葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round120!!
「失敗……しました……」
そう呟いて、姫川さんは地面に倒れ伏した。
私は姫川さんに駆け寄り、彼女の様子を窺った。
「姫川さんは超能力を使うと眠くなってしまうらしいんです」
物陰から出てきた葵が教えてくれた。葵の言う通り、姫川さんは眠っている。
「…う…ん……、もう…超先生に…付き纏われるのは…イヤです…」
姫川さんが何か寝言を言っている。どうやら超先生に操られていたみたいね。
「…佐藤さんと…くっつけられるのも…イヤです…」
……なるほど。それでさっき佐藤君を見たときに取り乱したのか。
そういえば佐藤君は、あの飛ばされた男子生徒を追いかけていったみたい。
見つかれば良いんだけれど……。
「綾香さん、とりあえず姫川さんを保健室に連れて行きましょうか?」
「そうね。このまま放っとく訳にもいかないし、そうしようか」
私と葵で姫川さんを抱えて、保健室へ行くことにした。
それにしても、超先生は一体何を企んでいるのかしら?
姫川さんみたいな可愛い子を操って、この私を襲うなんて…。
私はまだ見ぬ超先生に対し、怒りを覚えていた。
──第一部・琴音編 完──