほ…保科っ!?」
続いて岡田が奴の名前を叫ぶ。保科さんなら知っている。私たちのクラスの委員長だ。
「保科…あんた、ホントに保科なのっ!? 一体、何があったっていうのっ!?」
「いやあっ! こ、来ないでえっ!」
岡田も松本も怯えながら叫んでいる。今にも泣き出してしまいそうだ。
どういうこと? 状況がつかめない。これは実験ではないのか?
「…………」
保科さんは無言のまま、こちらに近付いてくる。わかった。これは実験ではない!
私はベッドから飛び起きて、保科さんの前に立ちはだかった。なぜ動けたのかは分からない。
「保科さん……私たちを襲うとは、それも命令か?」
「よ・し・い……」
──続く──